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ダブルスクールしていたバイオリン弾き

佐久間





ふじも:マガジン12回目、よろしくお願いします!
うわーもうこの企画開始から1年経つね。


佐久間:そっかそっか。そんな経ったのか。1周年おめでとうございます。


ふじも:ありがとうございます。
なんか諸事情で初めてのソロ企画だし、佐久間初めての登場ですね。


佐久間:そうですよー。
マガジンを見てくれるみなさん初めまして、よろしくお願いします。



プロフィール
佐久間基就(佐久間):2001年生まれ。IDENCEでは主に編集を担当。PEANUTSオタク。
藤井桃子(ふじも):2000年生まれ。マネージャー。チョコレート好き。





佐久間ってどんな人?


ふじも:佐久間はIDENCEと長い付き合いではあるけど、ちゃんと加入したのは最近だよね。
最近はライブ配信の業務とか主に編集を担当していただいてます。


佐久間:そうだね。


ふじも:佐久間のIDENCEとの関わりはどういう感じなんでしたっけ?


佐久間:まず2019年の慶應SFCの入学前ガイダンスみたいなやつで板谷と出会って。
なんか仲良くなって、その直後にかとりくとも知り合って。


ふじも:大学1年生の最初に知り合ったのか。


佐久間:そう。そこからずっと付き合いはあったけど、俺はそんなにコミットできなくて。
sense.からIDENCEへみんながどんどん成長していく過程を、指を咥えながら見てるみたいな。
でも時々事務所に行って作業してたりして。笑
「IDENCEじゃないの?」って言われるけど「いや、実は違うのよ」みたいな、絶妙な立ち位置の人間になってましたね。


sense.の頃、佐久間とビデオ通話する板谷&かとりく


ふじも:本当に初期の頃からの付き合いということで、今後もよろしくお願いします。


佐久間:こちらこそお願いします。



ダブルスクールしてた人


ふじも:じゃあ、一旦最初の前置きはそんなところで。
ここからは佐久間について掘り下げていければと思います!
佐久間はダブルスクールしてたんだよね。


佐久間:そうですね、大学2つ通ってた。
SFCと桐朋学園大学音楽学部のディプロマコースっていうところに同時に通ってましたね。
トータル5年間、ストレートで卒業しました。


ふじも:いやーすごいね、お疲れ様でした。


佐久間:ありがとうございます。笑
桐朋のディプロマコースはCocomiさんも卒業されてますけど、3〜5年で修了すればOKっていうちょっと変わったコースで面白いんだよね。


桐朋祭の「超絶技巧選手権」に出演中の佐久間 ©︎岩渕知央


ふじも:自由度高くていいね。
もうこれはめちゃくちゃ聞かれてきた質問だと思うんだけど、なんでダブルスクールしようと思ったの?


佐久間:俺は3歳からバイオリンをやってまして、なんやかんやで私立の中高一貫に入って。
そうしたら中3ぐらいから「大学どうするかちょっと考えておくんだよ」って大人たちに言われ始めるわけですね。


ふじも:うんうん。


佐久間:その頃からコンクールもたくさん出てて、バイオリニストになるっていう道もあったわけなんだけど。
でも、親がバイオリンで食ってくのはすごく難しいから、それ一本はやめなさいっていう教育方針だったのね。


ふじも:なるほど、すごく現実的な教育方針。


佐久間:別に趣味でやるのとかは大賛成って感じなんだけど、バイオリン一本はやめなさいって言われてた。
大学受験の時に音大一本で頑張るのもやめとけって言われてたね。


ふじも:あーそうなのね。卒業後の選択肢的にってことか。


佐久間:で、俺が辿ってきた道は親に勧められた流れなんだよね。笑
やってみたら?って言われたのがダブルスクール。


ふじも:勧められたんだ。


佐久間:そう。
SFCはAOで12月に入学が決まってたんだけど、その間にいろんなことが起きて。バイオリンを大学でも続ける場合、選択肢が2つあったのね。
1つは慶應のワグネルっていうでっかいオーケストラに入る、2つ目は桐朋のディプロマコースにも同時に行くっていう2択だった。


ふじも:ワグネルってすごい大きいオケだよね。


佐久間:うん、歴史もすごい長い。
その頃ちょうど色々重なって新しい師匠につくことになって、その2択で悩んでますって言ったら、より本気でできるから音大の方に来なさいって言われて。
多分大学のサークルとかだったら満足できなくなるから、より実践的な環境に身を置く方を進められた。
それで、桐朋の入学申し込み締め切り日にSFCと桐朋のダブルスクールを決めたんだよね。


ふじも:???
入学申し込み締め切り日に決めたの?すごいね。


佐久間:そう。とんとん拍子に決まったね。


ふじも:いやーすごいね。重要な人生の分岐がそんな短期間にぎゅって決まったのね。


佐久間:あれよあれよという間にそういうことになりましたね。
でも結構人生そういうもんな気もするけどね。笑
だってあなただってさ、IDENCE就職する時にパパッと決まったでしょ。


ふじも:まあまあ、そうね。笑
私もそんなに人のこと言えないわ。
じゃあ、ダブルスクールにおいて1番大変だったポイントは何?


佐久間:移動です。(食い気味)
コロナのおかげでだいぶ楽になったんだけど、1年の頃は必修が多い関係もあって移動がやばかった。


ふじも:そっか、たしかに結構キャンパス離れてるよね。


佐久間:桐朋は調布、SFCは湘南台、レッスンが仙川あたりのところで、ひどい時はその3箇所を移動してた。
月曜日は朝調布に行って桐朋の授業を受けて、その授業をちょっと早退させてもらってSFCに行って体育やるとか。


ふじも:うわー大変だね。物理的な移動が1番大変か。


佐久間:疲れるしね。移動中そんなに自由あるわけじゃないし。


ふじも:たしかに。本当にお疲れ様でした……。
じゃあ、ダブルスクールならではの良かったことというか、楽しかったことなどありますか?


佐久間:そうだね。アイデンティティが強固になったっていうのはまずあるかな。


ふじも:まあそうだよね。
だってダブルスクールやってますって人そうそういなくない?
私の近しい友人関係ではあなたしかいないよ多分。


佐久間:ちょくちょくはいるけど、まあそんなに多くはないね。
相談されることもある。


ふじも:あ、そうなんだ。


佐久間:あとは、そうだな、音楽関連のちゃんとした繋がりが増えたかな。
一応仮にも音大生っていう立場を獲得できたり、その中である程度の知名度を得られたり。
「桐朋と慶應の人だ!」って覚えてもらえることも多くて、お仕事の繋がりも増えましたね。


ふじも:そうだよね、間違いなく印象に残る。


佐久間:最近だと音大生向けに、コンクールのビデオ審査用に録音、録画業務を請け負う仕事もやってて、ご好評いただいてるね。


ふじも:それいいね、すごくニーズありそう。


佐久間:うん。
動画形式とかいろいろ細かい指定もあって、よくわからない人も多いから、バイトみたいなもんだけどよくお願いされる。


イベントのお仕事中


ふじも:特殊バイトだね。


佐久間:特殊だね。
あとバイオリン弾く仕事も増えましたね。
きっと、ただの慶應生には音楽のお仕事はあんまり来ないんですよ。笑


ふじも:なるほど。


佐久間:音楽系の仕事って大体人との繋がりで回ってるから、ご縁が大事だったりもしますね。


ふじも:まあ人脈は重要ですよね。
ダブルスクールによって人脈の基礎ができたんだ?


佐久間:だいぶできたね。


ふじも:移動はめっちゃ大変だったけど、いろんないいことがあったんだね。


佐久間:いいことたくさんあったねー。
ダブルスクールしてよかったと思う。


ふじも:話聞くだけでも充実してて得るものが多そう。



音楽の仕事の話


ふじも:じゃあ続いて、音楽の仕事の話を聞かせてください。
今は桐朋は卒業してるんだよね?その後どうですか。


佐久間:音楽はフリーランスで、SFC修士2年です。
とりあえず僕はバイオリン弾いてるわけですよ。
一旦バイオリンの人について説明すると、バイオリンの人っていうのは、生き方が何通りかあって。
まずスタジオに入る人、要はアーティストの後ろで弾いてる人たち。


ふじも:うんうん。


佐久間:あと、ソリストもいますね。
オーケストラの前で1人で弾いてる人、この人たちはとんでもなく上手いです。
上手いから勝手にソリストになってしまうくらいの人たちですね。


ふじも:は〜すごいね。


佐久間:あとは皆さんご存じ、オーケストラの中で弾いてる人。
俺はこれに当てはまりますね。
あとはほんとに少数だけど室内楽で生きてる人たちもいるって感じかな。
最後は教える人か、ざっとそんぐらいかな。


ふじも:色々あるんだね。
佐久間はオケで弾く人なわけだ。


佐久間:うん、ずっとメインでってわけじゃないけどエキストラで弾かせてもらってる。


コンサートで演奏中の佐久間 ©︎Hitoshi Iwakiri


ふじも:そういうお仕事ってどういう流れで決まるの?


佐久間:「この日程乗れますか?」って連絡が来て、自分のスケジュールチェックして空いてたらすぐ「いけます!」って返す。笑


ふじも:へ〜そのあとは?
全然知らないから時系列で聞かせてほしい。


佐久間:そうだよね知らないよね。
じゃあさっきの続きね、日程空いててOKですって返事したら、公演概要みたいなのが送られてくるんです。
で、楽譜を受け取る手段を決めてくださいって言われて、データ送付か紙の楽譜を郵送か、受け取りに行くかを選ぶのね。


ふじも:取りに行く選択肢あるんだ。


佐久間:取りに行くケースもある。
まあ何かしらの手段で手元に楽譜がきます。
そこからは、しばらく譜読みの期間になる。
ぱっとある程度全部弾けるようになるぐらいには、楽譜を見ながら自宅で練習するんだけど、俺はよく、オーケストラだったら曲をヘッドフォンで流しながら、それに合わせて弾いてる。カラオケやってるみたいな感じ。


ふじも:うんうん。楽器版のカラオケか、面白いね。


佐久間:とりあえずそうやって指がちゃんと動くようにしていくっていう期間があって、リハーサルまでになんとかします。
で、リハーサル当日ですね。
我々はリハーサル時間の1時間前には絶対につくようにしてるんですよ。
怖いから。笑
オケは1人でも遅刻したら練習が始められないのでね。


ふじも:わーそうね、みんな揃ってないと意味ないもんね。


佐久間:そうなんですよ。
会場に着いてからは、1人で基礎練をずっとしてる。
音階をゆっくり弾いたり、譜読みしてて難しかったなってところを練習したりするね。


ふじも:うんうん。リハーサルはどんな感じなの?


佐久間:楽章を通して演奏してみて、指揮者がコメントして、言われたことを楽譜に書いたりしながら、繰り返し繰り返しやってくイメージかな。


ふじも:リハは1回で終わることもあるし、本番までに何回かあることもあるって感じ?


佐久間:うん、公演によってだいぶ違う。


ふじも:じゃあ、本番が来たとしたらどういう流れ?


佐久間:本番の日は、ゲネプロっていうのがあるんですね。
もちろん1時間前に着きます。で、本当にリハと同じ流れ。
でもゲネプロは基本一回通しで全体の曲の流れをざっと確認して終わりです。
そっからしばらく休憩があって、本番になります。普通のコンサートだね。
おもろいのが、本番終わった後の撤収は、上手い人ほどめちゃくちゃ早い。
お客さんと一緒とかそれより早いぐらいのタイミングで帰る人が多くて面白い。


ふじも:それはすごい、お客さんより早く帰っていくんだ。笑


佐久間:ちゃんと楽器のメンテナンスは終えて、はいお疲れ様でしたって出ていく。笑


ふじも:なるほど〜。
ステージ終わったらみんなで集まるとかないんだ?


佐久間:ないよ!打ち上げもないです。
もちろん個人的に飲みに行きましょうとかはあるけど。笑


ふじも:そうなんだ。知らない世界だな〜。


佐久間:そうだよね。そんな身近じゃないもんね。
よりクラシック音楽を身近にできるようにいっぱい動いていきたいなっていうのが、俺は大きいかな。


ふじも:いいね〜。
佐久間の演奏は一回だけ聴いたことあるけど、もっと聴きたいです!


佐久間:うん、みんなに楽しんでもらえるように頑張りますので気軽に聴きに来て欲しいです!



(おまけ)実はPEANUTSオタクの佐久間によるPEANUTS談義


佐久間:みなさんPEANUTS好きですか?一番有名なのはスヌーピーですけどもスヌーピーって実は主人公じゃないんですよ。チャーリーブラウンっていう男の子が主人公で、元々新聞の4コマ漫画みたいな作品だったわけ。最初本当にスヌーピー出てこないのよ。ちょっと経ってから、チャーリーブラウンの飼い犬としてスヌーピーが出てくるんだけど、最初四足歩行だったんだよ。それで……(このあとも存分にPEANUTSオタクとして語ってくれましたがこの辺りで割愛します)


(編集中のふじも:PEANUTSは音楽も素晴らしいんだ!と熱弁してくれた佐久間が、プレイリストを作ってくれました。ぜひ聞いてみてください👂)