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吉太郎という犬の話
吉太郎は少し変わった犬で、
小さい頃から、食事は食べたい分だけ食べて、あとは残す。
出張や旅行で長く人に預けて、久しぶりに会うと拗ねて、暫く無視される。
もし、私が吉太郎より先に死んでしまったら、彼は私がいない意味を理解できないまま、ずっと怒っているのかな。
吉太郎と一緒に過ごした12年。
飲み屋のハシゴ、SUP、山登り、野外フェス、海の近くでの生活、都会での生活。
お互いに老いて、病んで、不自由なことも増えていったけれど、
私たちはずっと家族だから。
吉太郎が私の帰りを待ちくたびれてしまわないように、怒りで溢れないように、
どうか今は私を殺さないで。