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「女性専用車」


というものが地下鉄に導入されてすぐに、女性専用車時間帯が過ぎた時間だったが、気づかずに、その専用車にうっかり乗ってしまったことがある。
そのとき、ふと地下鉄のドア枠の上をみると、「女性専用車」と言う表記があった。

自分は、血の気が失せて周りを見渡した。なんか、女性トイレに知らずに紛れ込んだような気分になって、軽犯罪者になったような気持ちになった。自分はチキンな性格なのである。
それで、
すぐに、バレないように、隣の車両に移動した。
それ以来、定常時でも目を皿のようにして確認している。

自分が、マスターズ競泳をやっている頃に、スイム仲間に背が173cmくらいで結構ごつい女性がいた。競泳やっている女性は大体ごつい。
可愛い顔なのだがショートヘアで、首が太いので、角度によってはアメリカ海兵隊のようにも見える。

彼女を知らない人がパッと見たら男性に見えるだろう。

その彼女、朝の通勤時間帯に「女性専用車」に乗っていた。
すると、あちこちから視線を感じたそうだ。

そうしているうちに、隣の女性が、
「あの〜、ここは女性専用車なんですけど」

彼女は全く動揺せずに、
「あの〜、私は女性なんですけど」
と返答したそうだ。

その後はどうなったのか聞いていないが、「区別がつきにくい方」は、そのような悲喜劇が多い。

もしかすると、性同一性障害にも関連することなので、あまり話題にはしないようにしている。が、時々、仲間内で話題になると、皆笑いを堪えている。

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