空き家対策特措法について
以前、「空き家が負動産になる前に 処分編 vol.4」で特定空き家について書いていた時に、ちょうど「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正案が公布されたので軽く書いておきましたが、改正案がいつのまにか通っていて、2023年12月13日に施行されたようです。
端的に書くと、空き家への課税が6倍になる可能性があり、空き家の所有している人に対して大きく影響がある改正法案です。
恐らく認知している方はまだ少ないとおもうので、たまたま読んでくれた少数の方は頭の片隅に残しておいてください(笑
「空き家が負動産になる前に 処分編 vol.4」では、
「空家等対策の推進に関する特別措置法」の中の「特定空き家」の事について書きましたが、今回の改正で「特定空き家」に加えて「管理不全空き家」が新設されました。特定空き家については以前の記事を貼っておくのでご覧になってみてください。
管理不全空き家って?
管理不全空き家は、放置すれば特定空き家になってしまう状態の家です。ただちに近隣に影響を与えないとしても、管理されている形跡がない家は指定されて指導や勧告を受けてしまう事になると思います。
特定空き家は誰が見ても町の景観に影響があったり、周辺に危険がありそうな空き家に対しての措置ですが、今後は管理されていない空き家と見なされれば、同様の措置が取られる可能性があります。
今回の法改正のポイント
固定資産税の住宅用地に対する課税標準の特例というものがあります。
この特例は、居住用の家屋の敷地200㎡までの固定資産税の課税評価額を、6分の1に減額してくれるというものです。
今までは特定空き家に指定され、注意や指導に従わないと上記の特例が解除されていました。今回の法改正では、特定空き家に至る可能性のある管理されていない空き家に関しても上記の特例を解除できるようになりました。
空き家が放置され多くなっていく原因は、この特例の影響が大きいです。
空き家を解体して更地に戻すと特例が適用されなくなります。評価額の6分の1の計算された固定資産税が元の評価額で計算されるようになるので、固定資産税が単純に6倍増えます。数百万かけて家を解体したあとに固定資産税も6倍になるのであれば、とりあえず放置しておく考えに至る人は多いと思います。遺産相続で引き継いだ場合はなおさらだとおもいます。
しかし今回の法改正後は、単に放置していると管理不全空き家に該当してしまう可能性が出てくるため、定期的に空き家の状態を確認して、適切に管理をしていなければ、固定資産税の減額措置が受けられなくなってしまう可能性があります。
全国的な問題になっている空き家は街の機能不全にもつながっていくので、今後も空き家に関する対策は拡大していくはずです。
使用する予定がない空き家であれば面倒がらずに早めに処分方法を考えた方が良いと考えます。人が住まない家、管理されてない家は驚くほど劣化が早いです。遠くて管理ができない方もいると思いますが、これをきっかけに一度真剣に考えてみるのをお勧めします。
空き家を適切に管理されている方は全く問題のない法改正ですが、年齢を重ねていくと管理も大変になってきたとご相談に来る方も多いです。管理しているから関係ないと思わず、先々の事を考えるきっかけとしてとらえてみてください。
空き家に関するあれこれを色々と書いていますので、気になったら読んでみてくださいね。