Apple Event (2020/10/13) | HomePod mini, iPhone12
テストが立て込む週にイベントが開催されるのは不服ですが仕方ないです。こうして何かをやっていないと、気分が優れないので、無理やり手を動かしています。
扨、今回も同様に発表された製品を考察も交えつつ、綴っていきたいと思います。目指せ執筆時間30分。
発表された製品群は以下
・HomePod mini
・iPhone 12 シリーズ
・iPhone 12 Pro シリーズ
個人的にApple Silicon搭載のMacBookPro等も発表されると思っていたので、終わったときは驚きました。あと前回の iPad Air 発表により息をしていない iPad Pro も息を吹き返すかもと思っていたのですが、そんなことはないようです。
§ HomePod mini
本イベント新発表製品はHomePodの新しいファミリーからスタート。
ホワイトとスペースグレーの2色展開で、価格は$99より。11月6日予約開始、16日に発売開始となっています。
やっときたって感じですね。miniの発表によってハイエンドの位置付けとなった現行機種のHomePodが発表されたのが2018年2月のこと。日本での販売開始が2019年8月末だったこともあり、昔に感じられませんが、2年以上も前のことです。発表当時から、$349の価格設定は他の競合と比べると十分に高価格でした。無論、構成されているウーファーやツイーター等は高音質を売りにしているスピーカーに勝るとも劣らない性能を有していましたが、スマートスピーカーとしてみた場合、消費者はより安価なAmazonのものやGoogleのものを求めました。時期的にも、スマートスピーカーが登場して間も無く利便性の認知が今程でないことも拍車をかけ、顧客獲得に成功したとは言い難い製品になりました。その為早い段階より安価なモデル発売を待つ層も一定数存在しました。長かったですね。
デザインはハイエンド同様メッシュ生地で360度覆われており、立体的なサウンド体験を引き継いでいます。サイズと重量は比較するとこんな感じ。
HomePod | 幅142mm 高さ172mm、2500g
HomePod mini | 幅97.9mm 高さ84.3mm、345g
高さは半分ほどになり、重量も重厚感のあるハイエンドの8分の1ほどになっています。価格設定にしろサイズ感にしろとてもお手軽です。
カスタムチップには AppleWatch Series 5 に採用されていたSiPのS5が搭載されています。ハイエンドのA8と同様にAシリーズのものが採用されると思っていましたが、よくよく考えるとHomePodに現役のAシリーズチップはオーバースペックすぎることやA8のような6年前のものを使用するには古すぎるといった観点からSシリーズチップは極めて合理性が高いと判断できます。今回の HomePod mini の発表は、現行ハイエンドの発表時と大きく異なり、音質やサウンド体験よりも、生活により密着したスマートホームを見据えている、スマートスピーカーとしての体験に重きをおいた構成がなされていました。加えて、iPhone 11 や 先日発表された AppleWatch Series 6 といった、新製品に続々と搭載されているU1チップを搭載しています。その点からも、Appleが未だに燻っているスマートホーム市場の立役者としての位置を狙っていることを垣間見ることができるのではないのでしょうか。
§ iPhone 12 & iPhone 12 mini
今回のイベントの目玉と言っても過言ではない、と言うか目玉のiPhone。CEOのTimは恒例となっている顧客満足度やプライバシーのトピックを皮切りに話始めました。そして 今世代iPhoneを ”It's been another big year of iPhone” "New era of iPhone" と前置きし、iPhoneが5Gに対応することを告げました。僕の記憶では、発表の際に大事な年となると前置きしたiPhoneは10周年モデルとなったiPhoneX以来です。端末の発表に先立ちアメリカの通信キャリアであるVerizonのCEOが登壇しました。
"Until now, most people have taken a 'wait and see' approach to 5G. Well, today with iPhone, the wait is over. 5G just got real"(抜粋)
VerizonのHansCEOは冒頭で以上のように述べていました。これは通信業界のiPhoneの5G対応への期待感の現れと見ていいでしょう。勿論、既にAndroid端末に5G対応しているものはありますが、ミリ波非対応や高価なモデルに限られていると言った状態が続いていました。(これはARM買収の記事にて軽く触れましたが、大手SoC供給メーカーであるQualcommが5G対応のモデムを搭載する場合、同パッケージの高価な Snapdragon865 5Gを使用するようガイドラインを決定していた為、一概にQualcommが悪いとは言っていませんがそうした背景も少なからずあります。) Intelのモデム部門を買収・内製化に取り組んだAppleに対して、iPhoneユーザという一定数の顧客を5G体験へ導くことができることに対して、それぞれの現状打破への期待感が高まっているのは至極当然でしょう。結構な時間を割いて、VerizonCEOは5Gがいかに素晴らしいかを演説していました。
5G対応を予定しているキャリア一覧。日本の3大手も名を連ねています。
5色展開。11は6色展開だったのになんか物足りない感がすごい。
このモデルで長らく続いた iPhone 6 以来のラウンドエッジが廃止。フラットになりました。
そしてそして iPhone 12 mini 発表。イベント内でスーツケース何個も開けるマトリョーシカ的演出あったけどちょっとイラッとしたな。
ともかく iPhone XS or XR の時から続いていた若干の気持ち悪さが残るラインナップが解消しました。今まではハイエンド( XS もしくは Pro )シリーズが5.85インチと6.5インチのであったのに対し、ミドルレンジがその間の6.1インチだったのです。例外は勿論ありますが、基本的にスマートフォンは画面サイズと価格は比例しますので、少し変な感じだったのです。かといってハイエンドのベースモデル( Max じゃないやつ)を大きくしたらその次に小さいモデルが4.7インチの SE だけになってしまう。mini はそれらを解消するために開発されたと考えて差し支えないと思います。後述しますがこれでハイエンドのベースモデルは6.1インチへと大型化し、Max もさらに大型化を遂げることが可能になりました。
12 mini は SE より小さいのに画面サイズは大きいよ!の図。
iPhone12は画像の通り、薄く、容積が小さく、軽くなったそう。
11と比較してみると、縦 -4.2mm 横 -4.2mm 薄さ -0.9mm 重さ -30g 。
別に薄くなくていいからカメラの出っ張りなくしてその分バッテリ増やしてくれたらいいんよ、薄さとか重さとか今のままで十分だからさ。皆思ってるよ、たぶん。知らんけど。
とうとう今世代にてハイエンドと差別化が図られていた要素の一つである、液晶ディスプレイから卒業し、OLEDとなりました。前世代のハイエンドである11Proと同等のディスプレイ性能を有します。具体的にはP3色域、200000:1のコントラスト比、460ppiの画素密度などなど。通常時の最大輝度は625nitsと11より変更なしですが、11ProのみであったHDRコンテンツ視聴時最大1200nitsを誇ります。これにより Dolby Vision, HLG, HDR10に対応。
5G使ってるとコンテンツ消費が増えて通信量増えちゃうの〜ていう悩みを解決してくれるらしいです。システムがやってくれるのかな。英語聞くのめんどいから詳細は割愛。まあ間違ってないと思う。
カメラも強化されてます、画素数は共に12MPですがf値が変更されていたり、レンズ構成が変わっていたりと細かい変更が入っています。
Dolby Vision 対応のHDR動画を30fpsで撮影可能になっていたり、ナイトモードがタイムラプスに対応していたりと、これらは前世代ハイエンドである 11 Pro にも搭載されていなかった機能です。
iPad Air 発表時にも言及したA14チップを搭載します。スマートフォンに搭載されるチップで世界最速と謳われています。
個人的に一番驚いたのがこれですね。今では廃止されてしまったMacBookシリーズで採用されていたマグネット式充電端子で使われていた名称である、"MagSafe"がiPhoneに。ケース取り付けたりできちゃうんですねえ。Qi規格の充電以外にもNFCタグ等も一元化して搭載しています。最大供給15Wは変更なしです。
これ、絶対買います。ケーブルめんどくさいもん。12じゃないと駄目なのか、うーん。
以上が iPhone 12 及び iPhone 12 mini となります。あああと良い画像がなかったんで忘れてましたが、画面のコーティングが従来のガラスからセラミックシールドへ変更されています。4倍もの強度を誇るそうですが、元々が弱すぎるのでどの程度使える強度なのかわかりません。とは言え、割れる確率が相対的に小さくなったのは事実なのでありがたいですね。
あと耐水性能が過去最強になってます。IP68等級なのは変わりませんが、11では深度2mにて30分、11Proでは深度4mにて30分であった性能が、深度6mにて30分となっています。長時間水没する場合は運の要素が大きいですが、これも同じく相対的に水没死の確率が小さくなったので喜んでいいと思います。
§ iPhone 12 Pro & iPhone 12 Pro Max
未だに iPhone の Pro ってなんやねんと納得していないネーミングですが、変更されることはなく、更新されました。ミドルレンジのものと通信速度やSoCといった一部性能は共通ですが、カラバリ、カメラで違いがあります。
11 Pro の時のミッドナイトグリーンといい、最近のiPhoneは新色がとても良い感じ。
共に6.1インチ・6.7インチへと画面サイズが大きくなりました。Maxについてはあんまり変わらない気がするな。
カメラは共に3眼カメラでLiDARスキャナを搭載しています。ただし、Maxの方がセンサーサイズが大きかったり、レンズが違ったりするようです。後述します。
少し見にくくて恐縮ですが、Maxとの違いがある点をハイライトしています。カメラ撮影とビデオ撮影は同じ部分なんですが一応。f値が違っているのがお分かりいただけると思います。また、イベント内で言及されていましたが、望遠レンズ(tele-photo lens)がMaxでは焦点距離が65mmへ変更されています。それ故、光学ズームの可能倍率が少し異なるのですね。広角レンズではセンサーサイズが47%大型化しています。大きな開放絞り値と大型センサーによって集光力が向上し、暗い場面での87%の向上が為されたと語られています。また保存形式は Apple ProRAW が可能に。RAW撮影が純正カメラアプリだとできなかったのでこれはありがたいです。
ちょっと疲れてきたので、めっちゃ端折ってます。ProにはLiDARスキャナも同時に追加されています。これにより、写真の深度認識の精度が飛躍的に向上し、ポートレートモードなどに活きてきます。加えてA14のSoCに内包されたISP・CPU・GPU・Neural Engineを連携させて活用することでラグなしでの直感的なカメラ体験を提供するとしています。
他に少し気になったのが、6.1インチのものが11Proと比べて、1時間バッテリ寿命が短かったんですよね。まあ誤差でしょうけど、何が起因しているのでしょうか。
ちなみに 11 Pro は64GBスタートでしたが、12 Pro は128GBスタートで、価格の変更はありません。ちょっとだけお買い得。まあこのモデル買う人は気にしてないと思いますが。
§ 発売日
各トピックの中で書いたり書かなかったりしてるので、ここでもう一度書いておきます。
・HomePod mini : $99~ 11月6日予約開始、11月16日発売
・ iPhone 12:$799~ 10月16日予約開始、10月23日発売
・iPhone 12 mini:$699~11月6日予約開始、11月13日発売
・ iPhone 12 Pro:$999~ 10月16日予約開始、10月23日発売
・iPhone 12 Pro Max:$1099~ 11月6日予約開始、11月13日発売
以上です。結局2時間強かかりました。今から勉強します。最近まともに寝れてないのですが、寝れないものは寝れないので、鞭打って頑張りたいと思います。長文読んでいただきありがとうございました。
※画像はAppleEvent2020公式アーカイブスクリーンショット又はapple.comより
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