仮面ライダークウガ
私がいつまでも惰性でヒーロー物を視聴を続けている原因。この作品を観なければ、多分ニチアサなんて興味無かった。
私には悪い癖があり、昔自分で良いなと思ったことをいつまでも美化してしまう。大して記憶に残っていないにも関わらず素晴らしい物だと断定して評価してしまう癖がある。
という事でせっかくサブスクとか言うオタクにとって素晴らしすぎる物も世に出ていることだし、あんまり記憶に残っていないしで、改めて視聴してみることにしました。
平成仮面ライダー作品として第1号ライダーになるこの作品ですがもう20年以上前の作品になるのかな?(年齢の経過を感じて辛い・・・)
全体を通して、私の知っているヒーロー。悪の組織が悪さをして、人知れずヒーローが怪人を華麗に倒して終了。めでたしめでたし!の先入観がありました。
1 怪人(未確認生命体)の不気味さが異常。
相手側の怪人は過去封印された、戦闘民族。民族単位での復活のためまず言葉が通じない。民族特有の現代とは異なる装飾。価値観。だけなら倒すべき対象としての不気味さはそこまででは無かったかも知れませんが、話数が進むにつれてこの未確認生命体は現代の人類を学んでいき、片言で日本語を使い始め、文化や文明に興味を持っていきます。
この部分で一番怖かったのは文化や言語を学び徐々に現代社会に怪人が溶け込みつつ、人間を狩る対象と観る価値観は最後まで更新されない。
現代社会の人間から観て相容れない価値観を持った怪人がどんどん姿も言語も社会に馴染んでいく過程を見せつけられるというのは非常に恐ろしい物がありました。
2 怪人が社会に与える影響の描写が妙にリアル
私自身、社会のあり方や法律に詳しいわけではないので、そう感じたと言うだけなのですが、殺人を繰り返す怪人が現れてから、日本の対応というのが非常にリアルに感じました。
まず警察が対応。しっかりとした情報が手に入らないうちは組織内での情報秘匿。その後の世間への周知や法改正の段取り。
現代の常識が通じない、怪人に対して行われるであろう対応がとても細かく描かれていたように感じました。
警察が仮面ライダーと共同で戦うまでの流れが素晴らしい。まず警察側から観たら仮面ライダーもある日突然現れた強力な怪人。どうやら味方かも知れない?から共同で戦うまでに警察の武装強化。組織内での対応、認識の共有。そもそも味方と断定して考えて良いのか分からないから放置。の時間感覚がとても現実的に感じました。
次に民間の感覚。殺人を繰り返す怪人の情報が新聞に掲載され、世間的に危険だと認知されているが人間社会に変化が見られません。普通に生活を営みながら世間話の感覚で怪人怖いねーと話をする。毎週怪人の悪行を観ている視聴者と違い、目の前に現れるまでは他人事、遠くの災害のような扱いをされている怪人への慣れがなんかそれっぽいなぁと感じました。
3演技が全員上手い、違和感が無い。
細かく言う必要ないですね。近年だと特撮番組は俳優さんの登竜門。1年を通して演技も上手になっていくというのが分かっているので、あまり演技に関しては注視せずに、最終的に上手になっていく俳優さんを楽しむという謎の上から目線の楽しみ方をしているのですが、この作品に関しては、全話を通して台詞やキャラ付けを演じさせられているなぁと感じるようなシーンはほぼありませんでした。というか未確認約の人たち、約1~2話で退場するには惜しいくらい人間状態の人の不気味さの演技がはまっていました!
4 作品を通して暴力を振るうことを否定している(気がする)
ここが一番、先入観を壊されたのですが、ヒーローは相手を倒して正義のために戦うのが仕事!という考えが私にはありました。勿論、これまでのヒーローにも暴力を振るう、自身が孤独である事に対する不安等、戦い以外の部分も当然表現されてきていたと思いますが、この作品は怪人を暴力で撃退する仮面ライダー側が終始、暴力による解決を否定していました。
視聴中、主人公の協力者が、主人公自身が暴力を振るうのも、振るわれるのも辛いし嫌なことだよね。本当はやりたくないよね。定期的にそういった考えを吐露する話があります。
視聴しながら性格の悪い私としては
「そうはいっても、仮面ライダーは悪を毎週、暴力で倒して解決してるわけで、、、、、きれい事だよな、、、」
なんて思っていました。まぁヒーロー物はそもそも教育的な側面もあるしな。お子様に暴力を肯定的に取らせないためにはこういった話も必要だよな。いくら嘘くさく感じてもそこは、こちとら大人です。子供のために作られた作品に大人げない感想をぶつけるべきじゃ無いと思っていまいた。
最終戦。とうとう敵の首魁と仮面ライダーの一騎打ち。壮絶な戦いで主人公も相手も変身が解け、それでも決着が付かなかった為人間体同士でラスボスと殴り合いを行います。
その際、仮面ライダーが本当に辛そう息づかい、泣きそうな顔で相手を殴っていました。
作中に所々で語られた、殴るのも、殴られるのも辛いというお話が全てここで意味を持った気がしました。
もしかして仮面ライダーのマスクで顔を見ることが出来なかっただけでずっとマスクの中で辛そうな顔して戦っていたのかな?と。
最終戦に派手な演出はありませんでした。BGMもありませんでした。決して派手さも無く、なんなら人間同士の殴り合いでした。それでも、年号跨いで続いている作品の中で一番ヒーローやっている作品だと感じる最高の最終話だったと思います。
好きだけでひとまず第一号。テレビ観ながら模写。手が描けない!頭身がおかしい。後致命的なのが円を書くのが難しい!
ネットを見てるととりあえず描ききれ!上手くなるには何枚も描き切るしかない!みたいなのが多かったので、ひとまずこれからも視聴して気に入ったキャラの模写を続けて一年後に比較できるようにしてみます。
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