悲しき末路

ヴァンパイアバディ 
男2人

男・カーディエロン/カーディ(見た目40歳)
  (ヴァンパイア)
男・バロキエム/バロン(見た目45歳)
  (ヴァンパイア)

<屋敷のとある部屋>

バロン・なぁ、カーディ 
    妙な噂を耳にしたのだが、、
カーディ・ハンターがこの町に来たと言う話か?
バロン・あぁそうだ
    ついにこの町にも来たか
カーディ・俺たちは静かに暮らしたい
     だけなのに
     さて、どうする?
バロン・抗うか、、それとも、
    何もせずにこの身を捧げるか
カーディ・俺はこの町は好きだ
     町の民もよくしてくれている

<バロン、目をつむり少し考える>

バロン・、、、私たちは平和でいるつもりだが
    町の民はそう思っていないとしたら
    どうだろう?
カーディ・我々に怯えながら日々
     暮らしているという事か、、
バロン・あくまでも可能性の話だ
    我々としては不本意だが
    十分にあり得る話だろう?
カーディ・まぁそうだな

<カーディ、肩をすくめる>

バロン・なぁ カーディ
    私から一つ提案があるのだが
    聞いてくれるか?
カーディ・もちろんだ 聞こう
バロン・ありがとう シンプルな話だ
    2人とも、ここで終わりにするのは
    どうだろうか?
カーディ・どこかへ移るのではなく
     この地で命を終わらせる、と
バロン・あぁ、そう言う事だ
カーディ・しかし、バロン
     我々ヴァンパイアは不死の存在
     どのように命を終わらせるのだ?
バロン・ヴァンパイアの苦手とするモノを
    お前も知っているだろう?カーディ
カーディ・あぁもちろん知っている
     、、、そう言う事か、、、
     なかなか辛いな

<カーディ、息を吐きながらソファへ深く座る>

バロン・そうだな、、一番手っ取り早く終わるのは
    純銀のナイフだろう
カーディ・あぁ、しかし純銀のナイフなど
     どこにあるのか
     俺は知らない わかるか?バロン
バロン・確か倉庫の中に厳重に保管されていたと
    記憶している さっそく探しに行こう

<2人で倉庫へ行く>

カーディ・なぁバロン なんでこの方法が良いと
     思ったのだ?
バロン・別に良いと思った訳ではない、、
    ただ、町の民に迷惑をかける事が
    心苦しくてな
カーディ・なるほどな(笑)
     お前、本当にヴァンパイアなのか?
     思考が完全に人間と同じではないか
バロン・私もそう思うよ(笑)
    人間と関わる時間が多くなったおかげか、
    思考までも人間に寄ってしまったようだ

<倉庫に着き、純銀のナイフが入った箱を見つける>

カーディ・これか?
バロン・あぁそうだ、下手に触るとヤケドするぞ
カーディ・なぁ、バロン、コレは一つしかないが
     どうするつもりだ?

<バロン、深呼吸をする>

バロン・カーディ、、悪いが私は先に逝く
    どうするかは、お前自身で決めてくれ
カーディ・待て!バロン!

<カーディ、バロンの手を止める>

バロン・なぜ止める
カーディ・早すぎるぞバロン
バロン・早い方がいいだろう?
カーディ・そうではない、、別れの挨拶くらい
     させてくれ
バロン・あぁ、そうか忘れていた すまない

<バロン、持っていたナイフを一旦下ろす>

カーディ・気にするな 
     バロン今まで共に生きてくれて
     ありがとう
バロン・こちらこそだ、カーディ
    私からも感謝する

<バロン、再びナイフを構える>

バロン・それでは、先に地獄で待っている(笑)
カーディ・あぁ、俺もすぐに追いかける(笑)

<2人で軽く抱き合い、離れる>

バロン・またな、、

<バロン、銀のナイフを自ら心臓に突き刺す>
バロン・ぐっ、、、

<バロン、灰となり消える>

カーディ・バロン、、

<カーディ、銀のナイフを拾い自ら心臓に突き刺す>

カーディ・ぐっ、、これが、、人間の感じる
     死の恐怖なのか、、

<カーディ、その場に倒れるが目を覚ます>

カーディ・ここは、、地獄、、ではない!
     なぜだ!なぜ俺は消えていない!?
     まさか、、

<カーディ、血のついた銀のナイフを見る>

カーディ・くそっ!こんな事が許されるのか!
     呪われた血は俺を楽にさせないつもりか
     そうか、、ならば抗ってやろう
     この命が尽きるまで

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