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戦国送球〜バトルガールズ〜の感想1

はじめまして、かとだいと言います。

はじめに

元々は推しの日永麗さんの投稿を読むためにnoteを導入しましたが、せっかくなので自分でも何か書いてみようと思ったのと、普段は参加したイベントや観劇した舞台の感想はTwitterに書いていますが何個もTweet投稿してしまうので、本格的な感想はnoteに書いた方が良いなと思ったのと振り返るときも参照しやすいので、今後はnoteにまとまった感想を書こうと思っています。

戦国送球〜バトルガールズ〜の感想

今日はまずその第一弾で5月25日から5月29日まで全8公演実施され、日永麗さんの初舞台になった「戦国送球〜バトルガールズ〜」について感想を書きます。
※所々ネタバレしているので予めご了承ください。

最初は1つの記事に収めるつもりでしたが、めちゃくちゃ長くなったので分割投稿します。
この記事では作品世界観と本作最大の魅せ場である試合シーンについて書きました。
残り2つの記事で各キャスト、裏方について感想を書きます。

【作品世界観】

最初に作品全体について書くと「戦国武将が現代にタイムスリップして女性になってハンドボールで全国制覇を目指す」という「なんだそれ?」な設定ですが、見終わった時には「最高な設定だな」となっている作品でした。

まず肝の「戦国武将がタイムスリップしてハンドボールで全国制覇を目指す」の部分ですが常に「生きるか死ぬか」の価値観で生きていただろう戦国武将に対して、部活に懸けている高校生の「トーナメント大会で1回でも負けたら終わり」の価値観の親和性があり意外と噛み合わせが良いのと、戦国武将側の懐の深さと高校生側の熱さをそれぞれのキャストさんがとても真に迫った演技をしていたので、この設定への説得力が更に増していました。

戦国武将が女性になる部分は男性版を未履修なので比較はできませんが「身体年齢だけじゃなくて性別も変わる」という大変化が戦国武将に生まれたことで、あらためて「自分の芯てなんなのだろう」と考えた結果、林千浪さん演じる石田に顕著なように現代生活に溶け込み価値観も変わったことに繋がった、という解釈を途中からしながら見ていました。

そして高校生側も序盤は多少ギスギスしている場面はあれど、全編通してハンドボールに対してもチームメイトに対しても相手チームに対してもリスペクトを持って真摯に向き合っている様子がとても丁寧に描写されるので「このチームなら戦国武将も溶け込める」と納得していました。

【試合シーン】

本作品の最大の魅せ場であるハンドボールの試合シーンですが、リアルハンドボール・ダンス・殺陣の3種類の表現手法を取っています。

まず凄いのが上の3種類のどのシーンでも「どちらが攻撃していて、どちらが守備をしているか」が特に言葉で説明されなくても分かること。
主人公チームの関ヶ原高校もライバルチームの安土桃山高校も絶対的エースとキーパーのキャラ付けを濃くしているから壇上にいるキャストから類推も出来ますが、その2者がいないシーンでも攻守の関係性が分かったのは、リアルハンドボール→ダンス→殺陣とどんどんハンドボールの原型から外れていくも、常に各選手のポジションだったり攻守交代の描写を丁寧にやっている演出の賜物だなと思いました。

あと身体ごとゴールに突進してシュートするハンドボールの競技性も、合戦要素との噛み合わせが良くて試合シーンの迫力につながっていると感じたのと、選手役のキャストさん全員がリアルハンドボールもダンスも殺陣も全て高いレベルで仕上げていたし、なかでも上にも書いた絶対的エースやキーパーを演じたおとな小学生メンバーの白鳥優菜さん、林千浪さん、石原美沙紀さんや浜浦彩乃さんがハイレベルなアクションでもって「私が強キャラです」という説得力も持たせていました。

先に書いた3要素のうち今回なにより目をひいたのがダンスでした。
リアルハンドボールと殺陣を繋ぐ役割をしているので、ダンスが説得力や表現力に乏しいと殺陣に移行した時に白けてしまっていたと思うのですが、試合展開と各チームの状況に応じたBGMとそれにマッチした振り付けがされていて素敵でした。

個人的な印象としては関ヶ原高校は一致団結したシンクロ系かつ力強い動きが多いダンスで、安土桃山高校はカノン等を取り入れた全体の動きで魅せるしなやかな動きが多いダンス、という印象でした。

全員でガンガン攻撃を仕掛ける関ヶ原高校と、チームでのコンビネーションや連動性を重視する安土桃山と、それぞれのチームカラーに合わせつつどちらのチームも「一体感」を感じさせる素晴らしいダンスでした。

あと脚本演出の加藤光大さん流石だなぁ、と思ったのはダンスや殺陣でハンドボールを表現することや、今作品の独自要素の殺陣に移行する合図の「戦国モード」について複数対複数の試合形式ではなく1on1の形式で「この人とこの人の2人が今から本作の試合シーンの見せ方を説明しますよ」というシーンを序盤にストーリー展開的にも自然な流れで入っていて、このゲームでいうチュートリアル的なシーンが序盤に丁寧に描写されることで、その後の試合シーンに違和感なく没入できる流石の構成でした。

そしておとな小学生名物の殺陣ですが、上にも書いた通り個人的に合戦とハンドの親和性が高いと思ったので、ラストバトルの後半戦は本当に何も違和感なく殺陣に見入っていました。

冒頭の戦国時代のシーンで手練れメンバーのみでの殺陣を見せることで「本作でもこれくらいの殺陣を魅せますよ」と宣言しているのも良かったです。

また本作ではアンサンブルの方がいないのですが、それがより「チーム感」を増幅させていたと感じています。
全員が名ありキャラかつキャラも演じているキャストも全員魅力的なので、両チーム一人一人に感情移入できるようになっていて「絶対的なエースじゃなくても堅牢な守護神じゃなくてもチームの大黒柱じゃなくても全員が集まってチーム」感が凄かったです。

また高台を使ってベンチ陣も試合に参加している様子をみせているのも最高でした。
スポーツに限らず仕事でも舞台でもいわゆる「裏方ポジション」なくして組織は回らないし、裏方が安定していないとその組織は強くなれないと、自分が普段仕事で裏方ポジションやっているので思っているのですが、本作は顧問やマネージャーといった試合でコートに立たないメンツもコート上に負けないくらいの熱を持って「一緒に戦っている」ことを存分に魅せてくれるので本当に最高でした。

【まとめ】

一見荒唐無稽な設定を「実は親和性が高い」と思わせる脚本・演出・殺陣・ダンス・BGMのそれぞれがハイレベルで存在し、更にそれらに120%以上で応えるキャスト陣の熱演が見事に融合した最高の舞台でした。

「戦国送球〜バトルガールズ〜」は僕にとって生涯最高の舞台作品になりました。

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