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Just, as you are,

ゆっくりと、けれど秒針が時を刻むように着実に。
君と君の大切にしたい人たちが大きなうねりとなり何かがたおやかに変化していったそんな22歳の年。

ここまでの経験を自信として纏い堂々とステージで光り輝く眩しい君に気が付かされたことがある。
そういう話をしたいと思う。



2022年9月4日、愛知スカイエキスポホール。
チケット抽選に2回も外れ、やっとの思いでで手にした座席。光のような純喜くんの歌声から始まった公演、その日私はお世辞にもいい席とはいえない場所に立ち、双眼鏡で君の綺麗な青髪を追うことに精一杯だった。元気に跳ねる後頭部を見ながら「楽しんでるな目一杯だな」と思ったことを昨日のように思い出す。そして時間が矢のようにすぎていく中、なぜか急に視界が開け、遠くからでも君の顔がはっきりとわかる瞬間があった。


君のまま。


challengerの音源が解禁された時に、やばくない?と興奮気味にメールを送ってきてくれた曲。その後もことあるごとに好きを伝え続けてくれた曲。あまり他のバラード曲と大差ないなと思っていた曲。
いや、正直になろう、なんでここまで?と思っていた曲。


「誰かのために生きていると思うよ」


突然視界に現れた君が身体の底から絞り出すような声と表情で歌い、


瞬間、そうか、と腑に落ちた。


これは、君のための曲だ。



唐突な話になるけれど、私はこれまで木全翔也というアイドルに「置いて行かれた」という感覚を覚えたことがない。この3年間でオーディションの物語でも大きくフィーチャーされることのなかった普通を体現したような男の子(いないけどね!!)が、途中停滞期間はあったもののあれよあれよという間に各チャートで1位を獲得し、全国ツアーも完走、紅白出場歌手になり、地上波ドラマ初出演を果たし一気にスターダムへとのしあがったにも関わらず、だ。
元々交わらない世界線にはいたけれど、ごくわずかの間に推しはさらに手の届かない存在になった。それなのに、木全翔也を応援するにあたって寂しいだとか遠くに行ってしまっただとか切り捨てられたとか、そういうどうしようもなく切ない感情に支配され続けたことが本当にないのだ。

恋人にしろ友人にしろ親子関係にしろ、人と人とが織りなす関係において、「寂しい」という感情が発生するのは自分のしてきたことが報われていると思えなくなった時だというのが私の持論だ。そして天秤が傾いてしまったとどちらか一方が感じた時に、関係は崩壊し人は離れていく。推しとオタクの関係もこの例外ではない。報われなくなった、信じられなくなった、疲れた、そう思った瞬間に離れていったアイドルやオタクをこれまで何人も見送ってきたし、私自身同様の経験がないと言ったら嘘になる。
ただ、木全翔也を応援してきたこの3年間不思議なことにそういう感情がぱたりと止んだ。


それほどまでに、愛されていると感じる。


直接的な言葉が出てくることはないしきっとこれからもない。でも誌面で紡がれる無邪気な言葉から、送られてくるメールの長ったらしくて時に紛らわしい題名やポンっと更新されるツイッターの写真から、選ぶ小物の色や何気ない日常会話の節々に至るまで、確かにこちら側を振り向いてくれているんだとそういう気配を感じる。

置いていかないよ、ちゃんとここから見てるよ、忘れてないよ、あでもそれはちがうよ、気をつけて。そういうメッセージはあまりにも些細なところに散りばめられていて表面化させること自体が難しいのだけれど、確かにそれらは存在している。「オタクの自我、肥大化しすぎ」「盲目」そう思われても構わない。私から見た木全くんはそういうアイドルだ。


君は君のままで
優しいそのままでいつも
誰かのために生きていると思うよ

寿司にステーキにグミ、美容にファッション、思いやりと柔らかいこころ、くろとわさびとうすむらさき、作曲に演技に指先まで息の通ったダンス、黒ひげさんにマッシュルーム。
一つ一つの積み重ねがあって今のアイドル木全翔也が在ることをきっともう君はわかっている。誰かが大切にしている部分を何も切り捨てることなく君のことを好きだという誰かのために、君は全部抱きしめて飄々とあるがままのアイドル木全翔也を生きている。
その一歩一歩が、誰も置いていかない、
愛を託し託される、
君をそういうやさしいアイドルにした。


命の輝きは一瞬なんだ
それを君と見つめていたくて
明日はどんな景色になるの
肩を並べてさ

前に誰かが言っていた、何もない静かな水面にぽちゃんと音楽が落ちてきてその波紋が今なんだということばを思いだす。君が抱きしめて歩いてきた全てが映像となり音となり文字となり最後には輝きとなってしんとした私の人生に落ちてきて、その波紋のおかげで今、私はできる限り私らしく、明日の景色を楽しみに生きていける。
ぼくには何ができるんだろうと迷っていた時もあったといつかどこかのインタビューで教えてくれたけれど、この歌詞が一番好きと教えてくれたこと、それが君が導き出した答えなんだと思う。自分の一つ一つの輝きがどこの誰とも知れない人間を強くしていること、きっと君は随分前からわかっていたんじゃないかな。一段高いところで自分のパートではないのにこのフレーズを口ずさむ君を思い出すたび不思議とそんな気がしてくる。



君のまま歩いてよ
ひとつづつでいい 一歩ずつでいい



そうだね。

この曲は君の生き様そのものだ。


まがうことなく、君のための曲だ。





さて、木全くん。

君と一緒に迎える4度目の春です。

出会ってくれてありがとう。
アイドルになってくれてありがとう。
瞳の中のやさしさはそのままに、一回り二回りじゃ足りないくらい強くなってまた私たちの前に現れてくれてありがとう。
そして何よりこの3年間あきらめないでいてくれて、掬い上げようとしてくれて、こんなみじんこみたいな人間の夢と希望と救いで居続けてくれてありがとう。
たくさんの愛をありがとう。
君と同じ時代を生きてこうやって応援できることを本当に誇りに思います。


「JO1としての幸せがずっと続いたら良いな」
「デカくなるとかじゃなくてもJO1として幸せに生きていけたら良いな」


私もね、心の底からそう思うよ。


23歳。君と、君の大好きな仲間達だけの特別な色でこの世界を染め上げていってください。

お誕生日おめでとう。

この一年、もっと沢山の素敵なことがあなたを迎えにきますように。



またね。



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