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エドガー・ドガ / メトロポリタン美術館
ぜんぶ僕の。暴君発言をふわりと包む、一枚も二枚も上手な君
話を始める前に、僕の性別について。
僕は「女性」だ。
一人称が「僕」と「私」の時があるので
混乱させて申し訳ない。
僕は僕ので、君も僕の。
「僕の言えやしない」
「僕のかわいい、言えやしない」
そんな風に呼ばれるとき
僕は笑顔がこぼれぬよう
口角に力を入れる。
そんな風に呼ばれるとき
僕は嬉しさが溢れぬよう
目を鋭く細める。
でれでれするのは
恥ずかしいからだ。
そして僕は君に言う。
「僕は僕のもの」
「それは変わらないよ」
「そんでもって、君は僕のだ」
君は僕の目を見て
優しく微笑む。
君は大きな体で
僕を抱擁する。
君は笑いながら答える。
「ぜんぶ、言えやしないのだよ」
僕は今日も
君の手のひらの上で
転がされて
気持ちよくなっている。
僕は僕ので、君も僕の。
僕の肉声
気まぐれで下書きと公開を行き来している。
追記:noterさんの記事を読んで、初めて四千頭身都築のラジオを聞いた。野球部のいきってる男子感がいい。うるさくていい。自分で選ばないコンテンツはやはりいい…僕を拡張してくださってありがとうございます。