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城下町を歩いてみる(水戸城その3-最終回)

こんにちは。ヒデりんです。
晴天に恵まれた水戸城下町巡り、今回が最終回となります。
今回は水戸と言ったらここ、梅園で有名な庭園「偕楽園(かいらくえん)」を巡ります。
(前回の水戸城下町巡りは下記参照)

昔の古地図で城下町を確認


この図は江戸時代幕末の水戸城下の地図です。
水戸の城下町は那珂川と言う大河と、千波湖という大きな湖の間に東西に延びた台地上に作られた町です。
東から城郭(本丸、二の丸)、弘道館のある三の丸、西には、武家屋敷や商家が立ち並んだ城下町という構造になります。
今回巡る偕楽園は城下町の西側、千波湖畔と接する梅園で有名な庭園です。
庭園を造ったのは、水戸城下巡り―その2でご紹介した徳川斉昭公です。

水戸城下武士小路図(模写)より

こちらは現在の水戸城下町の地図。(見づらくてごめんなさい。。。)

町中の案内版より

ちなみに上の写真のうち、水色で着色されている部分は往時の千波湖だったそうです。今はかなり埋め立てられています。

今回千波湖を周って向かうコースにしてみました。


市内から千波湖(せんばこ)畔へ


今回初めて水戸に来たのですが、私は映像で広大に広がる偕楽園を見ていたため、水戸は平地にある町だと思っていたんですね。
ところがこの写真見てください。

城下中心街から千波湖へ

結構な坂ですよね。そう、水戸は川と湖の間にせり出た岬のような台地で、
湖の方に行くには崖に近い坂を下りていくんですよね。
往時の住民は水の確保にこの坂を上り下りしたのでしょうか。

藤田東湖は水戸藩の藩士かつ学者で、徳川斉昭の熱い信頼を得て藩政改革を進めたそうです。
彼の思想は水戸藩士だけでなく薩摩の西郷隆盛にも影響を与えるほど優秀な方でしたが、残念ながら幕末の安政の大地震で亡くなったとのこと。
それにしてもこんな崖地近くに住んでいたのは意外でした。
そして坂を下りて一面に見える千波湖の景色。

写真ではわかりずらいのですが、風が強く、波しぶきがすごかったです。
大きな湖ですが、江戸時代は今の約5倍の広さがあったそうです。
反対側に水戸駅があるのですが、往時は駅前近くまで湖だったとのこと。
徳川斉昭公は水戸城から舟で偕楽園に通ったそうです。
風光明媚な感じですが、あまりの風の強さにゆっくり景色を楽しむ余裕がなかったのが残念でした。。。


千波湖から偕楽園へ


現在は千波湖と偕楽園の間に、道路と鉄道(常磐線)が走っているため、
湖畔から庭園にはすぐにはいけません。
幸いなことに庭園までの歩道橋がありますので、ご心配なく。

常磐線と国道
小高い山一帯が偕楽園です

台地を下って、また台地を上がる。偕楽園はもう少しです。


広大な庭園

私は園の東口から入場しました。
いきなり見えるこの雄大な風景。圧巻です。

広大な庭園
庭園内から千波湖を望む
庭園から階下を見る
爽やかな空と遠くに見える梅園
庭園から好文亭を見る

斉昭公も愛した好文亭

好文亭(こうぶんてい)とは、徳川斉昭公が偕楽園内に建てた風流を楽しむ御殿です。
梅が好きだった斉昭公が梅の異名「好文木」から御殿を名付けました。

好文亭入口


好文亭奥御殿
好文亭の室内案内図


平屋の奥御殿と3階建て館で構成


奥御殿各部屋の襖絵
奥御殿梅の間

奥御殿には10の部屋があり、各部屋装飾のある障子で彩られていました。
ここはお薦め!

1階大広間からの眺め


3階から庭園を眺める

3階からの眺めは最高でした!
現代の喧騒の中で、悠久の時を感じられる場所でした。
3階は「楽寿楼(らくじゅろう)」と呼ばれています。

3階楽寿楼からの眺め


3階楽寿楼床の間
3階楽寿楼内部
好文亭の屋根 杮葺き(こけらぶき)です。


3階に食事やお酒を運ぶための昇降機(エレベーター)

これはびっくり!エレベーター(手動ですが。。。)があるとは。
でもこれには訳があります。下の写真見てください。

3階に上がる階段

階段がこんなに急なんです。これじゃ配膳の上げ下げ大変ですよね。
というか、家臣としては、「3階でもの食うな!」といいたかったのでは。


好文亭からさらに進んで


好文亭を出て庭園奥に進みました。

杉林の中を進む。花粉症なので春でなくてよかった。
山麓へ下ると
泉を発見

こちら「吐玉泉(とぎょくせん)」と呼ばれる湧き水
「夏なお冷たく、玉のような澄んだ水をたゆまなく吐く」ことから名付けられました。一度も水か枯れたことがないそうです。

澄んだ水が常時噴き出している

大理石で作られた井筒(水をためる部分)が澄んだ水をより際立たせていました。

吐玉泉近くの巨木(太郎杉)

樹齢800年の巨木だそうです。この地でいろいろな人々を見てきたのですね。

山麓から崖地を再び登っていくと右側に竹林が

孟宋竹林
天に向かって大きく伸びる竹林
竹林の隙間から差す日の光

見事な竹林でした。天気が良かったので竹の隙間から日差しが射し込み、風が吹くと日の光がゆらゆらと揺れる光景が幻想的でもありました。


いよいよ梅園へ

竹林を抜けると、広大な庭園の2/3を占める、梅園です。
梅は咲いているか?

残念ながら、今年は気温が低く、開花が遅れているとのことでした。

残念!!!


つぼみがでている木も何本かはあるのですがね。。。。
私の日頃の行いが悪かったと諦めて、しばし開花前の梅園を散策しました。


これらの梅が開花したら、さぞかし素晴らしい光景でしょうね。
ちなみに開花時の様子はこちら。

開花時期の梅園の風景(観光いばらきホームページより)

偕楽園 | 観光いばらき公式ホームページ

ちなみに、偕楽園は約300ヘクタールで、東京ドーム64個分の広さ。
都市公園としては、ニューヨークのセントラルパークに次ぐ2番目の広さだそうです。普段矮小な家に住む私としては、想像できない程の広さです。

偕楽園本園|日本三名園 偕楽園


水戸東照宮へ


偕楽園をでて、水戸東照宮に向かいました。
水戸駅の近くで立ち寄りやすかったです。
こちらも水戸台地の崖地付近にあるため、入り口から境内までの段差がすごい!
一日中歩き回ったヒデりんの体は限界値まで来ておりましたが、最後の力を振り絞って石段を登りました。

これでもか!といわんばかりの石段の高さ
タモリさんが喜ぶような高低差

そして、東照宮本殿へ。

東照宮本殿

本家日光に負けない位派手な装飾でした。
柄ではないですが、世界平和を願ってお参りしてきました。
個人的には東照宮本殿よりも、門前にあるディープな吞み屋街が昭和臭さを出しており、印象的でした。
時間が早かったのでほとんどの店が開いていなかったのですが、今度水戸にくる機会があれば、ここの吞み屋に入ってみたいです。

門前町(ほとんど吞み屋)

ちなみに、門前町を抜けると大通りから東照宮に入れる参道がありました。
この先の「宮下銀座」(先ほど紹介した門前町)の看板右にある石段のほうが段数が少ないので、訪問するならこちらの参道から登られるのをお勧めします。

東照宮参道(大通り方面から)

お土産

帰りのお土産は、
1)梅干し
2)梅ケーキ
3)日本酒
を購入しました。

1)梅干し
  意外とさっぱりした味わいでした。
  個人的にはもう少し酸っぱさがほしかったですが、
  食べやすかったです。   

水戸と言ったら「梅」

2)梅ケーキ
  これは美味でした!水戸の老舗お菓子店「亀印製菓」で販売
  スポンジケーキの中に梅ジャムが入った洋菓子ですが、
  スポンジケーキの甘さと梅ジャムのほのかな酸っぱさがちょうど
  いい感じでさっぱりした味わいでした。
  水戸に言ったら是非買ってみて下さい。

梅ケーキ

3)地酒「一品」(純米酒)
  地元水戸の酒蔵「吉久保酒造」にて製造、販売
  冷酒で飲むと美味しいかも。


最後に


水戸駅に到着しました。
朝9時から歩き続けて、約6時間(昼ご飯時を除く)。
急ぎ足ですが、何とかメインの場所を巡ることはできました。
土地の起伏が激しく、初めて来られる方には徒歩での散策はきついと感じられると思います。
ただ市内にはバスが頻繁に走っており、1日フリーパスを使ってうまくバスに乗りながら散策されるのもいいかと思います。
これから二の丸御殿の復元も予定されており、
益々魅力が増す水戸の城下町。
ご興味を持たれた方は是非訪れてみてください!

街中に建つ、水戸黄門様


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