六月の蛇(2002) トークショー
塚本晋也「六月の蛇」を文芸坐で観た。
実は、塚本監督の作品は初めてです。こういうの多い。ジャッキーチェン(ポリス・ストーリー)も生まれて初めて観た。笑
トークショー付きで本人と、主演の黒沢あすかさんのお話を聴いて、合わせて良かったです。
二人もどこかで映画を一緒に観ていたらしい。20年前の作品をを観る黒沢さんのまっすぐな姿勢に、拍手を送る気持ちがやまない監督。土下座したい、ひれ伏したいとずっと言っていました。笑
塚本監督は今はそれほどでもないけど、当時は生まれ変わるなら女性になりたいと思っていたらしく、女性の肉体性への憧れなど、さまざまな願望が反映されているらしい(言い方はとても慎重でした)。
主演が男ではなく女というのがこれまでの作品と異なる。
黒沢さんが台本を読んだ時に監督には女性の一面があると思ったそうだ。
当時の黒沢さんは、女優の道を続けるか、介護センターへの就職が決まりこのまま一般の仕事をするかの選択を迫られていた。だから大きな賭けだったし、この時の演技の情熱が、その後のキャリアを拡げたから、人生を変えた作品と言っても過言ではない。
私が人生を変えてしまってごめんなさい、と監督の人柄の良さを感じました。
僕は年齢を重ねられた、今の黒沢さんの方がきれいに思いました。監督もカッコいいおじさんでした。
夫の重彦(コータリさん)へのバイオレンス。男がひどい目に会うのは、監督の父権?父親への反抗が反映されているらしい。
ここに共感した(自分も父と仲が悪くて許せないでいるから)。
塚本監督は父も亡くなり、今さら言っても仕方がないとおっしゃっていた。
ロボットアームみたいなのが重彦の首をしめるのは、彼が意識を失っている時の妄想らしい。観ていた時はよくわからなかったです。パペットで動かしているのか、糸で操ってるのか本人もよく覚えていない。
重彦の額から登頂部にかけて禿げ上がった頭。生え際が整いすぎて不自然だから絶対にカツラだと思ったら、キレイに剃ったらしい。
神経質で潔癖症の夫。家では排水溝をブラシで磨きつづける。妻の手料理が食べられない? 動物アレルギーを持っている。うんこが臭わない薬を飲んでいる。
りん子(黒沢さん)がデパートを短すぎるスカートを履いて歩くシーンなどエキストラをたくさん使っている。デパートは丁寧にお願いしたら無料で撮影に貸してくれた。
夫妻の家も建築家の方に貸してもらった。お風呂のシーンで機材がぶつかって?小窓にヒビが入ってしまって現場に緊張が走った。
ずっと雨が降っていますが、ホースを上向きにして作った雨だったり、りん子の路地裏のシーンは消防ホースを使った赤坂見附のビル街の中にあった空き地で周囲を囲って撮影したそうだ。リハーサルとちがって本番はびしょ濡れで服が張りついてなかなか脱げなくて、黒沢さん、内心は焦っている。
他の作品も観たくなりました。
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