見出し画像

悩みを話せるのは誰

生きていく上で、愚痴や悩みは尽きない。

それを誰に打ち明けるのか。

家族?
恋人?
友人?
会社の仲間?
SNS?

悩みの内容によっても、打ち明けられる相手は変わってくる。

その悩みが重ければ重いほど、打ち明けるのには勇気がいるし、人も選ぶ。

自分の一番苦しんでいる悩みの理由は、今まで誰にも話したことはなかった。
それが家族や、カウンセリングの先生であっても。

心の何処かで、悩みの原因を認めたくなくて、人に話してしまったら、もう認めるしかないのが怖かった。
それに、現実にこんなネガティブな感情を人に伝えることで、面倒くさい人に思われるのも怖かった。

 だけどこの前、初めて現実でこのネガティブな話を人にした。

自分でも意外だった。

その人は、自分の悩みの何倍も、深い悲しみや悩みを抱えていた。
なのに、人一倍頑張っていて、周りには苦しそうな姿をお首にも出さずに、笑っているような人だった。

そんなに苦しんでるのを僕が知るのは、出会った大分後になってからだった。

最初に会った時、一見すると普通に生活を送っている他の人達と変わりないように見えた。けど、話しているうちに、言葉で表現するのが難しい位些細な違和感があった。

一言でいうと、細々とした所作の違い。
本人は特に意識していないと言っていたけれど、無意識に行っている気遣いのようなものだと思う。

勝手な憶測でしかないけれど、きっとこの人は周りに対して色々なことを気にして、考えて、自分の心を砕いてきたんじゃないかと思った。

それが無意識で当たり前になってしまうほどに。

それからその人の話を聞く機会もあり、過去の痛ましい経験や、今も大きな問題を抱えていることを知った。

余りにも悲しい内容に、感情が追いつかなかった。

なんでこんなに才能に溢れてて、人一倍努力している人が、こんなに悲しい想いをしないといけないのか、とても理不尽に感じた。

それと同時に、そんな状況にも拘らず、人前では努めて明るく振る舞うその姿に、尊敬の念を抱かずにはいられなかった。

多分そういうのもあったから、自分の話をしてみようって思えたのかもしれない。

 でも、いざ話そうとするとやっぱり少し躊躇してしまった。自殺未遂したなんて言ったら、物事を大袈裟に言う変な人。もしかしたら、男のくせに情けない人と思われるかもしれない。

そうした気持ち含めて、悩みを打ち明けた。

「そんなんで変とか見る目が変わるとかないよ」

目を腫らしながら、真剣にそう言ってくれた。

その言葉でどれだけ救われたか分からない。

自分の方が辛いはずなのにね。

この感謝の気持ちは、どれだけ伝えても伝えきれないと思う。

叶うなら、この人の不幸全部受け取ってあげたい。
そして、この人とその周りの人たちが、心からの笑顔で過ごして幸せになって欲しいと、切に思う。

いいなと思ったら応援しよう!