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預金金利を調べてみました

先日、日本のGDPが1990年頃からほとんど成長していない話を書きました(前回ブログ)が、一方でそのころからずっと低金利政策が続いている。私が銀行に入行した1988年ごろの定期預金金利は4%程度あり、大口定期だと5.5%というレベルでした。当時はバブルの真っ最中で、お客さんの中にはゴルフ場開発のために所有していた山を売却するということがあって、5億円の大口定期預金をやってもらったことがありました。(私の新入行員時代の唯一の成果でした(笑))ましかし、5億円だと、利息だけで税金を引いても毎年2千2百万円が手に入るという話で、ホント羨ましかったです。

ところが、これが現代だと定期預金金利はたったの0.02%しかなく、5億円を預けたとしても年間利息は税引き後8万円にしかならない。ずいぶんな違いである。

なぜ、こんなめちゃくちゃな低金利が続いているのでしょうか?

ということで、ちょっと金利がどうなっているのかを調べてみました。が、時系列で一覧になっている定期預金金利データはなく、途中までしかない日銀の資料やゆうちょ銀行の資料などをつなぎ合わせて、手で作った資料が下記の図です。つなぎ合わせるのが大変でしたが、ほぼ正しいと思われます。

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なんということでしょう!ここ20年の金利は低すぎて一番下の横軸にかさなってしまうではないですか!!

ご覧のようにバブル期の1988年から金利が上昇したものの、1990年の6.08%をピークに急降下し。1994年には1.35%まで低下。そして1996年にはとうとう1%を切ってしまい、その後一度も1%を超えることなく、現在は0.02%となっており、預金金利としての価値は全くなくなっている状況である。「失われた20年」という言い方をするけれど、この1994年ごろからの低金利時代と合致するのではないかと思います。働いて貯金しても特に金利は増えず、給料も増えず、一体どうなってるんだろうとほとんどの人が感じた平成の時代でした。

これは日銀が銀行に貸し出す金利(1996年までは公定歩合、現在は基準割引率および基準貸付利率)を低下させていることに連動している。経済学的には金利を低下させることで、企業はお金を借りやすくなり、資金を設備投資に回すことができるという想定でGDPの増加を狙っている。下記の図のように、低金利で資金需要(生産財の需要→結果としての総需要)を増やすことにより、GDPを増加させることができると考えているのである。

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しかしながら、実際には企業としてはバブル以降は新たに投資するものがあまりなくなってしまっている現状がある。既存製品の改善はするけれども、新しい機械を買ってなにかを作ろうとする動きまではおきていない。新製品投入による売上増加ではなく、コスト削減で利益を出そうとする企業が増えているため、ますます経済は収縮してしまう。

そうすると、コストカットが至上命題の企業側としては従業員の給与も下げざるを得なくなる。一方の給与をもらっている消費者側としては、将来の所得が増える可能性が低くなるため資金は貯蓄に向かい、消費需要も増加しないという状況になってしまっており、日本の現状は企業の設備投資も個人消費も両方増えないというジレンマに陥っているのである。

「景気が冷え込んでいるときに、金利を下げて、投資や消費を増加させる」という古典的な手法はもう日本では通用しなくなっているので、発想を変えていく必要がある。それが前回のブログでも述べたようなやり方で、インフレターゲットを年率5%以上に定めて、まず企業は従業員給与の上昇を図るという方法である。

景気は気持ちの問題が非常に大きい。高度経済成長時代のように未来の日本がキラキラと輝いていて、誰もが大きな期待をしている時代には、お金を借りてでもテレビや車やエアコンなどを買い揃えていたが、現代はそういう夢のある気持ちにならないのが一番の問題だと思う。

その原因の一つは終身雇用制度が崩壊してしまっていることと、人生百年時代なのにいまだに60歳定年制があるということが大きい。特に役職定年などという従業員のやる気を削いでしまう制度があるのも問題である。昭和の時代には55歳位で一財産が持てたし、余裕があったが、今はGDPが全く増加していないため、利息相当分の財産の底上げがないのが問題である。

さらに悪いことに最近は日本や日本人を貶すマスコミが多く、どんどん暗い世相になってきている。もっと明るい未来をみんなで共有し、夢を語る人が多くなるように世相を変えていかねば、消費も増えなければ、新しいことをやっていこうという機運も生まれない。

そういう意味では東京オリンピックで若い人たちの活躍を見たりするのはとても良いことだと思う。未だに観客を入れるのか入れないのかなどで揉めているけれど、しっかりと開催して、日本をアピールできたらなあと思います。(ただ、あのメダル授与の衣装だけはいただけないので、着物に変えてほしいと思います(笑))


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