「いざ関ヶ原」は時代遅れか

最近専門でない文化人類学の記事が続いていたので、今回は今学期講義で習ったグループワークについての記事です。

21世紀に入ってから我々を取り巻く環境は大きく変わりました。生活が変われば働き方も変わる。今までの組織と同様な働き方をしていては世界をリードするどころか世界に追いつく事さえ厳しい。ではどうすれば良いのか。どの様な組織を組めば良いのか。今回はそういった内容について書いていきたいと思います。

「いざ関ヶ原」は時代遅れ

今ほど社会が複雑に多様化する前の時代では、リーダーが決めたことをひたすら守り、一致団結して同じ目標を目指して行く事が求められていました。「いざ関ヶ原」とリーダーが言えばそれに忠実に従い、リーダーが練った戦略に沿い、個人主義に走らずただただ任務を遂行する。それが正しく、望ましいとされていました。

例えばあなたがシャーペンを販売する会社の社員だったとします。シャーペンが流通しておらず、これまではひたすら商品を売れば儲かる時代だったので組織全体としての目標はただ単に「売る事」。よってメンバーの性質も上司の話をよく聞き、全員同じ様な性格、同じ様な能力を持つ事が求められました。上司もただ「売れ！」と指示すれば良かったのです。

日本経済が高度成長出来た理由の１つに、上の言うことをただひたすら聞く。周りと同じ程度の能力を持つ人。組織に忠実。これらの能力が小学校からの「バカも天才も作らない教育」で身についていたことが挙げられます。
要はチームが単一的であればあるほど成功した時代なので、それが日本の教育と合致していたんですね。その結果日本経済は急激に成長した。

では今はどうなのか。日本だけでなく、世界全体が前より発展した今の時代では、求められるレベルが上がってきます。ただ単に平凡なシャーペンを売ってももう売れません。柄が可愛い。壊れにくい。長時間使用しても疲れにくい。そういった様々なニーズが出てきます。そしてそれに対応する必要が出てくる。その細かなニーズに単一的な考えしか持たない従来の組織が対応出来るのか？答えは簡単。出来ませんよね。
ただただシャーペンを作って売る、という１つしが目標が無かった時代ではもう無くなってしまった。柄が可愛いシャーペンを作る。疲れにくいシャーペンを作る。壊れにくいシャーペンを作る。いろんな目標が出てきます。それらの目標には「いざ関ヶ原」の掛け声を合図にただただ上司に従うだけで全て達成出来るのか？出来るわけない。だから「いざ関ヶ原」は時代遅れなんです。今の時代の望ましい組織のあり方と合致しない。

理想はドラクエのパーティー

単一的な「いざ関ヶ原」の組織のあり方が通用しなくなった今の時代。ではどの様な組織を組めば良いのか。私はドラゴンクエストのパーティが理想だと考えます。

ドラゴンクエスト、略してドラクエはご存知の方も多いとは思いますが、日本を代表するロールプレイングゲームの１つです。仲間を増やし、魔王を倒すゲーム。
そこには様々な特徴を持つ仲間キャラクターが登場します。打撃が強い戦士。打撃は弱いが魔法で攻撃出来る魔法使い。攻撃力は弱いが周りをサポートするのに長けている僧侶。それらを組み合わせて魔王に挑みます。僕はこのパーティー(行動を共にする仲間の意)がこれからの理想な組織のあり方だと考えます。

打撃が通用しない敵には魔法使いが活躍し、魔法が効かない相手には戦士が活躍する。後方では僧侶がサポートをする。この様な組織が理想です。

今までは打撃に弱い相手しか出てこなかった。だから全員戦士でも何も問題なかった。問題ないどころか、そちらの方が良かった。でも今は違う。打撃が全く効かない相手も当たり前の様に出てくる。今までの組織のあり方では通用しないんです。

食べ物で説明すると、今まではただ食べ物を供給すれば良かった。しかし食べ物が当たり前にある今の様な時代では、インスタに映える食べ物。太らない食べ物。美味しいのにヘルシーな食べ物。多様なニーズが出てきます。それに対応するにはドラクエのパーティーの様な多種多様な人材がいる組織が必要なんです。組織にダイバーシティ、多様性が必要なのもこの理由からです。

そんな時代を生き抜く為には個人としてどうすれば良いのか。まずなによりも大切なのが、自分の特性を見極めること。自分が何に向いていて、何に向いていないのか。それを見極めることが何よりも大切です。特性は戦士なのに魔法覚えようとしても厳しいし、本当は魔法使いなのに打撃の練習をしても身に付かない。努力を始める前に、その努力は自分の特性と合っているのか。それをしっかりと分析する必要があると思います。
全てが60点で出来るよりも、他が40点なのに１つのことが80点で出来る。そういった専門性を持つ人こそ必要で、これからの組織のあり方でメンバーに選ばれやすい。私はそう思います。

#組織論 #関ヶ原 #ドラクエ