100人に1人?エンジニア10年目。起業して思うこと
私は今会社を経営している身ですが、元々はがっつりとしたエンジニア(プログラマー)。
いわゆる『女性エンジニア』ってやつです。
大学で4年プログラミングを学び、そのまま会社員で3年。そして起業して5年。今でも(今の方が)システムの開発や業務効率、自動化などのご相談を受けるので、累計10年以上この業界に携わらせていただいているわけです。
言語としてはC、Java、SQL、Linux、shell、perl、JavaScript、HTML、CSS、PHP等々、、(わかる人には分かる、バックエンド攻めてます)
私の経歴を簡単に紹介しつつ「いま」だから思う「あーなってよかったなあ」って思うことと「いや、ほんと大変。ねえ。まじで」って思うことをnoteに残せていけたらと思います。
私の簡単な略歴
『勉強』『勉強』に囲まれた毎日でした。
2010年 地元の公立高校を卒業
2014年 地元の国立大学(情報工学過程)を卒業
2014年 システムエンジニアとしてIT会社に就職(N系列)
2017年 退職
現在29歳の私は10年前はギリギリwindows98が出たあたり。
たぶんワンピースとかをyoutubeで見てた。(PCがダンベルくらいの重さだった。(嘘
女性は今からスキルを持つべきだ!!
という親の言葉を信じ(今となっては有難いお言葉)
高校理系を選択し、まあPCでいつも動画見てるし?アニメ見てるし?興味が持てそう、、?かも、
という「安直な理由」で大学の情報工学過程を専攻するわけです。
情報工学って何を勉強するの?
大学によってさまざまですが、「ITで表現できるありとあらゆる可能性について研究する」ところだと思っています。プログラミングも然り、画像処理、AR、VR、人工知能、半導体等々、求められる知識は様々です。
時代によって技術はどんどん進化するわけなので、ふるーい歴史の学びから最先端の知識まで、知識の幅も広がります。
つまり「何の技術を専門的に学ぶか?」によって強みは大きく変わります。
printf("hello! world");
printf('hello! world');
この二つの違いが判りますか?
ええ!そう!!!!!!
ダブルクォーテーション(”)かシングルコーテーション(’)の違いのレベルです。
でもこの違いでプログラミングは機能しなくなる。すごく繊細な生き物なのです。
これくらいのボリュームになるともはや「ウォーリーを探せ!!」のレベル。そりゃエンジニアに神経質な人増えるよ。。。
私もエラーが解消されず、、、2時間にらめっこなんてザラにあって、、友達に間違い探しよく付き合ってもらいました。(人の時間を奪いすぎるので泣きたくなるんですよね。これ)
そもそも自他ともに認める「ザックリ人間」な自分。
本気でエンジニアなんて向いてないんじゃないんかな。って死ぬほど逃げたくなるほどなんていつもでした。
ただやらないといけないわけなので、逃げない根性が身に付きます。苦手でも向いてなくてもやり続ければコツはつかめてくるのです。
・逃げない根性(単位取るために向き合った4年間)
・細部まで見渡す力(バグを解消し続けた結果)
・フローの組み立て力(アルゴリズム論)
・男性と会話する力(あの時は異性なんて気にしなかったけど、今となっては気づくことベスト10位以内には入る)
・技術の最先端(言わずもがな)
・ITスキル全般(広すぎるけど、そもそも広い知識なのです)
そういえば大学に入ったときの女性の少なさには驚きました。。
たしか140名ほど同じ学部の生徒がいて女性がたったの6,7人。え?絶滅危惧種ですか?って感じで。
まあ入社してからのプロジェクトでも100人メンバーがいて女性5名とかだったので、男性化社会に身を置く生活はここからスタートすることになるのです。この辺のエピソードはまた別の機会に。
最終無事に卒業をして、就職をすることになります。
努力は人を裏切らないんじゃなくて努力は人に変化を促す
IT系の某地盤が安定している会社に就職した私。
一言でエンジニアといっても色々な職種があります。
仕事内容
・開発案件中心
・保守案件中心
・基盤関係中心
・営業・企画系中心
大体この4つに分かれるんじゃないんでしょうか。プログラマーの職種は開発系か保守系が中心になります。私は最初から開発所属になりました。
戦場で言うとあれです。先頭特攻しているのが開発職で、後方で全体統制や守りをしてくれているのが保守です。
何が言いたいのかというとずっと戦場を駆け巡ってましたww
もし技術が無ければ、とりあえず後方部隊でまず様子見をからスタートする(つまり保守案件が多くなる)のですが、元々大学である程度のプログラミングを勉強していた自分。(特に女性では珍しかったんじゃないかな)
なので即戦力として一年目から開発職に携わらせていただきました。(ありがたい限りで)
最初に痛感をしたのは
勉強と実践は違う
ということ。刀を触れるようになったから敵を倒せるわけではない。ということです。
確か一番最初の仕事は
「画面をスクショで残す」
というわかりやすい仕事。
本来スクショだと「ptrSc」キーになります。
ただ「ptrSc」キー + 「Alt」キー で一番上の画面だけスクショで残す
という機能があるのです。
それを知らない私たち。
毎回
スクショ ⇒ ペイント ⇒ 手動トリミング ⇒ コピーし直して ⇒エクセルに貼り付け
という超めんどくさい作業をしてまして、先輩から「え、それaltキー使ってよ」と言われ、、「え!そんな機能あるんですか!」なんてことはたくさん。。
エンジニアは時間効率と戦う生き物
・PCのショートカットキーを憶えまくる
・エクセル、パワポ、各ツールの時短サイトを見まくる
・同じ作業は1回でなんとか終わるようにできないか他の代替案を常に模索する
・同じ失敗は起きないようにするフローは何か?
新規開発や、改修案件に携わるようになってから求められるのは本当に幅広い知識。
分かりやすく家を建てるときには大工さん、家の設計士、デザイナーなど関わっている人達の中で持っているスキルがまったく違うのですが、お互いのことを知らないと連携できない。
特にプログラマーではなくシステムエンジニアとしての仕事が求められる私たちにとって、「知らなくていい知識なんてない」
改修案件の時はその時に作られた言語で作らないといけないので
「これperlで作られているみたいっすわー」「え?perlってなんですか?」「んー、知らんけど、まあまあ古い言語やわ」「メンバー誰か知っている人いるんですか?」「あー前○○さん知ってたけど今異動していないから、、誰も知らないんじゃないかな?」「汗汗」なんてことは日常茶飯事でした
ということで、
・土壇場でプロジェクトで利用しているプログラミング言語を習得する
(shell、perl、Javescript等々)
・データベースの言語技術、構築知識(Oracle/SQL/MySQL/PostgreSQL)技術
・開発ツールの利用方法(Eclipse/Git/Docker等々)
・Linuxサーバ/Windowsサーバの知識
・ネットワークの知識
受託開発の仕事には「納期」があります。そして「お客様のスケジュールに合わせた仕事」が求められます。
・今週の土曜日にリリースしないといけないからあと2日で終わらせてね。(=最終チェックを入れると実質1日でなんとかして)
・テストではうまくいっていたのに本番で失敗した。なぜ?なんの考慮が足りなかった?事前準備の漏れはなに?今日中に分析までしないと
なんてことは日常茶飯事で。ああ、終電。ああ、土日も仕事。周りからみたら激務と思うかもしれないのですが、私は楽しかったです。文化祭の徹夜するあのノリ。ワイワイ言いながらみんなで乗り切る時間。
誰かがやり切らないといけないのです。スムーズに終わらないのは自分の仕事。やる時は酷使してもやる。
そんな時間が、起業してからも諦めずにやり続ける姿勢を作りだすことができました(労基違反とかはないので、、ほんとしっかりしたいい会社でした)
自分の得意がわからなくなったら思い切って反対方向に進むのはあり
独立をした後に思ったことです。
日本の中で「ITを活用できる人材」は10%とも1%ともいわれています。
サクッとwifiを設定できる、マクロを駆使して勝手に業務効率の機能作っちゃう、エクセルで進捗管理なんて当たり前ですよね、パワポのデザインも基本的にはオールオッケー!が当たり前だと思っていました。
しかし、多くの方が躓いたり、悩みを持っている分野なんだと気づきました。
今でも急に電話がかかってきたと思ったら
「プリンタが急に壊れたんだけどどうしたらいいかな?」
「新しくPC買うんだけど何がいいと思う?」
「パワポで提案資料作ってほしくて」
「googleスプレッドシートで○○をしたいんだけどどうしたらいいか教えて」
「在庫管理と請求書の自動発行システム作りたい」
なんでも屋かいwwと思わず突っ込むこともたくさんありますが、それだけ色々な面で頼りにしてくださるのは本当にありがたいです。(器用貧乏と言われたらそれまで)
・手に職を持つことができた
・現代人の多くが接するツール(IT)の幅広い知見を持てた
・よりラクに、よりミスがなく。追求の姿勢
「ニーズ」は時代によって、年代によって変わります。
エンジニア30代終了説だったり、時代の変化についていくのが大変であることがデメリットだ、という声もありますが、
そもそも時代は変わるもので、その流れについていくために常にアップデートし続けることというのが自然とできる人が時代を超えても求められていく人だと思うのです。
最後に
終身雇用がなくなり、転職が当たり前になり
主婦ではなくて主夫?共働きが当たり前?結婚しなくても事実婚でいい?もはや週末婚?
「当たり前」と誰もが思っていることがどんどん変わっていき「多様性」が主張されることが増えました。
でも周りが「多様化」するということは周りに流されない圧倒的な「自分の軸」も必要だと思うのです。あれも必要だな、今やってること合ってるのかな?だな、なんて目移りすること自体にきっとたくさんたくさん疲れちゃう。
「技術を持つ」というのはどんな時でも自分を信じ続けれる一つの核
にはつながります。ITというまだまだこれからも誰からも必要とされるチカラを身につけられているというのは人生において光明でしかありません。
まだまだ自分自身も技術や知識を磨いていかないといけないと、業界に身を置いているからこそ真摯に感じます。
結婚しても、在宅ワークが中心になっても
たぶんご飯に困ることは(たぶんたぶん)ないんじゃないかなーと。
周りに必要とされ続けることができれば、ですが。
まあそんなこんなで私が「エンジニアになってよかった」そんなお話でした!