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「二人一組になってください」読了

あなたには、本当の友達はいますか?

卒業式の日に突然行われたデスゲーム。
裏切り、嫉妬が飛び交う教室。

自分が生き残ると信じて疑わない一軍。
虚実の友情が混ざり合う二軍。
発言権のない三軍。

あなたは誰と手を繋ぐ?

「二人一組になってください」
木爾 チレン(きな ちれん)
出版社:双葉社

1.ルール

【ルール】
・二人一組になってください。

・誰とも組むことができなかった者は、失格になります。その回の失格者が確定したら、次の回へと続きます。

・一度組んだ相手と、再び組むことはできません。

・残り人数が偶数になった場合、一人が待機となります。

・特定の生徒が余った場合は、特定の生徒以外全員が失格になります。

・最後まで残った二人、及び一人の者が、卒業式に出席できます。

・授業時間は60分です。

「二人一組になってください」 


2.ネタバレあり感想

読み終わった個人的な感想です。あくまで個人的意見なので、読んだ後の受け取りは人それぞれです。

•おすすめ度:★★★☆☆

良くもなく悪くもなく、というのが正直な感想。
淡々とストーリーが進められていくのでテンポ感はいい。

しかし肝心の「そこをもっと追求してほしい!」というのがなかった。
例えば卒業生の胸につけられた黄色の薔薇のコサージュに仕掛けがあり、それを自他ともに外す、もしくは誰とも組めなかった者は失格になり、カウントダウンかのように花弁が落ちていく。
そして残った花弁が落ちた瞬間、コサージュの仕掛けによって死亡する。

このコサージュには様々な仕掛けがあり、爆破によって脂肪、劇薬が仕込まれていて心臓が溶かされ死亡、焼死、あるいは眠ったように死亡など
「それどうやってんの?」
とツッコミ要素が満載だった。

死亡原因は様々であり、仕掛けられたコサージュによっては悲惨な死を遂げた生徒もいるので予め決まって作られたものなのか、あるいは死を操作していたのか。
いずれにせよそんな死の凶器を作れたのがすごい。真犯人が他にいるんじゃないかと思ってしまう。

•登場人物が多い

クラスなので登場人物が多いのは分かるけど、名前を覚えるのが難しい人にとっては混乱する。
私です←

私は本当に人の名前を覚えるのが苦手で、職場の人の名前も忘れるほど人の名前に興味がない。
そんな感じなので一軍女子とメインの子達しか印象になかった。


•そんなに有名人とかボカロ曲出す?

結構な頻度で出てました。
•ヒカキン
•西野カナ
•カンザキイオリ「命に嫌われている」
•ピノキオピー
など。

こういうのって許可もらってるんでしょうか?
「こういう小説出すので名前使わせてください」みたいなの。興味あります。

私は著者の本を初めて読んだので前作「みんな蛍を殺したかった」は読んでないんですが、これもこんな感じなんでしょうか?

何にせよ有名人ばっかり出してくると白けました。「また出てきたよ...」と興醒め。
架空のボカロPだったり有名人だったらまだ良かったかも。


•もっと人間関係がドロドロでも良かったかも

女子高校生+女子校という設定なので青春時代ならではの嫉妬だったりがあるとは思うけど、もっと醜く争っても面白いと思った。

例えば、容姿が完璧で三軍女子にも優しく声をかけるメインキャラの一人「朝倉花恋」。
カーストでは一軍を抜いてぶっちぎりの一位。

一軍女子の花恋に対する容姿の嫉妬であったり、何とか抜きん出ようと画策したりする場面。
二軍女子が何とか花恋とお近づきになって、「自分も一軍女子に!」とか、そういうの一切なかった。
拍子抜けするくらい全くなかった。

マウントの取り合いとかもほんの少ししかなかったので、社会人ではないとはいえこんなもんかと思った。

•結局真相は闇の中?

紆余曲折あるものの、すんごいあっさりデスゲームが終わってこれも拍子抜け。

結局「いじめをなくそうキャンペーン」に選ばれたのは真犯人が勝手にやったことなのか、何か別の組織や政府が絡んでいるんじゃないかとか、じゃあコサージュの仕掛けはどういう仕組みだったの?とか色々ツッコミどころが満載でした。

そこが一番きになるのに!と思ったんですが、フィクションなので考察はお好きに〜といったところでしょうか。
それにしても投げやりすぎでは?

真犯人の供述としては
「いじめをなくしたかった」
と言っていたので、この作品のテーマである「いじめ」に沿った作品だと思う。

思う...けど...うーん?という感想。
なんか中途半端じゃね?
って思いました。

3.まとめ

女子高生の青春時代の嫉妬や裏切りのデスゲームを見たい人にはおすすめです。


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