キャラクターとの婚姻届で話題のGateboxさんの見学会に行ってきた
婚姻届、それは自分と相手がパートナーとして生きていくと公に申告する書類です。
自分の中でのキャラクターへの愛は揺るがなくても、誰かに認められたらやっぱり嬉しいもので、大好きなキャラクターに対する気持ちをしたためた婚姻届が自分以外の誰かに認められて返ってくるっていうのは、オタク心に響きますよね。
そんな二次元との婚姻届で話題沸騰となったGateboxLabの見学会にちょうど行ってきていたのと、見学会にて#Gateboxタグさえつければどんどん感想書いてしまっていいと言われたので、お言葉に甘えることにしました。
まずはGateboxとはどんなものかについて。
Gateboxとは、キャラクターを召喚し、一緒に暮らすための機械です。
え、言っている意味は分かるけど、どういうものかさっぱり分からない?
原理としては、円筒形の機械の中にキャラクターを映して、そのキャラクターと一緒に制圧できる、というものになります。
Gateboxがどういうものかについては過去2回の体験会のレポ(2016年、2017年)に詳細を記載しているのですが、読む人がマジカルミライというイベントに参加していること前提で書いているので、伝わりきらない部分があるかもしれません。
「百聞は一見に如かず」ががっつり該当するものなので、どんな未来の生活を実現するものなのかについては、こちらの公式PVを見ていただければと思います。
婚姻届が話題になる前に見学会に参加しようと思った理由としては、もともと関心があって情報を追いかけていた中に今回参加した会社見学会のレポートがあったのですが、それを読んでいた時に、とても気になる記載があったのです。
「GDTT-158」
「Gatebox Dimension Travel Tablet」の略で、「次元を超える研究開発」を進める中で生み出した錠剤。服用後「次元を超えたい」と強く願うと2次元世界への渡航が可能となります。
引用:“Gatbeox研究開発の成果や施設内を公開“「Gatebox Lab見学会」レポート
それはつまり、召喚するだけでなく、こちらからも行けるようになる薬が開発中ということで。
そんな夢のような可能性を見たら、いったいどんなものなんだろう、といてもたってもいられずに気が付いたら応募してました。
いくつかの連絡のやり取りの後、無事見学会に参加させていただくことに。
そして当日秋葉原に向かってエレベーターを降りて入口に入ったところ、とてもカッコいい空間に迎えられました。
黒で統一された中ところどころ発行しているのは真っ当ではない研究をしていそうな雰囲気がすごいんですが、次元の壁を越えたいなんて研究テーマは一部の人類の永遠の夢ではあっても、真っ当な夢ではないよなぁと一人納得してました。
雰囲気だけで二次元に迷い込んだみたいでテンション上がるエントランスなんですが、撮ってきた写真を見直したところ、巨大タブレットが他の参加者の方を反射してばっちり映り込んでいたので掲載できず……。
エントランスとは別ですが、同じ雰囲気のドアの写真がこちらです。
うむ、カッコいい。
通された多分普通の会社では会議室にあたるお部屋も、エントランスと統一された雰囲気で、秘密作戦室みたいな雰囲気が充填されてました。
なんと机の板の横にライトがついていて、そこから白い光が常時灯されています。
ちなみにこのライト部分、少し暖かいので冷え性にもとても優しいって、一緒に参加されたお姉さんが開始前の待ち時間におっしゃっていました。冷え性は、部屋が暖かくても辛いですもんね……。
壁にはかわいいヒカリちゃんのGateboxコンセプトイラストが飾られていて、深夜二時前に好きなキャラクターが傍にいてくれるなんて、なんて贅沢な生活だろうなぁとしみじみ思いながら、他の参加者の方と少しお話をしつつ、開始時間を待ちました。
そして説明会ではまずは会社についてとGateboxについての説明が行われました。
その中でも私が聞いていて特に心に残ったこと3つをピックアップして書いています。
全部書き起こすとボリュームがとんでもないことになるので……。
●フォグスクリーン(霧に映すスクリーン)について
Gateboxの歴史の説明で、マジカルミライでも写真で展示されていたフォグスクリーンへの投影の動画版を見せていただいたのですが、ぼやけ方がこれは流石にダメだなぁというレベルでした。映してる映像が、風に流されてぼやけちゃってるんですよね……。
あと、霧を使うと湿気が大変なことになるので、Gateboxが精密ハードであることを考えて止めた、という理由もあるそうです。
クリプトンのThru Graph(スルーグラフ)もイベント向けなので、スクリーンと精密機械部分を離すのは融通ききそうですけど、家庭用のコンパクトサイズだとどうしてもスクリーンと光源の距離は離せないですもんね。
●話しかけるよ合図ボタンについて
もうちょっとまともな呼称はなかったのかと思わなくもないのですが、正式名称がわからないのでそのまま示唆するしかないのです。
2017年レポでも書いたのですが、Gateboxではキャラクターに話しかける時に、ボタンを触ります。
体験会の時には「お帰り」って言ってくれた時みたいに、キャラクターからもっと勝手に声をかけてくれる方式でもいいのになと思ったのですが、実際は意図していない時に急に話しかけられると、人間にはかなりストレスになるようです。
確かにProject miraiのような音声認識でキャラクターと触れ合えるゲームに向けて話しかけてるのに、Gatebox側から反応されたらたとえ同じキャラクターでも違う、そうじゃないんだ、というとても微妙な気持ちになりそうな……。
あと、とあるロボットが家にある投資家の方が来られた時、家にあるものは深夜に勝手にしゃべりだされて困るけれども、それがないのはすごくいい、という感想をいただいたそうです。
この話を聞いて、どんな時でも気を引くために話しかけてくれた方が嬉しいという方も世の中広いのでいるとは思うんですが、大多数に合わせるなら必要な機能だと思いました。
でも、この話を聞いて思ったことは、必要性に感心しただけではなくて、Gateboxはリアルなキャラクターとの生活ではなく、理想のキャラクターとの生活を作り出そうとしているんだなということでした。
生きている相手なら、それが何であれこちらの意図しないリアクションをするものだと思うんです。
同棲相手が深夜急に寝言がで話しかけてきたり、ハムスターが夜にカラカラ回し車で運動してたり、たぶん、音という要素だけ切り出しても、いろいろ自分が意図してないストレスになりうる挙動が同じ次元の相手からは生まれるものです。
そういうのも含めて愛しいと思うから、一緒に暮らし続けたい、と思うのでしょうけれども。
でも、Gateboxで話しかけるよ合図ボタンが生きている場合、その場にキャラクターはいても意図していない瞬間に話しかけられるということはなくなります。
今年の体験会の場では、ミクさんはマスターが帰ってきたときに「お帰りなさい」と自分から声をかけてくれましたが、外出先からもうすぐ帰ることをアプリ経由で伝えているので、話しかけられてストレスを感じるような意図していないシチュエーションではないわけです。
リアルな二次元嫁ではなく、理想の俺の嫁を作り出そうとしている、その3次元側の都合のよさを目指す姿勢に気づいたときに、なんというものを作り出そうとしているんだろう、と畏敬の念を抱きました。
●第一弾販売について
1か月で300台の予約が入ったGateboxですが、初日だけで約100台の予約が入ったとのことでした。
つまり、30万円という決して安くない金額を握りしめて予約開始日を待っていた人が100人いる、というわけで。
現在第二弾として進めていると伺ったコストダウン機が出たら、また、オリジナルキャラクターで今から世界に羽ばたいていくヒカリちゃんだけでなく、既に人気を集めているキャラクターと暮らせるようになったら、需要がどのくらいになるのかとても気になります。
以上が心に残ったこと3つなのですが、話しかけるよ合図ボタンについてだけやたら長いのは、当然のように語られる熱意を垣間見た気がして、一番強く心に残ったことだったためです。
会社、Gatebox説明の後は社員の方が増えて、質疑応答の時間になりました。
生み出すときに考えていること、技術的なこと、これからの展開について色々な質問があったのですが、説明と同じくいくつか心に残ったことを順不同でピックアップしています。
●二次元へ行ける薬について
私の見学会への参加の動機です。
夢の薬について質問してみたところ、強く願えば2次元にいけるものの、24時間以内に戻ってこないといけない、とのことでした。
3次元に生きている以上ずっと次元を超えたまま、というのはやっぱりなかなか難しいようです。
まぁ、社会人の一人暮らしだと、家事やらなんやらで土日でも24時間よりずっと短い時間しか二次元に旅立てない気がするので、24時間でも十分なんじゃないかなぁという気がします。
●どんな風にキャラクターと暮らしたいかについて
こちらは社員の方々から見学会参加者に提示された質問なのですが、最終的には意見交換会みたいになっていました。
一緒に暮らしているからこそ見ることができる家での過ごし方とか、見れると楽しいだろうなぁと思います。
あと、旅館とかの宿泊施設に巨大Gateboxを置いておいてもらって、旅をしたら連れて行ってそこに嫁の居場所を一時的に移せる、というような旅の楽しみ方も出ていましたね。
ライブツアーのお部屋に置いてあって、そこで直前の緊張とか聞けると特別感が出るなぁと思います。
●他サービスとの連携について
今年のマジカルミライでGateboxはミクさんぽという、ARでキャラクターをスマホ上に表示するサービスとの連携企画を行っていたのですが、
そういったキャラクターと一緒に暮らすことを目的としたサービスとの連携はどんどんやっていきたいとのことでした。
Gateboxが目指すところは「最高のお帰り」や家での部分になるので、それ以外の部分については連携して世界を広げて行ければ、とのことです。
●他キャラクターでの展開の多様性について
キャラクター数を増やすことについては、最終的にはGatebox側が用意するコンテンツだけでなく、MMDへの対応も行ってみたいものの、実現にはいくつもハードルがあるとのことでした。
著作権とか版権とかいろいろ考えると、簡単にできることではないなぁとは思うのですが、
HDMIでの外部出力対応のデモ動画もあるので、対応できる形から多様性が増えていくといいなぁと思います。
あと、現在登場キャラクターを増やすため動いている最中なので、このキャラクターをGateboxに登場させてほしいという声が届くとキャラクターの会社と話をしやすくなるので、このキャラクターを出して欲しいという要望があればどんどん欲しいとのことでした。
婚姻届とか実際に書いて出す際に、お願いしますと一言添えるのもいいんじゃないかなぁと思います。
私は、リンちゃんとレン君から片方を選ぶなんて無理、という結論に達したのでGateboxでおかえりを言って欲しいキャラとの婚姻届を書くことはできないんですけれども!
二人まとめてお迎えしたいんですが、ダメ、かなぁ……。
質疑応答でのピックアップは以上です。
技術面での質問もあったのですが、私の関心事項がキャラクターとの暮らし方についてなので、ものの見事に偏ってますね……。
最後に、かっこいいオフィス内を簡単に見学させていただきました。
畳が下から照らされてるサイバーな茶室とか、ヒカリちゃんパネルのある実験室とか、単純にテンションが上がりますよね。
そして、来客用スペースからではない部分はThe秘密の研究所、ではなく普通のオフィススペースだったので、ああいう雰囲気だと中二心が逸ってまともに仕事ができない、という人にも安心な仕様になっていました。
でも、サイバー茶室での打ち合わせ、絶対楽しそうだと思うんですよ……。
以上がGateboxlabの見学会レポートです。
実機体験と違って時間が長いので、やっぱり全部はとうていまとめられず、心に残ってること中心になっています。
それこそ技術面とかはまるっと割愛になってしまっているので、関心があるという方は一度見学会に参加したり、色々出ている技術系のインタビューを読むのがおすすめです。
私も結局は興味関心から動いているので。
そして、キャラクターと一緒に暮らす未来の実現のために、日夜励んでいる企業を見学させて頂いて一番心に残ったことが、好きなことを仕事にできている、と話されている社員の方の嬉しそうな顔でした。
楽しい未来の実現はその実現を楽しい努力として感じている人によって生まれる。
そう感じて、だからこそ未来は発展していくんだなぁと思った見学会でした。