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星が見た約束
テーマ プロポーズ
メイン人物
・交際4年目のカップル
(男性)(女性)
・男性の友人
・女性の友人
人は運命を感じる瞬間があるらしい
そして、その運命に引き寄せられた男女がいた
それはロマンチックな出会いでも
偶然の産物でもなく
「出会うこと」
が必然の様だった
そう、
ラーメンの中のネギ
バンバーグの隣にいるポテトのように
彼は友人と久しぶりの飲み会へ、
彼女は友人との夕食へと
それぞれ向かっていた
その日はまるで
ダイヤモンドを散りばめたような
きれいな星空が広がる夜だった
彼と彼女もそれぞれの場所で、
この綺麗な星空を眺めている…
そう想っていた
彼も彼女も友人と別れ、
その帰り道、ふとお互いの居場所が気になり
LINEをした
彼 "今、帰りなんだけどそっちはどうかな?
と思って
盛り上がってたらゴメンね"
彼女 "こっちも今帰りで、駅まで歩いてるとこ
今日、1番美味しかったの何?"
彼 "んー
色々食べたけど、やっぱり唐揚げ!"
"家では揚げ物しないから、
熱々が食べれて幸せ"
彼 "そっちは何食べたの?"
美味しいお店だったら、
今度は一緒に行こうよ"
彼女 "ビール!
焼き鳥盛り合わせ!
ビール!"
彼 "すごい…ビール推しだね笑
焼き鳥は何が美味しかったの?"
彼女 "全部美味しかった、
でも何を食べてても
君にも食べさせたいなって"
彼女 "美味しい物を食べる幸せ、
誰と食べるかの幸せを
すごく考えた時間だったよ"
彼女 "じゃあ、次の休みに連れてってね"
ミニラーメンもあってさ、
ネギしか入ってないんだけど
美味しくてシメに最高!"
彼 "美味しい物だけど、
楽しい事もたくさん共有していきたいよね"
そんな他愛もないやりとりをしている間に
駅に着いた
終電を待つ駅のホームは、
なんだか…寂しげ…
でも温かい…
そんな感じがした
みんなはどこに帰るのか
人々の様子を見て
想像を巡らせながら
電車を待った
駅のホームに終電のアナウンスが響きわたる
人のまばらな車内に乗り込んで数分
ふと自然に浮かんだ
彼 "ここに彼女がいたらな"
彼女 "ここに彼がいたらな"
窓に映る星を眺めながら
二人ともそう考えていた
彼・彼女 "会いたい"
二人の気持ちを星空が
導いてくれている
彼女のLINEの通知音が鳴った
彼女の友人 "今日はありがとねー
またご飯行こ"
友人からのメッセージ
なぜかガッカリした自分に
笑いが出た
今、誰に会いたいのか
自分の中ではっきりした瞬間でもあった
彼は飲み会での友人の話を思い出していた
彼の友人 "結婚してから喧嘩が増えたけどさ、
遅く帰っても夕食が
1人じゃないんだよね"
1人じゃない
だれか自分を分かってくれる存在が近くにいる
それだけ幸せかもしれない
彼氏彼女の関係から夫婦
家族になる
そんな事を想像した
電車から降りた彼は星空を見て、
衝動的に彼女に電話した
彼 "ごめん、まだ電車だったかな"
彼女 "家まで歩いてるとこー。
星がすごく綺麗で、
上見ながら歩いてたよ"
彼 “痛っ"
彼女 "急にどうしたの?大丈夫?"
彼 "電柱にぶつかったー痛い"
彼女 "ちょっと、上見すぎ!"
笑いながらなんてことない会話をする
ふと一際輝く星が
視界に入った
彼女 "この星空を隣で一緒にみたい!
この先もずっと"
"今、溢れ出してきたこの気持ち、
今あなたに伝えたい"
彼 "あのラーメンが美味しく感じたのは
ネギのおかげだと思うんだ"
電車の中で自然と
ここに君がいたらなって考えてた"
心の中でやる事は決まっていた
運命を感じる瞬間…今が、その時
星空が背中を押してくれた
自然と二人は向かう方向が変わっていた
彼女 "今、あなたに会いたい"
誰にも止めることのできない、
この湧き上がる気持ちが
無意識に行動を変えた
彼 "会いたい!こんな時間だけど"
彼女 "私も!駅で待ってる!"
2人は駅へと戻った
高鳴る気持ちと、高鳴る鼓動…
駅のホーム…男女は出逢う…
彼 "会えた"
彼女 "会いたかった"
言ってもいいかな?今の気持ち…
向かい合う2人、
彼は彼女の手を取り言った
彼 "星空を眺めるように君の笑顔も
ずっと隣で見ていたい"
"結婚…してください…"
彼女は興奮して声を発することが出来ず
何度も頷いた