人生サバイバルだな、という話
定年して4年がたち、日々、体力の衰えを思い知らされるこの頃である一方、思い出されるのは、若くして亡くなった、知り合いのあの人この人のことだ。
私は現役時代、部下と上司を現役で失った。二人とも癌だった。小さい会社だったので、中間管理職として、そういう経験をした人は社内にはいなかった。
人の命のはかなさを嘆いている暇もなく日常は続いていったわけだが、取引先で親しくしていた人が、立て続けに若くして亡くなったのには、さすがにまいった。
一人はいわゆる突然死だった。だから、というわけでもないが、やるせない気持ちと、若くして残された家族へのただただいたましい気持ちだけがこみあげてきたのだった。
もう一人は、病が発覚後、入退院を繰り返していた人だった。明るくて、豪快な人柄は、その会社にはあまり見られない魅力的なものだった。
やがて、出社がむずかしくなり、休職が続いて、信じられないことに、会社は退職を迫ったということを、後任の担当者から聞いたのだった。
まもなく、亡くなった、という知らせがあったのだが、取引先の会社としては、退職者なので、取引先には知らせない、ということだった。
そういう事情を、その人は、苦々しそうに、しかし、親しくさせていただいたので、と伝えてくれたのだった。
しばらくして、その人は、会社を辞めます、という報告にきてくれた。そうですか、お世話になりました、と言いながら、会社の対応に対する怒りが、ひしひしと感じられた。
そうそう、私と同年代で40代で脳溢血にみまわれて、寝たきりになってしまった将来を嘱望されていた営業マン。彼はいま。。。
もちろん、この間、自身の親を含めて、親族も次々と亡くなっている。
しかし、生をまっとうして亡くなった人たちよりも、仕事での付き合いとはいえ、より身近に濃い時間を共に過ごした人たちのことが、懐かしくいとしく思えてならない今日このごろである。