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欲望のあいまいな対象(1977)

欲望のあいまいな対象

この作品、よく爆発が起こるから、そういうのを引きつけてしまう悪魔的な女に翻弄される男の話だと思っていたら、

それもそうかもしれないけど、テロの危険にみちたセルビアが舞台なんだって。

いきなり、車にキーをさしたら大爆発する。キノコ雲が上がってた。

一言でいうと、老紳士マチューがコンチータという娘と最後までヤレない話だ。

この紳士、「哀しみのトリスターナ」でもトリスターナとヤレない役だった。笑

美しいメイドのトリスターナの前では、男が悲劇にあい、死がつきまとう。

この「死」というのは、「人間の死」とは限らない。

ネズミがネズミ捕りにかかるとか、ハエがグラスの中で溺れ死ぬとか、「小動物の死」であったりする。

「これでネズミに屋敷内を散歩させません」

「数日前から飛び回っていたのですが、あなたのグラスで息絶えるとは!」

こんなようなこと言ってたけど、洒落てるな。

死というのは、どんな生き物にとっても平等であり、人間の死が特別に重いわけではないというのがわかる。

コンチータにはギタリストの若い恋人がいつも近くにいる。

列車でコンチータに遭遇し、マチューは彼女を許し、下車してしまう。

ショーウィンドウの前で爆弾テロが起こり、マチューの終わらない悲劇が予感される。

爆発ではじまり、爆発でおわる映画だった。




















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