空き家が負動産になる前に 処分編Vol.4
今回は、良く聞く特定空き家に関する事を書いてみます。読んで、頭の片隅に置いてくれたらうれしいです。
特定空き家とはなんぞ?
わかりやすくいうと、そのまま放置すれば倒壊しそうだし、防犯や景観にも影響を与えそうな管理されてない空き家って事だと思います。
2015年5月26日、倒壊などの危険が高い空き家を減らして、適切な管理・活用を促すために「空家等対策の推進に関する特別措置法」が全面施行されました。この法律に従って自治体が動き、注意勧告に従わないと特定空き家として指定されます。
・空き家
適切に管理されていて、周辺の住民から苦情がでない家。
・特定空き家
周辺に悪影響を与えていて、周辺住民から苦情がでる家。
特定空き家に指定される基準
自治体によっては判定する基準は明確ではないかもしれませんが、
近隣の住民から苦情があり、危険性があれば指定されると思います。
特定空き家の認定基準は4つ
①倒壊、崩壊などの危険がある状態
・建物自体が傾いている
・土台や基礎が老朽化し、亀裂や破損がある
・外壁など瓦がはがれ、台風などで近隣に危険が及ぶ可能性
②衛生面で問題がある状態
・外壁からアスベストが露出している
・浄化槽が処理されず悪臭がでている
・ゴミが放置され、害虫悪臭がある
③町の景観を損なっている状態
・植物などが生い茂り、ごみが散乱している
・らくがきがされていたり、門扉や塀が壊れている
④放置していることが不適切な状態
・庭木等が道路にはみだしてたり、落ちた雪が通行をさまたげる
・容易に不法侵入ができたりと周辺に犯罪や放火の被害がでる危険性
特定空き家に指定されてしまうと
空き家と特定空き家の違いの項目で流れを書きましたが「助言」➡「指導」➡「勧告」と続きます。実は勧告の次の段階がありまして、最終的には「命令」➡「代執行」にいたります。
ざっくり書くと、こんなイメージです!
助言
「危ないからしっかりと管理してね!」
指導
「危ないからしっかりと管理してね!って言ったっしょ!(強」
勧告
「管理しないなら、固定資産税の優遇はずしちゃうよ!」
命令
「それでも改善しないなら罰金も払ってもらうからね!」
代執行
「代わりに解体してあげるから、かかった費用は全額払ってね!」
(1)助言、指導
この時点では、空き家の管理についてのアドバイスが行われますが、放置しているからといって、何かしらの罰則はありません。家庭状況を鑑みての所有者の意思を尊重しているのだと思います。
(2)勧告
助言や指導に対しても、何の対策も行われたかった場合は更に強く改善を促されます。一定期間の猶予の後、勧告に従わない場合はここで初めて罰則を受けることになります。その罰則とは固定資産税の優遇措置の解除です。
Vol.1で空き家の増える要因にも書きましたが、所有している土地に住宅が建っていると優遇措置として固定資産税が減免されています。これが、解体されずに空き家が放置される一つの要因でもあります。
優遇措置が解除されると、3倍もしくは6倍の税金を納めないといけません。ですから、特定空き家に指定された場合、ここに至るまでに放置せずに空き家の対策を行った方がよろしいかとおもいます。
(3)命令
優遇措置の解除がされても、改善が進まない場合は改善措置命令となります。この改善措置命令をも無視すると罰金刑になります。
命令違反となり50万以下の罰金だそうです。
(4)行政代執行
改善措置命令を受け改善なされなかった場合は、行政が家屋の解体に動きます。それにかかった費用は、もちろん所有者に請求されますし、支払えない場合は給料の差し押さえ、財産の差し押さえになると思います。
恐らく解体費用も自分で頼むより高額になると考えられます。
追記 特別措置法の改正案について
これまで「空家等対策の推進に関する特別措置法」の特定空き家の事を書いてきましたが、2023年特別措置法に対し改正案が提出されました。
この改正案が通ると、特定空き家に指定されるレベルではない空き家でも、管理されてないと判断されれば指導の対象となります。改善しなければ上記に書いた通りの流れになり、固定資産税の優遇もなくなるかもしれません。
まとめ
遺産分配が上手くいっていない、遠方で管理できない、いつか使うかもしれない等、空き家になる事情は様々です。かといって放置したままですと、色々なリスクに繋がり、より面倒な事になってくるので早めに活用方法を考え行動に移した方が良いのではないでしょうか。
処分編を読んで、空き家に関して考える一端になれば幸いです。
糸魚川市に空き家をお持ちで困っていたら、是非いえかつ糸魚川まで。
ご相談お待ちしております。