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愛すべきチープトイの世界
どうも、いえさぶです。
いきなりですが、皆様は「チープトイ」と呼ばれるおもちゃをご存知でしょうか。
チープトイとは、サービスエリアやレストランのレジの横、観光地のお土産屋などに売られている安価なおもちゃの総称です。どこかで見たことあるような変形ロボや、小さなおままごとセットなど、売り場を訪れた子供たちのニーズに応えるため様々なジャンルのおもちゃが取り揃えられていて、またその多くが子供たちとその両親のお財布に優しい価格に設定されています。
最近はこのチープトイが放つ怪しげな魅力に当てられたコレクターたちが、オークションサイトやフリマアプリなどでプレミア価格で買い集めるなど本末転倒な事態も起こっています。
そんなチープトイですが、中には「チープ」と呼ぶには勿体無いほどの名作が隠れていることがあります。今回は私いえさぶのコレクションの中から、名作チープトイを2つほどご紹介します
・Chain Fong Toys「Cosmocop」
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まずはこちらの大柄なトイからご紹介します。
かつて台湾や中国に拠点を置いていたメーカー、Chain Fong Toysより「Cosmocop」です。同社は電子トイピアノやクリスマスシーズン向けのダンシングサンタクロース人形などの生産を主としていました。一方で、そのノウハウを活かし大型電動トイの生産にも長けていました。その代表作とも言えるのがCosmocopです。
サイズは40センチほど、単三電池2本と単二電池2本で電子サウンドを響かせながらミステリー走行します。さらに、一定時間通常の走行をした後、
・ヘッドライト開閉、点灯
・パトランプ展開
・車体がスタンドによりリフトアップ
・飛行モードに変形し回転
という複雑なアクションが楽しめます。
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ここまで複雑なアクションをするにもかかわらず、なんと動力源のモーターは一つです。つまり、上記のアクションはすべて複雑なギアボックスを介し緻密に制御されているのです。素材のプラスチックも上質で、当時のチープトイの中でもかなり高級な部類だったことが伺えます。
しかし、車体形状が日産のコンセプトカー「Mid4」に酷似していたり、見た目は映画「ロボコップ」のポリスカーのようでありながらギミック自体は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン・デロリアン風だったりと、チープトイ特有の怪しさも満点でまさにマニア向けの逸品と言えます。
Cosmocopにはいくつかバリエーションが存在しており、初期ロットと思われる白いホイールのバージョンや電子音声が追加された「Talking Cosmocop」などが確認されています
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また、Cosmocopを模倣したと思われるトイもいくつか存在しています。
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「Aerocop」。
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「Spacecop」。
Placo ToysからはCosmocopタイプのトイのギミックを持つ、バック・トゥ・ザ・フューチャーのタイムマシン・デロリアンが販売されていました。
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・Hang Tjuk
「Auto Change Robo」
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次は変形ロボットトイのご紹介です。
Hang Tjukなる香港のメーカーより、「Auto Change Robo」です。発売はトランスフォーマーと同時期の1984年ごろ、ボディのデザインはダッジ・デイトナターボがモデルと思われます。
本体は古き良き有線リモコンカーとなっており、左のレバーで前後に走行、右のレバーで変形というシンプルな構成です。
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変形機構自体はシンプルかつよく見られるものですが、腕の展開と連動して肘に角度がつくなどロボットモードのプロポーションをよくする細かなこだわりが感じ取れます。ビークルモードにも大きな破綻はなく、チープトイにしてはかなり高品質な仕上がりです。
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メッキパーツやゴムパーツの品質も優れている。
Auto Change Roboにはいくつかの派生商品が存在しており、バンタイプやフォーミュラカータイプ、フェラーリF40タイプなどが確認されている他、ミステリー走行しながら自動変形するタイプも確認されています。
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そしてこの商品は日本版ローカライズパッケージが存在しており、明治チューインガムが食玩として販売していました。
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コントローラーに独自のステッカーが貼られる。
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今回もご拝読いただきありがとうございました。メジャーなメーカーのものとは違い、売り場の主役になることもなく、歴史に名を残すこともないチープトイ。しかし星の数ほどの製品の中には、一言に「チープ」とは侮れない名品も隠れています。皆様もチープトイのディープな世界を覗いてみるのはいかがでしょうか。それではまたお会いしましょう。