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【ぼーっとアート】junaida展「IMAGINARIUM」メインビジュアル
どうも。いかたこです。
ぼーっと眺めるから、見えることがある。
ぼーっとアートは、私の好きなアート作品をぼーっと眺めて、感想や考察をひたすら書くというシリーズです。
※この記事に書かれている内容は個人的な感想であり、美術や歴史的な根拠は一切ありません!
今回の作品は、junaida展「IMAGINARIUM」のメインビジュアルです。
写真は、展覧会「IMAGINARIUM」で撮影したものです。
接写はダメだったので、少し遠めから撮影しています。
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めっちゃかわいい~
絵本の柔らかいタッチで、細かく描き込まれた人物や建物。
幻想的で不思議な世界でありながら、どこか懐かしくて、心がほっこりします。まるで、子どもの頃、夢に見たような、思い描いたような世界です!
……いやいやいや。こんなに素敵な夢を見たことがあったかな? 子どもの頃にこんなに幻想的な世界を想像できていたかな? うーん、ないな、うん。それなら、この懐かしさは一体どこから???
空想だから、ファンタジーだからといって、現実世界と切り離すことができない。そのような共感が、この絵には広がっている気がしました。
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やっぱり見れば見るほど、不思議な絵です。帽子の上に人や動物がいて、建物がある。形や大きさも様々。
帽子の上の人たちは、いろいろなことをしています。本を読んだり、ギターを弾いたり、風船や綿毛で空を飛んだり。それぞれが自分のやりたいことを楽しんでいる感じ。この人たちはもしかしたら、自分が帽子の上にいることを知らないのかもしれない。誰も大きな帽子を被っている子を気にしている様子はありません。
あっ、そっか。この絵の主人公は、「帽子の子」ではないのかも。
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もちろん、この絵の構図的な中心は、帽子の子だと思います。絵の真ん中にいるし、一番大きいし。でも、この絵に描かれている人々は誰も、帽子の子を中心に動いていない。みんな自分を中心に生きている。
誰もが主人公ではなく、誰もが主人公である。そんな感じ。
物語には主人公が付きもので、世界は主人公を中心に回っていく。それは物語として当たり前のことで、私もそんな物語にたくさん救われてきた。
でも、現実はいつも誰か一人が中心にいるわけじゃない。
「みんな自分の人生の主人公だ」なんて言われたりする。誰の言葉かは分からないけれど。先生ってこういう言葉好きだよね。
ということは、この社会には無数の主人公がいる。ONE PIECEとナルトとBLEACHと銀魂が、同じ世界線にいるのが私たちの世界。ちょっとムリがあるかな。でも、BLEACHと呪術廻戦なら同じ世界線にいそう。
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この絵から感じるリアルさは、描かれているものが結び付き過ぎていないことにあると思います。絵の中に主人公がいて、全てのものがそれと繋がるように描かれている、そのような絵ではないと思います。
1つ物語を描いているというよりも、いくつもの物語の集まりを描いているように、私には見えます。たくさんの物語が、互いに近すぎず遠すぎず、程良い距離を保っている。
それは、現実の世界と重なること。だから、こんなにも幻想的な絵でありながら、自分自身と切り離すことができないのかなと思います。
さて、今回のぼーっとアートはここまでです。
最後まで私の妄想にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、次回(約1か月後)もまたお楽しみに!