小間使の日記(1964)
小間使の日記。
セレンティーヌはパリから田舎の屋敷にやってきたメイド。
この作品の中の男たちは、女にやりたい放題で、今みるとなかなか辛い。原作があって、1900年の小説を1964年に映画化したものだから、当時からそれなりに古い作品をもってきたみたいだ。
セレンティーヌ(ジャンヌ・モロー)が言うことを聞きつつも、終始、不機嫌な顔でそれがよかった。
家の老主人は、本の朗読を彼女に頼んでインテリな人だと思いきや、いきなり足をわしづかみ。笑
このおじさん、女の履いた靴に深い愛着を覚えるらしくセレンティーヌにエナメルのブーツを履かせたがって露骨に嫌な顔をされた後、寝室に閉じこもり、彼女の履きなれたブーツとそのブーツのぬくもりを抱きしめたまま発作で死ぬ。笑 オレとしては、なんか話がややこしかったから、登場人物が1人減って助かったって感じ。笑
セレンティーヌと唯一、心の通じた少女は、屋敷の下男による強姦殺人の犠牲となる。
警察は熱心に捜査しない。
至近距離からライフルで撃たれる蝶、絞め殺されるアヒル、投石に驚いて逃げるヒキガエル、何かに群がるアリ、イノシシに追いかけられるウサギ、少女の死体を這うカタツムリ、動物がよくでてくるけど、いつも死が近くにある。
女たちの不幸のメタファーかも。
セレンティーヌは殺人の証言を得るために、下男と関係をもってウソ結婚の約束まで交わし、殺人現場に彼の靴底に打ってある鋲を落とす工作をして逮捕させるが、やがて証拠不十分で釈放となる。
この男、自由の身になった後は屋敷から独立し、港町でフランス軍のための飲み屋を開き、ちゃっかり女房までいた。
セレンティーヌは隣家の屋敷の主人とたびたびもめ事を起こす退役軍人と結婚する。メイドから晴れて、将校夫人に、ということだけど、幸せな感じがしない。
世の中は外国人排斥の気運が高まり、軍人は凱旋帰国をして町を大手を振って歩き、屋敷の主人とあんなに仲の悪かったふたりは、愛国心で意気投合。男がますますのさばり、セレンティーヌの失望を反映するかのように黒雲がたちこめ、雷🌩️とともにEND。