空想旅行 2
非日常の世界
目的地は決めない
目指す方角は決める
理由?
そんなの聞かなくてもわかるだろ?
いや
わかんないね
なんでわかんないんだ
と心で思ったことが顔から出ていた
よく言われるお前はすぐ顔に出る、と
しかし、もうどうでもいい
ここから居なくなるのだから
そのための準備を何年もかけてしてきた
ただ、思っていたより時間がかかった
いつか出て行ってやると啖呵を切ってからなかなか出ていかないから
色んな人に今日のお前の頭の中はどこへ行ってきたんだ?
とからかわれた
そしていつの頃からか
今日の空想旅行の話を聞かせてくれ
そう言われるようになった
空想旅行?
なんだそれ
旅行なんか一度もしていない
空想旅行をしているのはお前らだろ
外の世界を知らず
知ろうとせず
違和感を感じない
こんなにつまらない人生なんてあるのか?
なんてそれらしい事を並べているが本当はもっとちっぽけで子どもみたいな理由なんだ
帰ってくる気なんてない
だから何も言わない
俺は非日常の世界を旅するのだ
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