
【ヒュージ・リーダーズ】部屋とミシュランとアグロ
はじめに
「4ターン目に5マナ」はもう古い。
ヒュージアグロ最新研究の定説です。
歴史を紐解けば、2020年のヒュージアグロは3マナアクションから始動するのが基本でした。
それより時は流れて2025年、現代ヒュージアグロは2マナ始動で3・4マナのアクションを取ることが可能となりました。
これにより、マナ加速用カードを限界まで削ったアグロデッキがついに現実のものとなったのです。
現在、さまざまなヒュージアグロが研究されていますが、まずはオーソドックスな赤白アグロとして《護衛隊長、アドリアナ》デッキをご紹介します。

対戦相手全員を殴れれば全体+3/+3修整という性質上4ターン目までにクリーチャー3体を展開し、5ターン目にアドリアナを出して全員にアタックという流れを目指していくことになります。
まずはデッキを見てみましょう。
デッキ
※《セラの聖域》はなければ《トロウケアの廃墟》等で代用してかまいません。
カード紹介
部屋
部屋はヒュージ・リーダーズ全体に大きな影響を与えたのは周知の通りですが、低マナ域のアクションの大幅な増加はアグロにも革命をもたらしました。
あまりに従来のヒュージの枠組みに収まらないので序盤の動きまとめでも「部屋」カテゴリを新設する必要があったレベルです。
では、アグロ向けの部屋たちを見てみましょう。

部屋アグロの根幹を成す部屋です。
最速で2ターン目から横並べを開始する《人形作家の店》だけでもそれなりに強力ですが、アグロが速度と引き換えに犠牲にしたサイズを補う《陶磁器ギャラリー》まで兼ね備えています。
全体除去からの復帰も1枚で可能なため、3ターン目までに《人形作家の店》から玩具を出せるハンドでキープを目指せばゲームを組み立てられます。

《人形作家の店》との相性を買われて採用される部屋です。
2ターン目《大玄関》→《人形作家の店》で3ターン目からトークンを並べ始めるのが理想のスタートのひとつです。
リミテッド用としか思えない《優雅なる円形広間》にもいくつかの役割が存在します。

《埃被った応接室》は1/1のクリーチャーでもヒュージで通用するサイズまで引き上げてくれます。
《秘密のアーケード》は《亡者の踊り手》《オンドゥの精霊の踊り手》とのコンボで無限トークンを生成でき、サブの勝ち筋として有用です。多分ダンスゲームの筐体が多いゲーセン。

《汚された画廊》の打点上昇は横並べを目指すデッキと相性抜群です。
《画家の仕事場》も意外とリソースの確保に役立ちます。

4マナで3体のクリーチャーを出せる、アドリアナと相性抜群の部屋です。
《人形作家の店》《陶磁器ギャラリー》が両方開放されているとカード2枚から6/6を6体出せます。どうなってるんだ。
さて、これらの部屋の理想の相方は
3ターン目から殴れて
+1/+1カウンターを置く恩恵が大きくて
全体除去耐性がある
クリーチャーですね。
これらの条件を満たしつつヒュージでも採用可能なのがクリーチャー化できる土地、通称ミシュラランド(ミシュラン)です。
ミシュラン

削るべきライフを毒10個に変更してくれます。
このデッキではパワー5で二回殴る状況は割と発生しますし、飛行をブロックできない相手に殴るだけでも会戦の修整を増やす仕事をします。
後述する無敵状態の時は、感染を活かして相手のクリーチャーを-1/-1カウンターで弱体化させるブロッカーになれます。

こちらは普通にライフを削れます。
《墨蛾の生息地》をパンプできるのが地味に強く、クリーチャー化が1マナ起動なので他のアクションと両立しやすい便利な1枚です。

元祖ミシュラン。2/2のサイズが偉い。
《自律型組立工》と互いに強化し合えるので、こちらにカウンターをチマチマ乗せるとバカにならないサイズにできます。

《ミシュラの工廠》は旧枠モダン最強のカードなので12枚持っているのですが、強すぎて1枚も余っていないのでこのデッキのために13枚目を買いました。
下記のマガジンの記事を見るとマジでたくさん入ってます。

同じく組立作業員です。
《ミシュラの工廠》《ちらつき蛾の生息地》の後押しを受けられる反面、無敵状態になれないので良かれ悪しかれといったところです。

ヒュージのためのミシュランです。
このデッキではたかだか5/5止まりですが、全体除去の返しに殴るには十分なサイズでしょう。
他のマナ総量が大きい統率者で使っても非常に面白いカードなので、皆様もご活用ください。

カードパワーはかなり怪しいのですが、色マナ基盤にやや不安のあるデッキなので2色出せるミシュランとして採用。
+1/+1カウンターを置けるので、《聖カトリーヌの凱旋》あたりを強化できるとかなり偉いです。
以上のミシュランを《沈んだ城塞》まで取ってバックアップし、部屋と合わせて他のプレイヤーがマナ加速に充てるターンから殴りに行くのがこのデッキの基本となります。
搭載コンボ紹介
無限トークン

《秘密のアーケード》と《亡者の踊り手》《オンドゥの精霊の踊り手》のいずれかが揃うと無限トークンが発生します。
《亡者の踊り手》のトークン生成は任意で止められないため、《峰の恐怖》も揃えて無限ダメージを発生させるか、《大いなるガルガドン》で《亡者の踊り手》を生け贄に捧げるなどして止めましょう。
無敵状態

《戦乙女の呼び声》をコントロールした状態で天使でないミシュランが死亡すると、土地として戦場に戻るため「他のタイプに加えて天使である。」というクリーチャー・タイプを得る部分は無視されます。
205.3d オブジェクトは、その持つタイプに対応しないサブタイプを得ることはできない。
この状態が完成すればミシュランは無限にアンタップ状態で復活するようになるため、アタッカー・ブロッカー共に活用し放題になります。
特に1マナでクリーチャー化できる3枚は非常に使い勝手がよく、《大いなるガルガドン》のためにサクり続けることも可能です。
《戦乙女の呼び声》は試作で出したクリーチャーや《激情》《孤独》も戻ってくるので、皆さんもぜひ活用してみてください。
プレイ方針
このデッキでは、通常のマナ加速を前提としたキープではなく、「4ターン目までに盤面を作りつつ攻撃できるか」をキープ基準に置きます。
この方針を元に、各ターンのアクションを整理してみましょう。
1ターン目

このデッキは土地のタップインを許容できるターンが1ターン目しかないことも多いため、何を置くかは重要なポイントになります。

《風立ての高地》は会戦とも噛み合う非常に強力な踏み倒し手段であり、複数のタップインランドがある際の優先順位は最も高くなります。
以降の優先順位は《沈んだ城塞》→ミシュランとなりますが、色マナが4ターン目までに両方揃わなそうな場合は《眠らずの野営》から入ることを意識しましょう。
《大いなるガルガドン》の待機はテンポ面では理想的に見えますが、最も優先順位が低いです。
《溶鉱炉の大長》は正確には0ターン目ですが、トークンは1ターン目に出るのでここに載せました。
2ターン目

このデッキの動きを決定づけるターンです。
なるべく2ターン目をパスするハンドはキープしないよう心がけましょう。
分かりやすい指標としては、3ターン目にトークンを生成できるなら《人形作家の店》を、そうでないならクリーチャーの展開を目指します。
《汚された画廊》はあまり強いムーブではないのですが、次のターンで《墨蛾の生息地》が殴れそうなら置いてよいでしょう。

相手依存なのであまり信用しない方がよいですが、《黒曜石の焦がし口》が初手にある場合は、手番次第では2ターン目にプレイできる可能性を考慮した土地の置き方をしましょう。
運よく《セラの聖域》《大玄関》が揃うと2マナ出せるので、その場合は2ターン目に《大玄関》開放が最優先です。
3ターン目

最もバリエーションの広いターンです。
これ以降は《聖カトリーヌの凱旋》という上振れがあり、出せるクリーチャーを出して横に広げてもよいですし、場合によってはミシュランで殴り始めることもあるターンです。
《人形作家の店》は2ターン目にクリーチャーを展開していた場合は最優先で置きましょう。
《地形形成装置》の起動はそれなりに優先度が高いですが、《黒曜石の焦がし口》が出せるならそちらを優先しましょう。
4ターン目

従来は《切りつける豹》などを出していたターンですが、ミシュランで殴るターンにもできるのでより単体性能の高いものに絞っています。
《突刺回廊》は1枚で3体のクリーチャーを展開できるので、スムーズにアドリアナに繋げられるいいカードです。やはりダスクモーンのカードパワーは全てを解決してくれます。
信仰するならヴァルカヴォス様!
おわりに
以上、ヒュージの新時代を象徴するアグロのひとつをご紹介しました。
アグロの構築はまだまだ研究の余地が多く、様々な型が考えられます。皆さんもぜひいろいろ考えてみてください。
また、プレイも非常に難しく、マリガン・一人回し共にとても面白いのでぜひ回してみてください。
それではまた、ヒュージな世界で。