「覚えているかなぁ」
本日、Threads界隈、何故かアメリカの話が多いので自分も。
自分がNYCにいた頃、売り込みの時は、一般にポートフォリオと呼ばれる自分の作品集を持ち歩いていた。
結構サイズがあって量も多く、ゼロハリバートンというアルミケースに入れて持ち運んでいた。
夕方近く、ある関係者にポートフォリオを見せて、くたくたに疲れた自分は、帰宅途中にある馴染みの日本食居酒屋に寄ることにした。
そこは、お酒も出していて、NYCにしては懐に優しいお店だった。
まだ早い時間、ほとんど客もいない店に入ろうとした。
すると、
中から威勢の良い女性の店員さんが、私のアルミケースを見て、
「君は銀行強盗やってきたんかい?」
とかなんとか、関西弁で喚いた。
自分は、親指と人差し指で拳銃を作って、彼女を撃った。
それから、カウンターに座った自分と彼女の漫才が始まり、
しばらくすると、しんみりと身の上話になった。
それから数年。
帰国後、彼女がテレビに登場していた。
歌、歌っている。上手い!
彼女の名は、綾戸智恵だった。
こういう事って「ニューヨークあるある」でそんなには珍しいことではなかった。
NYCは野心を持ったアーティストが集まっている。
それだけに皆アンテナがビンビンだ。
そこから出ている波長が至る所でシンクロして、
信じられないような出会いがあった。