<論文>患者が誤情報を持ってきたら
COVID-19 Conspiracies and Beyond: How Physicians Can Deal With Patients’ Misinformation
JAMA. 2021;325(3):208-210.
doi:10.1001/jama.2020.22018
患者が誤った情報を持ち込んできたときに,どれだけ間違っているかにすぐに焦点を当てるべきではない。まず,一緒に同じ船に乗っていることを認識し,私たちがみな誤情報に対して脆弱であることを理解する。それがより大きな共感と思いやりにつながる。
限られた時間の中で,情報源の信用を失墜させることに時間を割かないようにする。なぜ間違っているのかについて専門的な説明をしないようにする。
間違っていることを患者さんに恥じさせないことが重要である。腕を組まない,顔をしかめないようにするなど,自分のボディ・ランゲージに注意する。そして,質問の内容について考える。相手が提起したことの技術的なポイントについて質問するのではなく,なぜ彼らが提起したことが彼らにとって重要なのかについて短い会話をしてみる。そうすれば信頼できる情報への道が開けてくるかもしれない。
しかし,これは一人の医師だけの仕事ではない。医療機関ができるさまざまな役割や機会についても考えてみる。例えば,患者が遭遇する情報環境をよりよくチェックする方法を考えてみる。多くの医療従事者が通常は見ないような情報を実際に見てみる:オンラインで実現できることもある。
祝うべきことは,その患者があなたに何かを訴えたということだ。患者はあなたに相談するほどあなたを信頼している。患者はあなたに知られず勝手に行動はしていない。そして,インターネットで検索はしているが,医療システムとは上手く繋がれていないのである。
心に留めておくべき重要な原則は,患者があなたを怒らせたり,あなたの知性を侮辱したりしようとして受診しているわけではないということだ。
<感想>
ご多分に漏れず第三波による業務増加に忙殺され,ブログ更新などままならない状況でした。そして残念ながら,しばらくその状況は続きそうです。SNSを見ても医療者のフラストレーションがたまっているのがひしひしと伝わってくる今日この頃ですが,ワクチンなど新しい話題もある中で,ますます患者コミュニケーションの質が問われています。今回の記事の内容は,当たり前のように見えて実践するのは難しかったりします。自戒もこめてご紹介でした。
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