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IDENCE引っ越しました!②
あらだ×板谷
〜前回までのあらすじ〜
目黒オフィスから浅草オフィスに引越したIDENCE。
様々な物件を検討しながら紆余曲折すること数ヶ月、ようやく納得のいく物件に出会い無事契約まで漕ぎ着ける。
ふじも:今月のmagazineは、前回に引き続きIDENCEオフィス引越しについてです!
ここからは、いよいよ加速していく引越し準備やこだわりポイントについて語っていきます。
プロフィール
松井晴大(あらだ):2001年生まれ。グラフィックデザイナー・エディター。CPG(カッパープレートゴシック)大好きマン。
板谷勇飛(板谷):2001年生まれ。株式会社IDENCE代表取締役。大のあんこ好き。
藤井桃子(ふじも):2000年生まれ。マネージャー。チョコレート好き。
物件決定まで長かった道のり
板谷:ほんとに長かったねー。
ここの内見は4月の頭で、6月3日から契約開始、引き渡しですね。
いや長かったですね、今回。
ふじも:いろんないいじゃん!ってポイントが重なってオフィスが浅草に決まりましたけど、物件決まってからも内装にかなり注力したんですよね。
そこのこだわりをちょっと軽めにお願いします。
内装のこだわり
板谷:そうっすね。
元々ここスケルトンまでとはいかないんですけど、水回りだけついててあとはもうただのタイルカーペット敷いてあるだけっていうような物件でした。
でもオフィスビルだから当然好きに内装いじっていいので、やってやろうと燃えまして。
あらだ:うんうん。
板谷:インテリア好きとしては燃える以外ないですから。
しかも、俺は特に設備系がめっちゃ好きで、照明設備だったりとか、建物の躯体自体に関わってくるようなものに興味がすごくあるんですね。
ふじも:そうなんだ。
板谷:そう、それを結構なお金かけてできる機会。これは楽しい。
楽しいけど、逆に言うと自分の人生でこんな大金使ったことないわけですよ。
ふじも:そりゃそうだよね。
板谷:それをいかにしてみんなが仕事しやすく、その上で利益を上げるというか、いい作用を生み出す空間になってないといけないっていうのがまたオフィス特有の問題ではあるので。
お金を使うからこそ、それに見合うだけの空間にしないといけないっていう責任は同時にのしかかってきてはいたので、調べ尽くして考え尽くして、思い残したことないかなっていうぐらいやった。
あらだ:めっちゃやってましたもん。
板谷:あらだにも手伝ってもらって助かった。
で、1番最初何やったかっていうと、まず必要要件洗い出し。
今回だと倉庫、ミーティングルーム、あとは試写室兼カラコレ編集室と、サーバールームを作りたいなという構想があったんですね。
そのレイアウトをどう作っていくかって段階からは、前述のMAKERS UNIVERSITYで出会った「株式会社shiki」っていうライフスタイルブランドの立ち上げから制作・運営をやっている友人の後田くんに一緒に入ってもらいました。
体験設計や導線設計、エントランス入った時にまず何が見えるのか、その時に何を感じるのかみたいなところから一緒に考えて設計してます。
例えば、抜け感が欲しかったから、ガラス張りのミーティングルームをエントランスから1番目に入りやすいところに置いてるんだよね。
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あらだ:あーそうなんすね。
そんな考えられてるんや。
基本的な設計は板谷と後田さんがやったんすか?
スイッチまで指定する執念
板谷:そうね。
デザインのイメージだったり、素材とか配色みたいなところは、もう基本的に全部俺が決めさせてもらって。
なんならスイッチとかも型番で全部指定してて。
あらだ:こだわりっすね。
板谷:うん。
パナソニックのアドバンスシリーズっていうスイッチプレート使いたいとか。笑
そういう俺の希望を汲んで後田が図面を起こしてくれて、法関連も見てくれたりしながら、一緒に作ってったって感じですね。
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あらだ:いいタッグですね。
ふじも:内装の調整も大変そうだったね。
やりとりがすごい頻度で続いてるのを、お疲れ様って思いながら見てた。
板谷:いや〜大変だったけどなんとか乗り切りました。
後田本当にありがとう。
で、ずっとやりたかった「IDENCEはこれだ!」みたいなのが俺の中であったんで、そこはこだわりました。
一番は白とナチュラル、ステンレスのバランスは、だいぶ理想通りにできたなと思ってます。
あとガラスもポイントで入れたり、いい感じの比率にできたなと思ってまして。
ふじも:うん、いい雰囲気だと思う。
板谷:うちのブランディングとしても、白い感じとか美術館みたいな雰囲気みたいにしたいと思ってた。
ホームページから受ける印象、名刺から受ける印象、パンフレットから受ける印象、オフィスから受ける印象を全て同じようにしていきたいっていうのがあって。
だから実はね、今エントランス入って向かって1番奥の面は真っ白で残してあるじゃないですか。
あらだ:うん。
板谷:あれは入った時に感じる白とナチュラルの印象を考慮して、あそこに何も置かない方が最初に受ける印象が「白」になるから、そのためにあえて外してるんです。
あらだ:なるほど。
板谷:そう。
ベタで塗る部分は白で、ポイントで刺していくところは基本的にナチュラルみたいなイメージかな。
あらだ:人が触れるところは割とナチュラルになってるんですかね。
板谷:あ、そういう感じですね。
で、白とナチュラルだけだとやっぱりちょっと質感が足りなくなってくるんで、ガラスを入れたりとか、ステンレスを入れたりとかで質感を補っていく。
CGのマテリアルをディレクションする時に言ってること、やってることと同じだな。
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あらだ:すごいうちの思想がわかるっすね。
ふじも:なるほどね、たしかに。
1番のこだわりは照明
板谷:あとやっぱり照明がね、一番こだわった部分でして。
照明商材のメーカー4社分のスポットライトの業者用パンフレット、全部読みました。
あらだ:スポットライトがひたすら載ってるカタログずっと見てましたね。
ふじも:そのカタログって何がわかるものなの?
板谷:まず筐体のデザインと、スポットライトの照射角と、スポットライトの色温度と、みたいなのが色々ありまして。
天井の一部をスケルトンにするって決めたタイミングから、絶対にグレー系とかで金属調が良いと思ってた。
それで頑張って希望に合うものを探してたんだけど、なかなか良いのがなくて苦労したんですよ。
___
・照射角度が15度から30度ぐらいの狭角スポット
・暗めの金属調・白の2色があるモデル(スケルトン部分と白天井部分で金属調と白を使い分けたかったため)
・色温度が3700Kくらいのもの
___
板谷:これも弊社の照明に詳しい駒井喜一に手伝ってもらって、現地で撮影用の照明を使いながら、色温度とか照射角どれぐらいがいいかを調査して決めました。
ふじも:あー記憶ある。
別件で駒井ちゃんに連絡してたのに返事来ないなと思ってたら照明の検証してた。
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板谷:そこで検証した結果、かなり仕様が絞られていったと。
さらに注文の多い板谷は執務スペースは調光できるようにしておきたいという気持ちがありまして。
あらだ:眩しすぎたりしたときに調光できた方がいいっすもんね。
板谷:そう。
いろんな商業施設行った時に、大体天井見上げてスポットライトを眺めると思うんですけど(?)、その時にスポットライトの筐体横に四角いユニットがついてるの見たことないですか。
あらだ:言われてみればついてるの見たことある気がします。
板谷:うん、丸の内近辺のハイグレード施設とかでさえついてたりするんだけど、調光用のユニットらしくて。
これがつくのが嫌だった。
それで色々探したら、4社目に見つけたんですよ……!!
オーデリックっていう照明メーカーなんですけど、全部そこのにしました。
ふじも:オーデリック信者だ。
板谷:オーデリックにはですね、ボックスついてないけど調光可能、かつ照射角15度で3700K、グレーも白も展開されてるスポットライトがあるんです。
あらだ:このオフィスのために作られたんかなと思いますね。
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板谷:本当にありがとうございます。しかも結構安めでありがたい。
ふじも:これもうオーデリックさんの特集にした方がいいかもしれない。
板谷:たしかに。笑
そんな感じで、照明以外の細かいパーツにもこだわりを反映していきました。
みんなで力を合わせて完成した新オフィス
ふじも:検証のためにわざわざあらだがCG起こしてましたからね。
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板谷:そう。
ドアノブやらクロスやら、いろんな素材のサンプルをショールーム巡ってもらってきて、それを基にあらだにCGを起こしてもらって、VRでサイズ感も検証しました。
一番悩んだ床のタイルカーペットは、結局最後ふじもの一言で決めたけど。笑
でもドンピシャいい色味だったんじゃないかと思う。
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ふじも:最後私が「一番左のじゃない?」って言ったらそれになってた。笑
カーペットも自分たちで敷き直したので大変でしたけど色んな方が手伝ってくださって頭が上がりません……。
本当に皆さんありがとうございます。
板谷・あらだ:本当にありがとうございます。
板谷:色んな人の力を借りながら、とにかくこだわりにこだわって完成した念願のオフィスです。
もっともっと喋りたいことが色々ありますけど、ちょっと今回はこれぐらいにしておきます。笑
それぞれのお気に入りポイントは?
ふじも:じゃあそろそろ締めに入りたいので、1番のお気に入りポイント聞かせてください。笑
板谷:え〜〜〜ほんとに悩ましいけど、地味に気に入ってるのは執務エリアからミーティングルームまでの天井の構造かな。
スケルトン・白天井・ガラスパーテーションって3つの要素がうまく並びながら、軒下みたいになってることによって、構造の複雑性が増しているっていうのはよかった。
ふじも:私もこの天井部分の切り替わりがいい感じだと思ってる。
ちょっと遊びがある感じで。
板谷:そうね、なんかこれは最初からめちゃ狙って設計したわけじゃないんですけどうまくハマってて嬉しいです。
あらだ:俺はなんか、このオフィス全体が自分の起こしたCGまんまの形になっててよかったっす。
照明の落ち方とかまでレンダリング画像通りになってて、そんな経験なかったので。
板谷:あらだのCGも欠かせなかったからね。
「元のCG俺が作ったのよ」って言えるの強い。
ふじも:たしかに。
じゃあ今回はこんなところで、新オフィストーク回締めたいと思います。
板谷:ありがとうございました。
もう明らかに仕事しやすい状態になってるのを感じるし、ミーティングルームも既に来客の皆さんに「いいね!」って評価していただいてるので、これからもどんどん気持ち良く働けるように整えていきたいですね。
あらだ:編集室とかもまた詳しく話したいっすね。
ふじも:そうだね。
みなさん続報をお待ちいただければと思います。
では、新オフィスでこれからも頑張っていきますのでIDENCEをよろしくお願いいたします!
一同:お願いします、ありがとうございました!
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