設立メンバーに聞くIDENCEの出発点
板谷×かとりく #1
初めまして、IDENCEマネージャーの藤井です。
今回新しい試みとして、私たちIDENCEの中身や素の部分をもっと知ってもらえるようなコンテンツを作ろうということで、
対談形式の記事にまとめていきます。
記念すべき第1回目は、板谷勇飛(以後板谷)と加藤陸(以後かとりく)が今のIDENCEを語る上で欠かせない、「sense.」というサークルについて色々と語ります。
うら若き頃の2人
藤井:今回は板谷が話したいテーマがあるとのことなので、それについて話していきましょうー。sense.について?
板谷:はい、お願いします〜。
かとりく:そうね。SFCに入学した当初の話。俺らの1個後ろの代は完全にコロナ禍始まりだったよね。
その1個前だからまあギリギリちゃんとみんなとキャンパスで会う、普通の大学生活を始められた年代。
藤井:そうだねー。私はSFCじゃないけど、2019年度の入学当初は普通だったね。
それで入学して最初にサークル面白いのあるかなって感じで出会ったの?
板谷:まず、そもそもにかとりくと俺はクラスメイトなんですよね。24組で。
かとりく:ちゃんと細かめにクラス分けされてる中でたまたま同じだった。
板谷:なかなかにレアっすね。でも、クラス同じとか発覚する前に、Twitterの「#春からSFC生」とかで繋がってお互い存在は知ってたんよ。
かとりく:そうなんだよね、入学前からTwitterで知り合ってた。
板谷:なんかマイクラでバズってる変なやついるなと思ってて。かとりくのアカウントのメディア欄を見てたら、文化祭のポスター作ってるのが出てきて、「お、こいつぼちぼちデザインできるやん」って思って、だいぶ興味が湧いた。笑
かとりく:俺はあれ、倉フェスの動画出してる時に、あれが普通に全国放送のCMだと思ってめちゃくちゃエグいことしてるなって。
それでインパクトすごかったから、あれを友達に見せて話したのは覚えてる。
板谷:倉フェスそんなに見てくれてたん?初めて聞いた。全国放送ではないけどな。笑
藤井:初出し情報がある方がありがたい。笑
板谷:それで最初の授業のオリエンテーションがあった後に1回会おうぜってDMで話してて。
かとりく:多分その時のTwitterのDMは残ってると思う。
藤井:え、見たい見たい。
(3人でDMを見て盛り上がる)
かとりく:昔から敬語じゃない。あんまり今とノリ変わんねえな。笑
板谷:そうやな。笑
かとりくは鹿児島から出てきて、俺は岡山から出てきて。
両方ともSFCの最寄りの湘南台で1人暮らしを始めたばっかりだったよね。
かとりく:SFCの中にあるサブウェイの芝生のところで、板谷がネイキッド(NAKED, INC.)の作ったプロジェクションマッピング※1 見せてきて、「こういうのやらん?」って言われたのすごい覚えてる。
藤井:時系列的にはそれは結構最初の方?
かとりく:結構最初。俺はそこで色々初めて見た。C4D※2 とか。
板谷:ちょっと待って写真とか振り返ってみるわ。あーこれこれ。4月11日にクリエイティブ集団の構想メモしてる。
かとりく:すご、それまだsense.ではないときだよね。
藤井:4月11日?はやいな。
板谷:うん、生き急いどる。笑 「SFC生によるSFC内グラフィックの改革」って書いてある。
俺すごいな。入学して11日でもうグラフィック改革しようとしてる。笑
(写真を見ていたら懐かしいメンバーがちらほら)
藤井:なんか、sense.の核となる人間たちが揃うのはどれくらいかかったの?
板谷:とりあえず、かとりく、しゅんた(中嶋俊太。現在も板谷と仲の良いエンジニア)、いそちゃん(磯東吾。株式会社togo代表取締役)と俺がまあ、基本か。
で、しゅんたは正式入学する前に会ってた。入学前に配られる分厚い資料を俺が全く読んでなくて、いろんな移動教室があるのにまじで何やっていいか全然分かってなくて、Twitterで文句書いてたら、そのしゅんたがめちゃくちゃ丁寧に教えてくれた。
そこからDMで色々話しようってなって、そこで「俺エンジニアなんだよね」とか言うからこいつ面白いなって。
かとりく:最初は別にしゅんたがエンジニアとか知らずに仲良くなったんだ。
板谷:そうそう。で、また別の日に入学のオリエンテーションに行ったらしゅんたと会って、そこでちゃんと喋ったらゴリゴリに開発してるって分かって、もう秒でテンション上がるやん。笑
それでありえない速度で仲良くなった。
かとりく:俺もCG勧誘されたの結構早かったし。サブウェイの前でな。
藤井:それいい。気に入った、サブウェイの前。
板谷:そんなこんなで、5月の頭にはしゅんたは俺の家に入り浸るようになってた。
で、湘南台に住んでる奴らがよく俺の家に来るようになり始めて、色んな人と話すようになっていったんだけど、そこでクリエイティブやりたいやつがこんなにいっぱいいるんだって思ったのよ。
藤井:うん。
板谷:SFCって、俺らが入学した当初はホームページに映像のこと学べますみたいなこと書いてあったんだけど、蓋開けてみたらあんまり学べる環境がないってなったのね。
藤井:そうなん?
板谷:まあ元々映像系の授業もあったんだけど、別の大学院ができたことによってそっちに全部機能が移っちゃって。
ぴったりはまる研究会とかサークルとかもなくてっていう状態だったけど、周りの人間と関わっていくうちに「クリエイティブやりたいやつこんないっぱいおるんや」ってなった。
生き急ぐ板谷によるsense.誕生秘話
板谷:だから、じゃあサークル作ろうかって。
というかそもそもにSFC入る前から、学祭でプロジェクションマッピングをやろうっていう計画を目論んでいたわけですよ。
なんか将来設計的に、まずは1年目SFCでマッピングを成功させて、2年目か3年目に三田でやるっていうのをやっときゃ、なんか色んなとこから引き合いが来るとかうまい就職ルートがあるだろう、と思って。
かとりく:その時は全然普通に就職しようとしてたんだ?
板谷:フリーでもなんでもいいんだけど、注目集めて食っていけるだろうっていう考えがあって。で、それを実現させようっていうのもあったから、結構急いでクリエイティブチーム作ろうって動いた。ちょうど面白いやつが集まってたし。
それで何か一緒に作ろうぜっていうときに名前があった方がわかりやすいからっていうので、sense.ができた。もう5月時点ではできてました。
藤井:生き急いどる……。
板谷:それで、SFCの数少ない必修授業のなかでグループワークがあって、その授業の最終発表で授業の課題を発表した後に、便乗してsense.の宣伝したら結構話題になって。
最初のミーティング設定したら確か15人くらい集まってくれたんかな。
かとりく:それが一番最初か。
藤井:へえ〜〜必修授業で集客したんや。頭いい。
板谷:授業でTwitterのハッシュタグ使って意見出すっていう仕組みがあったから、絶対ここで宣伝した方がいいやんって思った。
藤井:機会にも恵まれたんやな。
かとりく、山手線を作る
板谷:うん。それで、熱烈な勧誘の甲斐あってかとりくもCGを始めたんだけど、山手線を作るっていうのを初ミッションとしてやり出したんよな。
そこでまじで処女作とは思えんクオリティを出してきて。
藤井:すごい。ジオラマみたい。
板谷:これ始めて2週間とかよ。すごい。
かとりく:でもこれ、触った日数で言うとまじで3日目とか。
板谷:俺はもうこれで自信無くして、「あ、絶対もうCGやんね」って思った。
藤井:なるほどね。
板谷:この時初めて、近しい存在の人間が、映像を作る部分において自分よりクオリティを出すっていう状態が生まれたんかな。
デザインでも映像でも、自分よりできる人間に出会ったことがなかったから。これ結構大事な話だな。
藤井:板谷が周りの人間に超えられたっていう経験ね。
板谷:なんか初めて味わったのよ。「あれ、これだったら別に俺がやらなくても良くね」ってなった。
それまでは結構自分で全部やりたいって思ってた。まあ根底部分は変わらず今の会社にも引き継がれてて、この会社は全部自社でできるようにやってる。その考え自体は変わってないんだけど、なんか、分かり合えるやつが近くでやってくれるんだったらそれでいいなっていう感覚も新しく分かった感じ。
藤井:大きい転換期。
CONNECT
ここから話にあがるCONNECTとは、sense.が手掛けた室内型インスタレーションです
板谷:っていう感じでsense.が始まりましたと。で、じゃあ何やろうかってなって、プロジェクションマッピングやりたいなって思ったんだけど、そのタイミングで室内型インスタレーションをみる機会があった。その規模感にめちゃくちゃ圧倒されて、「うん、これマッピングじゃなくて室内型インスタレーションやろうぜ」って言い出した。
藤井:うん、すごい楽しそう。随所にこだわりがあっていいね。
ただしゃべりすぎだから大幅に編集でテコ入れします。
板谷:ええ……。
(編集中の藤井:ごめん、やっぱりどう考えても長すぎた。
ただ大幅カットには若干罪悪感があるので以下にハイライトをまとめて置いておきます。)
藤井:とりあえず話が通じるメンバーで一つの企画をやり通したっていう素晴らしい経験を共有したわけね。
板谷:うん、ほんとに色々みんなから学んだ。で、一旦やりきったーってなってCONNECT以降は静かになる。
かとりく板谷ビジネス協定締結
板谷:でも俺とかとりくはその後から一緒に案件をやるようになって。映像周りで別の人間と一緒に仕事するっていうのが始まった。
かとりく:うん。11月とかに案件振られたね。
板谷:ただ一緒に作るってなっても、CG制作はPCのスペックがある程度は必要で、結局デスクトップPCじゃないと作業できんから各々の家でやることになるわけ。
だけど、めっちゃ話しながらやりたいわけよ。ここはこうやった方が良くね、みたいな。
かとりく:うん。
板谷:それを毎回、zoomとかLINEとか繋いでやってたんやけど、全然話にならなくて、「一緒に作業する場所めっちゃ欲しくね」ってなった。やっぱり直接話しながら作業したいねって。
それでそこから事務所物件探しが始まったな。
初めての事務所探し、sense.の変化
藤井:奇跡的な出会いをしたらしい物件の素敵ポイントを以下にまとめます。
・家賃4万5000円
・来年取り壊し予定
・築50年
・なので壁に穴開けたり改装したりし放題
・初期費用0円
板谷:そういう物件に出会ったから、みんなでお金出し合って借りようって話になった。まじでIDENCE化の原点だな。
で、そこに人が集まるようになっていって。でもそんな中コロナ禍がやってきまして、一旦実家に戻った時期があったんだけど、暇になったから新歓ムービーを作ったんです。
sense.の新歓ムービー
藤井:うん。sense.のね。
板谷:で、その新歓ムービーがなんか伸びて、急にsense.メンバーが100人になるみたいな事態が起きたんですね。
藤井:15人くらいだったのが100人になった?すごい。
板谷:めっちゃ新入生きて、その中で1番最初にsense.の申請を送ってきたのが長谷川康太郎。
この時期に出てくるのが、たぶん長谷川康太郎、松井晴大、古田諄樹、春名海里あたりの代っすよ。
藤井:おお、おなじみ。弊社HPで見れる名前が出てきたね。
板谷:コロナの影響で初の三田祭(学園祭)がオンライン開催になるってことで、ダンスサークルのステージの舞台演出を手伝ってもらえませんかって頼まれて、やりましょうってなった。
このときすごい良かったのが、sense.が若干自分の手から離れていってる感じがあったというか。
このまま、俺らはsense.とは別の形で仕事をしていくんだろうなっていう風に思ってたから、三田祭でのsense.との関わりは変わっていく気はしてた。
藤井:ふむ。
板谷:なんかまあいい機会だし、せっかく100人もいるんやし、みんなやりたいだろうと思って、CONNECTの時にやりたいって言ってた人たちにあんまり任せられなかったのが若干心残りでもあって。
みんなちゃんと楽しかったんかなって。それでいい機会だと思って、それぞれ新入生から責任者を決めて、全体のマネジメントだけして、あとは丸投げしたの。
三田祭LEMIT
藤井:うんうん。
板谷:その時にいろいろセンスいいなってやつにも出会って、楽しくなって、事務所おいでよって徐々に呼ぶようになって、ちょっとずつ一緒に仕事する人間が増えていった。
かとりく:そうだった。
遂にIDENCEが生まれる!
板谷:それで三田祭も終わって、今後どうしようかなって考えてる時に、今後かとりくとかと一緒に仕事するってときに今のままだと帰属意識が芽生えにくいから、なんか1つ共同の名前があったほうがいいなと思ったわけですよ。
藤井:うん。
板谷:で、たまたま何人かで家で遊ぶ日があったんだけど、その前日に名前決めようってなったからそのメンバーに話したら、「いいね、名前作ろう」と。それでみんなで、AIの名付けシュミレーターで遊んでたら「IDENCE」ってあがってきて。
「あ、これかっこよくね」って盛り上がってIDENCEになっちゃった。
かとりく:素晴らしい。深い。
藤井:www 素晴らしく深いね。
板谷:事務所帰って、かとりくとかにその話をして、これでやっていこうぜって。
かとりく:それ言われた瞬間めっちゃ覚えてる。
板谷:それからSlack作って、ロゴ作って、ってだんだんきちっとしてきたなって思ったのをすごい覚えてる。
藤井:なるほど〜。
板谷:そこで、はじめてIDENCEっていうのが生まれたんですよ。
かとりく・藤井:あ、じゃあここでおしまいがいい。うん、そうしよう。