
「ミステリー、ホラーの系譜」

写真は1991年に自分が撮ったNYCハロウィーンの様子。
この胸にナイフが刺さったコスチュームだが、 こんなリアルなビジュアルを子どもたちが平気で嬉しそうにやっていた。
自分は、この感覚的生理的起源は、古代ユダヤ教の子羊の生贄にあると思っている。
シナゴーグの儀式で信者を前にラビが子羊の頸動脈を切って血を抜き生贄にするのだが、 その殺された子羊、儀式のあとに業者に売られて、 それが「肉屋」の起源になったとある司祭が言っていた。
現在、それと同じことを、ハラルフードやコーシャフードのお店でやっている。 血抜きのために吊るされた羊や鶏を見たことがあるが、 こんなシーンが原風景になっている人も多い。
多分、スティーブン・キングの小説や映画、デイヴィッド・リンチ作品は、 こんな生活文化の系譜の上にあると自分は思っている。リンチ作品からは、血抜きの時の生臭い匂いや、血が発する鉄の匂いがする。 自分にとっては映像ではなく嗅覚の世界だ。
デイヴィッド・リンチが亡くなった。
May his soul Rest in Peace.