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【京都芸術大学】 美学概論レポート(評価S)全文公開

はじめに

美学概論のレポート全文を公開します。
このままコピペして提出すると不可になるかもしれません。
課題内容は当時のものであり、現在の課題内容とは異なる場合があります。
ご自身でのレポート作成に、参考としてご活用ください。
 マガジンではレポート14本をまとめ販売(1000円)しています。



課題

【設問1】
「基礎的概念の整理」と題して、テキスト欄・参考URL欄に記載している補助教材を参考にしながら、次の8つの概念の要旨を、それぞれ個別にまとめてください(字数はすべて合わせて1600字程度)。
1) 美のイデア
2) 詩学
3) 人体の比例
4) 自然美
5) 感性的認識論
6) 趣味判断
7) 崇高
8) もののあわれ

【設問2】
テキストを参考にしながら、自分にとって身近な「美」や「芸術(アート)」に関わるテーマについて、もしくは、「美学」の課題について、1600字程度で自由に考察してください(その際、何について論じているのかわかるように、タイトルを付けておいてください)。

本文

【設問1】

1) 美のイデア
 イデアとは、物それ自体としての存在のこと。もろもろの感覚的存在を超越し、ただ思惟によってのみ把握されうる自己同一的な存在としての真実在のことである。つまり「美のイデア」とは「美そのもの」。
 プラトンの『饗宴』では美そのものの学すなわち「美学」が諸学の上に位置する最高の学問として立てられ、「もろもろの学問からこの美学にまで到達して認識は完全となる」(『饗宴』211C6~7)と書かれている。認識の完成とは「美そのものを知ることである」(前掲書211C8~9)とプラトンは言う。その思索の論理的手順は、もろもろの美しい事物から出発して、美しい営みに進み、さらに美しい学問に進み、そのうえで美そのものというイデアideaに登高することである。
2) 詩学
 古代ギリシア哲学者アリストテレスの著作の一つ。原題はポエティカ(De poetica)。2部より成り、第2部は喜劇についてであったが現存せず、第1部も完全な形では残っていない。第1部は 26章に分けられ、詩の本質、種類、起源、悲劇理論、叙事詩その他について論じている。彼によれば詩の本質は模倣(mimsis)であり本能に根ざすものである。最高の種類は悲劇であって、その主要因である行為は観衆に恐怖と憐憫を起し、これらの感情を浄化(katharsis)するという。

3) 人体の比例
 美術作品における人体の理想的基準を定める人体の各部分の比例率。頭身法 (全身長を頭上から首までの長さで割る数値) の理想的比例率を最初に規定したのはギリシアの彫刻家ポリュクレイトスである。彼によれば人体の理想的な比例は頭部が全身長の7分の1を占める。しかし彼よりほぼ1世紀あとの彫刻家リュシッポスはこの比例を修正し、最も美しい人体の比例が8頭身であることを明らかにした。ローマ時代のウィトルウィウスも人体の比例値について簡単な記述を残している。ルネサンス時代は解剖学が盛んになり、レオナルド・ダ・ビンチや A.デューラーらにより実測的・有機的な比例値が明らかにされた。
4) 自然美
 自然の所与に認められる美。美的なるものは「自然美」と「芸術美」に大別される。通俗の用語法では非人間的対象の美、たとえば風景美などをさすが、美学上・人間・人事・歴史を含めて現実の生において経験される美を総称するのが普通である。

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