例の件について。について。
人生は何が起こるか分からないものだ←それはそうだがこれに関しては予想できただろ推測能力バグってんのか。
無料部分まとめ
・こうちゃん氏ごめんね
・でも本人に鳩した奴が悪くね?
・金儲けのために有料にしてるんじゃなくて民度の低いガキに見つかりたくないだけだよ~正当で順当な判断だもん!
・本人に教えた奴マジでノリ悪いわ~
・ぼくちんはちゃんと鳩行為やめろって言ってたんだけどな~ダメだったか~最大限努力したんだけどな~
・こうちゃん氏マジごめん、でもキレてるファンどもには謝らねえ
・落合陽一っていう頭おかしい奴に絡まれたよ!
・↑について面白おかしく書くからみんなこいつを叩いて留飲を下げてくれ!
・自分が少しでも世間に許されるために、こうちゃん氏には直接謝りたいよ
・謝る意思はあるよ、理解してねファンども
・これからは人の悪口でもっと金巻き上げるか
・べ、別に金目当てなんじゃなくて、民度の低いキッズを排除するためなんだからね!
・人の悪口に金払う賢明な(!)大人だけ見てね!
・趣味が悪いのは認める、だけどぼくちんは悪いことはしていない(この部分は、私が「この人は結局そう思っていそうだな」と感じただけで、実際にそのような内容が書いてあったわけではないが)のでこれからも何らかの形で悪口は続けていきたい所存
うーん……😓
堀元氏に被害者の側面がある、というのは、実際その通りだと思う。影で言っていることを本人に伝えた奴が一番悪い、という意見は概ね同意だ。
でも「ボクは最大限本人の目につかないよう努力したんだけどな~チラッチラッ」という書き方は、どうなのだろう。初手で謝罪したのだからいいだろ、こっから言い訳パート(長い)なってこと?
いや、実際には言い訳の前だけでなく、後にも「こうちゃん氏マジすまん」的なサムシングが置かれているから、謝罪バンズの言い訳サンドということになる。これならいいと思ったんだろうか。オセロじゃねえんだぞ。
自身のコンテンツに対して彼は「仄暗い娯楽」と表現していたが、これもただの陰口を格好つけて言いすぎているように思う。ただの逃亡を「戦略的撤退」と表現するようなむず痒さを感じる。
まあこれに関しては私は堀元氏の有料記事を読んだことがないので、実際に読んでみたら「ペロッ……。こ、これは、仄暗い娯楽!!」となる可能性も十分にある。金も出していない分際で人様のたとえに寒いだの中二臭いだの言っている私の方がおかしいのだが。
こうちゃん氏には謝るけど周りでギャーギャー言ってる第三者には謝らねーぞ、という姿勢もモヤる。確かに「元記事読んでないけどどうせ的外れなこと言ってるだろ! バーカバーカ」みたいな奴にまで謝る必要はないと思うし、読んでないくせにとやかく言うなという意見はまあ理解できるが、でも、「元記事読んでないし読みたくもないけど、好きな人が悪口言われてるのやだな……」と考える人たちも、間違いなく被害者の一人ではないのか。
有料記事にして「当事者に迷惑はかけない」とするとき、その「当事者」にはそういった人たちも含まれるべきではないか。少なくとも彼ら彼女らの苦しみを「元記事読まずギャースカ言ってるだけ」と切り捨てるのは、あまりに横暴ではないか。
あとはまあ、「できれば表に出る形で謝罪したい!」という意見についてだが、こうちゃん氏のいちファンとしては「やめてくれ~」と思う。こうちゃん氏本人が望んでいないように思うからだ。
『書かれた方への攻撃等は私は本当に望まない』とポストするような人だ。たまに「攻撃を仕向けるような真似をしておいて、白々しい」のような的外れも甚だしい意見を目にするが、こうちゃん氏も表立って言及するのは本意ではなく、ただ、配信に鳩が湧いた以上言及せざるを得なかった、というだけの話である。
有料記事の中身について「自分の悪口がかかれている」と内容を明かすような真似をしたのも、中途半端に情報を出すことで視聴者が不安になったり、話に置いていかれるのを防ぐため、という側面が強い。「アレがアレの件についてですけど、僕は大丈夫です。ご心配なく」みたいな書き方だと「どれがどれなの⁉」「ご心配なくって、心配されるようなことがあったの⁉」と混乱してしまう視聴者が出ることは避けられない。そうなるくらいなら……という苦肉の策だ。
もちろんだからと言って有料記事の中身をオープンな場で明かしてしまう行為は褒められたことではないし、結果として堀元氏は叩かれてしまった。こうちゃん氏にも堀元氏に対して加害者の側面があるという言い方もできるかもしれない。それでも、少なくともこうちゃん氏を好いている視聴者に対しては、これ以上なく誠実な対応であると私は思う。
……と、信者らしくこうちゃん氏の誠実さをアピールしたところで翻って、堀元氏はどうだろうか。このどうだろうか、というのはつまり、「お前誰に対してなら誠実なの?」という意味での「どうだろうか」である。
まず有料記事の中でこき下ろした(彼の語彙では「イジった」)人物たちに対してはどうか。少なくとも、彼は私のようなにわかファンでも感じ取れる「こうちゃんは表立った謝罪なんて望まないだろうな」を嗅ぎ取れず(あるいは、嗅ぎ取った上で無視して)「直接謝りたい!」と自分の主張のみを強調する記事を公開しているわけだ。フワかてめーは。他の被害者たちについて私は語れないが、少なくともこうちゃん氏に対して真っ直ぐ誠実に向き合い、愛あるイジりをしているとは私には思えない。
じゃあお金を払って彼の悪口コンテンツを閲覧し、その内容を口外しない民度の高い()読者の皆さんに対してはどうだろうか。これも、私目線では誠実に向き合っているようには見えない。
そもそも、「誰の悪口を書いてるかは無料部分でもわかんないようにしてるけど読みたきゃ金出してね! 悪口の相手が君の知らない人だったりしても返金は受け付けないよ!」というやり方自体、不誠実の極みだ。いや、無料部分で誰の悪口か分かったらそもそも有料にする意味ないだろ、と言われればそうなのだが、この部分に関しては掘り下げれば掘り下げるほど「人の悪口を有料公開するやり方がそもそも間違いなのでは……」という根本的な話にならざるを得ない。
さらに今回の記事で「値段釣り上げるか~。もちろん賢明なみんなはついてきてくれるよね!」ときたもんだ。まあ嫌なら買わなきゃいい、買えないようなキッズはこの悪口コンテンツの素晴らしい民度()についてこられないというだけの話なのだが。でもここまで愛読してきた、そしてこれからついてくるかもしれない人たちに対する言葉は一切なく「民度守るためだから仕方ないよね!」という態度は、お世辞にも誠実とは言えない。ひとことくらい、「今回の件に関係ない賢明な読者諸君にはとばっちりで財布への負担を強いるような形になるが」みたいに言及してもよさそうに思う。彼ほど頭が回り、文章力のある人間がそれに思い至らなかったのだから、根本的に金を出している人間に対する感謝がないのだ。
うーん。やっぱお前、誰に対してなら誠実なの?
……とはいえ、世は大多様性時代。誠実さのない人間だって生きていていいのだ。悪口コンテンツで金を稼いで何かあったら読者の責任にしていいのだ。
いや、鍵垢でやれよ。
それが、いろいろと落ち着いた今になって、私が思うことだ。有料記事というのは、「お金を払った人にしか見えない場所」というよりは「お金さえ払えば誰でも閲覧できる場所」である、ということが、今回の件を経て彼には分かったはずである。にも関わらず、彼が取るという今後の対応策が「値段上げま~すw」では、あまりにもお粗末だ。自分が過去から何も学ぶことのできない猿だと自ら喧伝するようなものだ。
キッズはそんな大金払えない、などと考えているのであればあまりに浅慮だ。子供が親のクレジットカードで勝手に……なんて話、聞いたことがないわけがないだろう。それともそうなれば「犯罪同然の方法で有料記事を購入したキッズが~こんなはずでは~」と被害者ムーブができるからいいのだろうか。
この件に対して本当に誠実に対応するのなら、悪口からはすっぱりさっぱり足を洗うか、Xの鍵垢などで発信すべきだろう。まさか彼ほど賢い人がうっかり本垢で「死んでくださ~い」なんて誤爆することもあるまい。
ファン歴が長いとか普段のポストが信頼できるとか、とにかく彼の基準で、彼の思う「民度の高い」アカウントからのみフォローを受け付けて、何かあったらフォローを通した自分が責任を取る。ここまでやってようやく「キッズが湧かないよう、悪口の対象に迷惑をかけないよう、最大限努力しました」と言えるのではないか。
え? そこまでするのはめんどくさい? そもそも金が稼げないじゃないか、って? ……もうお前口縫っとけ。
最後に。この「例の件について。」という記事、一読の価値はあったと思う。というのも、とにかく書き方がうまいのだ。ちゃんと謝るところは謝る、引くところは引く。そのうえで自分の欲望まみれの展望をしれっと埋め込む。さらに、落合陽一氏という誰がどう見ても様子のおかしいピエロを配置しそれについて面白おかしく書くことで、読み手の留飲を下げる。普通に読み物として面白く仕上がっている。
本当に申し訳ないと思っていたら、落合陽一氏の話なんて本件に直接関係ないわけだし、言及したければ別記事のそれこそ有料部分でこき下ろすこともできたわけだ。でも彼はそれをせず、こうちゃん氏への謝罪、今後の対応についての説明と抱き合わせで提供することを選んだ。これはすごいことだ。
少しでも自分への怒りを分散させようとするその魂胆、もはや面の皮が厚いなどという言葉では言い尽くせない。私ならそんな方法思いつかないと思うし、思いついても多分やらない。
魑魅魍魎蔓延るインターネット。愚鈍も虚言も不誠実も多様性の名の下に、許されるともなく存在し続けている。