「暑いですね」が挨拶に代わる日々。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
おなじみになってきた「クリエイター交流会」も気付けば4回目に。今回も約300名もの方々にご参加いただきました。ありがとうございます。
さて、今回開催の『七夕納涼会 supported by iDID』。テーマは「いま気になる!エモーショナルなクリエイター」 。iDIDがお話しを聞きたい、エモーショナルなクリエイターのみなさんにお声がけし、制作の裏側をお聞きました。今回もトークセッションの一部を含めて、現場の様子をレポートしてまいります!
今回はトークが聴きやすいように椅子を設置しました 七夕納涼会は2回目の開催でした!🎋 Opening: クロストーク 原 英寿(Sunny Inc.)、小玉 千陽(ium inc.)、長谷川 巧(unshift Inc.)、 代島 昌幸(Calmhectic inc.) 今回はオープニングセッションということで、個人または少数でありながらも、誰もが知っているプロジェクトで活躍している、4人のクリエイターのクロストークからはじまりました。テーマが「エモーショナル」ということで、各自の制作実績について各々でエモ談義をして頂くところから話はスタートしました。
原さん(Sunny): スタジオディテイルズさんからデザイナーとしてアサインされてお受けした案件です。CGを入れたいなと思っていたところ、当時ディテイルズのディレクターだった湊さおりさんが「私最近Blenderにハマってて、CGすごくやってみたいです」 と言っていたので、入れちゃおうという。小玉さん(ium): まさかのディレクターさんから!原さん: このCGがどんどん動いて最後フッターで回転するんですけど、この途中もディテイルズのエンジニアさんが勝手に埋めてくれて。僕は最初と最後の絵をやっただけみたいな…(笑)。代島さん(Calmhectic): 僕も3Dを使ってサイト制作をよくするのですが、この3Dの質感がすごいと思いました。 これまであまり見たことがなくて、とにかくいい感じでエモい。——「誰かの挑戦を通しちゃう」っていう考え方が素晴らしいな、と思いました。 原さん: 僕は許容するタイプのデザイナーなんです(笑)。
長谷川さん(unshift): 僕はフロントエンド担当なんですが、スタジオディテイルズさんからのご依頼で、リードディベロッパーとして入りました。ディテイルズさんのディベロッパーに何人も入ってもらって、一緒に実装作業をしていきました。 僕自身、ディテイルズのディベロッパーチームのアドバイザーをしていることもあり、リードだけではなく、若手の子が書いたコードレビューをしながら案件を進めていきました。実装とレビューでは脳の使い方が違うんです。 原さん: ああ、ディテイルズさんにアサインされているけど、若手メンバーのレビューもする。長谷川さん: そうです、ここがエモいです。小玉さん: エモくないとできない。原さん:ディテイルズさんって、発注側でも「これをやれ」みたいなスタンスが全然なくて。 どちらかというと対等より上に見てくれる。発注側なのにそういうスタンスを持ってくれているのが、非常にエモーショナルだと思います。
小玉さん: 原さんと一緒にやらせて頂いた案件です。そもそも私と原さんって、アートディレクター/デザイナーなので役職が被っているのですが、うまく役割分担できたんですよね。フロントエンドにdevdevの池田さん、Wordpressまわりの実装で5iveの下村さんをアサインさせて頂きました。それぞれが本当に各々の得意領域を発揮できたことがエモポイントのひとつです。 また、コーポレートサイトのWORKS詳細ってどうしてもフォーマット化してしまいがちなんですが、ドラフトさんは「運用工数はさておき、見せ方が素敵になるのであればなんでもOK」という非常に協力的なスタンスで、そこに頼り切った設計をさせて頂けたんです。 自由演技で、登録の仕方も自由。複雑なところも使いこなして頂いて。画像のサイズや、動き方のズームイン・ズームアウトまで細かくチューニングできる管理画面を設計させていただきました。原さん: クライアントさんがむしろ「全然楽しい」って言って頂けたのがうれしかったですね。小玉さん: Figma上でまずWORKS詳細の見せ方の雛形を作って、それを先方にFigma上で調整してもらって、Wordpressで登録しウェブサイト上で見たものに対してフィードバックをもらってまた調整して…という。ひとつひとつの見せ方を最後まで詰め切れたのがよかったですね。
代島さん: 元スタジオディテイルズ、現CHO-Pの北川パーヤンさんがディレクター、コピーライティング。ANDMADEの中川さんがアートディレクションとデザイン。僕が実装という、3ピースバンドみたいな感じで、バランスよくやらせて頂きました。原さん: メニューがスゴロクみたいなんですよね。代島さん: そうそう。会社のコンセプトでもある「スゴロク」と「サイコロ」を前面に出しています。サイコロを振ってサイト全体を見ていくという体裁で、スゴロクとサイコロを意識して徹底的にやりました。 長谷川さん: この全体の動きについては、いつの段階で決まったんですか?代島さん: 中川さんがデザインしている時点で、もう見た瞬間に「こう動かせばいいんだろうな」と。ある程度細かいところの指示も頂いてますが、それだけではなくて、自分なりに演出のアイディアをさらに加えて実装しています。
最後まで和気藹々としたセッションでした。印象的だったのは制作においての「座組やフローの多様化」です。 クリエイターのチャレンジを通す、実装しながらレビューをする、ADとして役割分担する、お互い信頼して制作する…。「社外ゆえに、エモーショナルな関係でないとできないかも」「楽しくなければ制作じゃない」といった小玉さんの名言も飛び出していました!
みなさんの仲良さが伝わるツッコミで、場を盛り上げていただきました! 1. トークセッション: TWOTONE 長井 創(Director, Designer)、廣瀬 健(Visual Technologist, Educator)、 小山田 乃英(Designer) オープニングのクロストークを終えて、トークセッションのスタートです。一本目はTWOTONEさん。オンスクリーンメディアを中核にUXUIやサイネージなどのデザインをされてきたTWOTONEさんの、最近の実績におけるエモーショナルポイントをお聞きしました。
長井さん(TWOTONE): ご依頼は、星野リゾートが持つ「高級感、おもてなし」という印象を包含した「旅を楽しくする」というブランドイメージに刷新していきたいというお話でした。 コーポレートサイトということもあって、当初は「星のや、界など、数多あるサブブランドをどう見せるか」を起点に考えはじめていたのですが、この施策で重要なのは「(星野リゾートは)旅を楽しくするブランドである」と認識できること。 なので、サイトも「旅の魅力があふれる場所」にしなければと思ったんです。サイトにたどり着いた瞬間から楽しい旅がはじまるよ、と。そのあたりをエモーショナルに考えていきました。結果「サブブランド」軸で構造化するのではなく、それぞれ持っている「旅のパーツ」で分解していこうと。 例えば、「客室」「風呂」「食事」「アクティビティ」など。それらのパーツを、旅を楽しくする切り口という視点で編集することで、どこをどう切り取っても星野リゾートの魅力であふれる、旅を楽しくするためのツールとして、設計していったんです。
廣瀬さん(TWOTONE): 当初ワコムさんからお声がけ頂いたご依頼は、新製品のネーミングとパッケージ制作でした。お話を伺うとワコムさんも私たちも初めての試みが多く、とにかく必要そうな物をどんどん作っていく感じでスタートしました。 ネーミングとパッケージが一区切りつき、そこからプロダクトイメージやプロモーションムービーといったブランドアセットの制作に入りました。映像やビジュアルは、私たちTWOTONEで企画を立て、制作はbird and insect のshuntaroさんにお願いしています。——エモポイントはありますか? 廣瀬さん: Movinkはプロ向けの製品なのでスペックを見せる事も非常に重要なんですが、同時に「持ち運べるプロスペックのツール」というユーザーのライフスタイルにも大きく関わるコンセプトの製品だったので、その魅力が伝わる様にエモーショナルなストーリーを企画のベースにして進めました。初めにユーザーの体験や価値が想像できる様なストーリーを作り、そのイメージがワコムさんとズレていない事を確認しあった上で、大きな軸を設定し、ネーミングやPVなど様々なクリエイティブに展開していく、という流れでした。
小山田さん(TWOTONE): 和菓子屋ブランド「芽吹き屋」のリブランディングを担当しました。オンラインショップ構築を軸に、パッケージデザインや、店舗まわりのコミュニケーションデザイン、商品撮影、新商品のTVCM撮影、など、すべてをやらせて頂いたプロジェクトでした。——デザインシステムを作って、ECサイト内に掲載していますね。デザインにこだわって作ったことが伝わってきます。デザインも、和の感じがありつつ、スタイリッシュでクールな印象です。 小山田さん: 和菓子を囲む楽しい時間、ほっと一息つきたくなるシーンであったり、ギフトとして選ぶたのしさ、贈るたのしさみたいなことをグラフィックに込めました。スイーツとして和菓子も洋菓子も垣根を超えてきた時代だからこそ、わたしたち世代がしっくりくるコミュニケーションを心がけています。 エモポイントとしては、芽吹き屋を食べて育った子どもたちが大人になって、「ここで働いてみたい」と思ってもらえるといいなという想いを聞いて、とても胸が熱くなりました。 芽吹き屋ブランドを好きになって、その輪が広がり、たくさんの仲間がこれからも増えていくのだろうなと思います。——今回ブランディングのお話が多かったと思いますが、みなさんクライアントと良い関係を築いていて、長期的に関わることが良い案件を生んでいくのに重要だと思うのですが、どういうことを意識されているのでしょうか。 小山田さん: TWOTONE全体に共通していると思うのが、気づけば担当者がクライアントのことを好きになっているところです。ブランドへの想いを聞いて、その人が考えている言葉を紐解くと見えてくる課題。それを一緒に解決しようと二人三脚で進めていけることをメンバーそれぞれのアプローチで楽しみながらやっているように感じます。
最後はなんと、芽吹き屋さんもいらして、新商品「百道(もち) 」を食べさせて頂けるという一幕も!「TWOTONEメンバーはクライアントを好きになってしまう集団」 というお話とともに、まさに味わい深いセッションとなりました。
右のお二人、ありがとうのポーズでしょうか 2. トークセッション: Garden Eight 野間 寛貴(Founder)、大工原実里(Founder, Designer, Developer)、 菊岡未希子(Designer, Developer)
次のトークセッションはGarden Eightさん。デザインと実装と両方担当するクリエイターの多い、Garden Eightさんの制作の秘密に迫ってみました。
野間さん(Garden Eight): 僕は、依頼に対しての企画や進行、または会社の採用や財務だったりと、ウェブサイトのデザイン・実装作業以外を担当しています。大工原はデザインと実装の両方をやっています。菊岡もデザインと実装、両方やるのですが、どちらかというとデザインの技能がずば抜けておりまして、デザインを担当してもらうことが多いです。利倉、大工原、僕が創業者なんですが、利倉も大工原もデザインと実装を最初から両方やっていました。菊岡は入社後に実装をするようになりました。菊岡さん(Garden Eight): かっこいいデザインが作れればいいなと思って選んだ会社だったんですが、Garden Eightにいるためには、実装もできないといけないと感じたんです。独学で勉強したこともあったので、Garden Eightの先輩達がつくったウェブサイトを見ていくなどして、技術と構造を現場で学んでいきました。
——こちらのプロジェクト「DIG THE TEA」はもともと大工原さんがデザイン・実装ともにやっていたのを、今回のリニューアルから菊岡さんがデザインを担当することになったのですよね。 菊岡さん: そうです。大工原さんが制作した前のサイトは立ち上げ期らしい尖った印象でした。その上で、お客様から「改めてメディアらしい振舞と使い勝手へリニューアルしたい」という依頼を受けました。手をつけた頃は、目的を考慮したメディアらしい、どちらかというとおかたいウェブサイトを強く意識していたのですが、制作途中で大工原さんとデザインの方向性やお客様の考えについて話したりした結果、尖った印象も残しておくことがベストであるということに納得ができて、これまでの「尖鋭さ」と新しい「メディアらしさ」のバランスを考えながらデザインを起こしていくようなかたちになりました。 ——制作の過程において、おふたりでディスカッションする機会があったのでしょうか。 大工原さん(Garden Eight): ありました。他のプロジェクトは担当のデザイナーがひとりで進行していくことが多いのですが、今回は、私が元々デザインを担当しており、その引き継ぎも含め、話し合うことが多かったように思います。リニューアル前の雰囲気をどの程度踏襲するか、メディアらしさの方向性、親しみやすさの具合など、いろいろと話し合いながら進めていきました。
——「OPERA」のブランドに関わるウェブサイトは菊岡さんの担当ですね。 菊岡さん: はい、アートディクレションやデザインを私が、実装を利倉や村本が担当しています。デザインについては、OPERAの「世界観」を自分の中でしっかりと構築することが大事だと考えています。前提となる世界観を基本として、既存のあらゆるジャンルのデザインやモーションからヒントをもらいながら作っています。——アニメーションの雰囲気とテンポがよく、感覚的で素晴らしいですね。コードが書けるだけではできないというか。 野間さん: そうですね、デザインと実装を両方できることが良い方向に影響しているとは思います。
最後に「Garden Eightってどんな会社ですか」という質問に対して「フリーダムな美術部って感じ」 と菊岡さん。デザインと実装を両方できるGarden Eightの秘密の一端を感じ取れたセッションとなりました。
3. トークセッション: STUDIO DETAILS speaker: 小林 尚規(Brand Strategy Lead)、湖内 慶吾(Director Lead)
3本目のセッションはスタジオディテイルズさん。近年のディテイルズさんは会社の体制ならびに方向性が大きく変化してきていると思われるのですが、今回のセッションではそのあたりもつっこんでお聞きしてみました。今後のウェブ業界のあり方にも関わってくるかもしれない、必見のセッションとなりました。
小林さん(STUDIO DETAILS): おそらくディテイルズってみなさんウェブ制作会社ってイメージが強いと思うのですが、2年前にウェブ制作会社を辞めるという決断をしました。 今は「ブランドファーム」と認識していて、価値の提供もブランドよりに意図して寄せてやっています。 ウェブ制作が今後どうなるのか、という業界の傾向もありましたし、業界の中で会社を持続的に成長させるためには、やはりドメインを拡張することが必須かなと。これまで得意としてきたウェブのクリエーション領域は強みとしつつできることは、ブランドの領域だろうと。それが僕たちの見つけた答えだったんです。
スタジオディテイルズさんのこれからの方向をお聞きしたあと、ふたつの実績についてお話頂きました。
小林さん: 当初のオーダーは採用サイトのリニューアルだったのですが、現在のディテイルズのスタイルだと、つくるだけではダメなんですね。「本当の課題感」を僕らのほうからアプローチしなおすんです。採用サイトをつくるというと、目的が応募してもらうことや、エントリー数になりがちなのですが、ロート製薬のことはみなさんもう知っていると思うんです。黙っていても学生が応募してくるのであれば、リニューアルする意味は、採用の数ではなく、質ではないか。「今までロート製薬が出会えなかった学生と出会うこと」。 新卒で入社して3年〜5年後に活躍する人をどうやってこの段階で獲得するか。そういう問いを立ててプロジェクトに臨みました。 このあたりが、僕たちがストラテジストをちゃんと立てて、ブランドの会社にしていく体制に変えた、分かって頂きやすい事例かと思います。——逆にクライアントからしたら、結構驚かれると思いますし、場合によっては通じない場合もあるのではないかと思うのですが。 小林さん: そうなんです。通じない場合は見事に失注します(笑)。——その覚悟がありながらも、自分たちのポリシーは曲げずにやっているわけですね。
湖内さん(STUDIO DETAILS): NEWPEACEさんが新たに「コミュニティ」を事業として立ち上げる、というタイミングでご相談いただきました。なのでNEWPEACEさんがこれまで大事にしてきたことと、これから大事にしていきたい新しい事業の文脈をどう掛け合わせるかがテーマでした。 このトップのモーションのところは、ADの小猿がそれこそ100回ぐらいイラストを描いているんですね。 で、それを実際にモーションで動かしていくにあたって、LIGHT THE WAY さん(映像の制作会社)に入ってもらって。小猿、エンジニアの岩崎と密にやりとりをしながら仕上げていきました。——まさにディテイルズさんらしさが凝縮された案件だと思うのですが、さきほどSunnyの原さんから「外部パートナーとして、対等以上という関係性でやってくれる」という話がありました。そういうカルチャーがディテイルズさんにはあるのかなと思ったのですが、その秘訣を聞かせていただけますか。 湖内さん: 僕の師匠が創業者の海部と服部と、現CHO-Pの北川なんですけど、彼らに叩き込んでもらったのが、お客さんの課題を「尖った形で解決する」ために「必要な座組を組む」こと。だから社内のメンバーだけでやりきるものではない、という文化がディテイルズにはあるんです。だから内も外も関係ない。Sunny原さんたちもそうなのですが、社内外よりも「お客さんの課題をクリエイティブで突破すること」が第一なんですね。——ディテイルズさんって、ひとつの職種というよりは、幅広い能力を持っている方が多いのでしょうか。すごく幅のある会社だと思うんですが。 小林さん: これはディテイルズのポリシーなのですが、社員全員に「自分たちの領域を超えなさい」と言い続けているんです。戦略家だったら、クリエイティブな責任を持って欲しい。クリエイティブだったら、戦略に興味を持つのも当たり前。ということをディテイルズではよく言ってます。
ディテイルズさんが拠点である東京と名古屋に加えて、二ヶ月後に大阪にオフィスを出すという話には、会場から驚きの声も。大阪のリーダーが湖内さんで、現在スタッフを募集中なのだとか。今後のディテイルズさんの動きにはこれからも要注目です。
創業者、服部さんも一緒に🙌 4. トークセッション: mount speaker: 米道 昌弘(Art Director)、岡部 健二(Technical Director) イベントも大詰め、最後のトークセッションです!mountのお二人に最新実績も含めてお話をお伺いしてみました。インタビュアーはBEES&HONEYの今村さん。最後にして深い創作の「魂」のようなものを受け取るような、すばらしいセッションでした!
——なぜこの表現になったのか、そのアイディアがどこから降ってきたのか。その部分をちょっと聞かせて頂けますか。 米道さん(mount): Shupattoの場合は、まず商品に触れたときに「なんか可愛い」って思ったんです。これが動いてるとめっちゃ可愛いな、と。そこがまず抽象的なんですけど、それをどうやって表現していこうかと考えたときに、この「手触り感」とか「ものの質感」を表現したいなと思って、そのあたりで「コマ撮りいいかも」って思ったんですね。ーなぜコマ撮りだったんでしょうか。 米道さん: プリーツが入っていて大きくも小さくもなるところなど、そういう「動きを含めての機能」として、Shupattoがこれまで評価されてきていたと思うんです。それを色々な角度から考えたときに、なんか「生きてるように見えるといいな」という。やっぱり直感です。 ただ、発想は直感でも、僕らが大事にしているのは「その直感をどう論理的に説明していくのか」ということで、そこは常に考えています。なぜ、それがいいのかという。——このコマ送りの部分ですが、モックをつくってすり合わせして、を繰り返すんですか。完成系を目指して。 岡部さん(mount): そうですね。やっぱり本来は理屈じゃなくて、やってみたいからやるというか。そのアイディアを米道に相談してみると「なんかよくわからないけど、可能性あるかも」みたいな。筋が通ってないから今いちピンとこないかもしれなくても、僕は直感でいいと思っていて。米道さん: やっぱり、目指すゴールが一緒なんですよね。 そのあたり、ひとりじゃなくて、チームみんなで作っている感覚が強い。そしてとにかく、頭で考えるだけじゃなくて、手を動かす。それを大事にしています。 ひらめいた後に、実際に自分でなんかつくってみて、最初の画面として描いたらどう見えるか、ということもよくやってます。 手を動かして、何かしらアウトプットしてみる。 エモーショナルとかクラフトって何かって考えたときに、まず哲学と思想があって、それを因数分解してコンセプトをつくることが大事だと思っているんですが、それだけではなくて、その先の「ちゃんと作る」こと。この両面があってこそなんじゃないかなと。 どちらかだけだとやっぱり実現できない。両方兼ね備えてこそだと思うんです。それを、本当にいつも泥臭くやっています。言えるとしたらそこかなと。這いつくばってやっているんで。できたものが華麗なものに見えたりするのかもしれないですけど。だいぶ泥臭くやってる。 泥まみれなんです。
因数分解して細かく理論立てていくことと、ちゃんと作るということ。その両方が大事であること。「エモーショナルやクラフトという言葉はあまり好きじゃなくて、感情を動かすとか、つくるって言葉なら好きなんです。単なる英語と日本語の違いかもしれませんが、それぐらいの微妙なところをやっているという自負はあります 」という岡部さんの言葉が印象的でした。
もっとお話聞きたかったですね 写真で振り返るイベントの様子 トークセッションのクリエイターだけではなく、来てくれたみなさんもまた主役です!今回もパチリと撮影させていただきました。
参加者のみなさんの服に「ポケモン」シールが貼っていることに気がついたでしょうか。同じポケモンシールを持っている人を見つけたら、特典をゲットできるという交流イベントを行なっていました! 特典は、highlights下川さんの著書などなど。束の間で著書が配られていきました。
SNSでも盛り上がっていただきました。
最後に まずは、参加してくださったみなさん、登壇してくださったみなさんに感謝申し上げます。自発的な交流が、イベントの空気を作っています。
イベントオープン直前あたりのようす 「クリエイター同士の交流を 」と考え、これまで開催してきたイベントですが、会を重ねるごとに、学びを力に変える熱量や各々の健闘を讃えあうウェブクリエイティブ業界のエモーショナルな文化を感じます。業界の中にいる私たちが、自分たち自身のことを発信していくことが、改めて大事だと感じました。これからも、それぞれがそれぞれの場所で努力しながら、またみなさんで集まることのできる交流の場を作っていけたらと考えています。
恒例の集合写真👨👩👧 さて、次回のクリエイター交流会ですが、去年と同じく、今年も年内の開催を検討しております。続報をご期待くださいませ。 今年の夏も暑いですが、秋からはまた涼しい季節が。そして冬にまたお会いできるのを楽しみにしております。 iDID Magazine編集部でした!