私が看護師になった理由
高校に入ってすぐに進路を決めた。
本当は、英語を勉強したくて英文科へ進みたかった。
でも、母から
「英語を勉強して将来何になるの?」
と。
当時の私は英語の職業といえば、翻訳家か教師しか思い浮かばなかった。
あまりピンとこず、女性が自立できる職業を、
と考えた結果、
看護師に行き着いた。
高校1年から進路を決め、あとはその道へまっしぐら。
国立医大の推薦枠を目指して頑張る日々。
高3になり、推薦試験当日。
帰宅すると母が神妙な面持ちで打ち明けた。
「お父さん、年越せないかも。」
忘れもしない雪の降る11月。
原因不明の体調不良で入退院を繰り返し、夏頃にようやく病気がわかった。
症例がほとんどない難病だった。
お母さんは私の推薦試験に支障が出ないように、と試験が終わるまで言わないでいてくれた。
そこから入退院を繰り返し、母の付き添いが始まる。
姉はもう家を出ていたので、家には私一人。
学校があるのでお弁当を自分で作って持っていった。
正直なところ、家に一人の状況で勉強やら塾やらをこなしていて、詳細な部分はあまり記憶に残っていない。
お父さんの病気を通して、命に向き合う看護師の仕事を目の当たりにする。
私の選択は間違っていなかった。
人の命に向き合い、人の人生に関われる仕事
看護師がしたい
とそのとき改めて思った。
父は大学1年の夏に息を引き取った。
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