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無の時間。魚釣りは釣れなくていい、「空っぽ」になるのが心地いい

話を始める前に、僕の性別について。
僕は「女性」だ。
一人称が「僕」と「私」の時があるので
混乱させて申し訳ない。

その村は、イヴォワールという。
レマン湖のすぐそばの小さな村だ。

僕はその年、イヴォワールに通って、
レマン湖で釣りをした。

釣り竿とマゴッ赤ちゃんの蝿なっ!
白いバケツを持ち、
サンダルをつっかけて出発する。
僕は日の光に弱いので、
日傘も忘れなかった。

イヴォワールは賑わっている。
釣りスポットとして人気なのだ。
ローカルのムッシュも、
別荘に訪れたムッシュも
みんないっしょになって、
釣りを楽しむ。

僕は釣りが好きだ。
居心地がいい。
水の動きを見たり、
遠くのヨットを眺めたり、
ムッシュたちと世間話をしたり…

頭の中を空っぽにして
「無」になる時間が好きなのだ。
釣れなくていいのだ。

その村は、イヴォワールという。
レマン湖のすぐそばの小さな村だ。

船がたくさん
釣りを楽しむ人たち
目がぎょろっとした魚
名前は忘れてしまった
夕暮れのレマン湖
夕方と夜のあいだ


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