「レンブラントライティング」
レンブラントライティングと呼ばれるライティングがある。
レンブラントが絵画で取り入れたような光を再現するライティングだ。
NYCの機材屋には、レンブラントライティングを構成するためのボックスライトを売っていた。
サイズは180mm×90mmくらいだったと思う。
窓の桟をイメージするフレームにデヒューザーが取り付けてあった。
話を聞くと、レンブラントライティングは当時、窓から入る光を上手くとらえたライティングだったので、ボックスの形もそれに倣ったとか言っていた。
だから円形のデヒューザーでは再現できないと言っていた。
これは自分が習作として撮ったスティルライフ。
ワインが1983年ものだから、撮影は1984〜5年。
これもレンブラントライティングを目指したもの。
今、なんで光を右から入れたのだろうと不思議な気持ちになったが、分かった。
ワインラベルの孔雀が光の方に向かっていないと不自然になるから。
左から光を入れると孔雀は光から逃げているように見える。
動物や植物は光に向かう。
ワインボトルにライトボックスの映り込みがあるが、
このライトボックスが上記のような窓の桟を組み込んだようなものだと、この映り込みは窓に見える。
NYCに集まっているフォトグラファーはプロ中のプロだ。
スティルライフだと、細かいところまで徹底的にこだわっていた。
しかし、絵心を忘れないところが素晴らしかった。
常に頭にあるのは絵画。