バーこみみ 2
なんの変哲もない看板
強いて言うならば、木で作られているだろう
その程度の印象
しかもなぜネコが気になったのか
特別珍しいものでもないのに
多くが店の主人がネコ好きだから
などと言う安易な理由が多いが、この店の場合はどこか違う気がした
なんとなく
昔から変なところが気になったり
どうでもいい予想が当たる
全く役に立たない能力だ
どうせ今回もその類いなのだろう
ちなみに
昔がいつのことを指すのかよくわからない
わたしは店の扉を開ける数秒間で思った事を振り返りながら、目の前のグラスの中でくつろいでいる不恰好で大きな氷を眺めている
なんでこんな大きな氷を入れるのだろう
こんな色の酒があったのか
そもそもこの量でいくらするのだろう
この店に来てから頭の中のわたしは疑問符の群れとどうにか仲良くできないものか
半ば諦めた様子で眺めている
なぜならアルコールと言うものに全く興味がないうえ
俗に言う基本的な知識というものもたいして持ち合わせていないのだ