【引用】4:改変の禁止/加工の必要性
他者の著作物の【改変】と「引用」について自学した内容の執筆です。
このたびも、我々が他者の権利を侵害しないこと、我々の権利が侵害されないことを留意しながら当記事をまとめます。小さなワクワクのご提供と権利侵害のない創作発信 を目標としています。
~ はじめに ~
私は法律の専門家ではありません。
当記事は、執筆初級者である私の「権利侵害対策の自由研究」の一環であり「引用についての学習記録」と「執筆練習」も兼ねています。
私が執筆で行う引用や参照の出典は、基本的にウェブページです。
私の記事をご覧いただくにあたり【免責事項・リンク・著作権について】の内容をご了承くださいますよう、お願い申しあげます。
( 記事末にもリンクバナーあり )
引用の記事は6つに分けて投稿します。
この記事は下記のうちの【引用】4 です。
【引用】1:概要/著作権法(第32条)
【引用】2:画像の引用(3パターン)
【引用】3:出所の明示/リンクカード
【引用】4:改変の禁止/加工の必要性
【引用】5:二次的著作物の引用
【引用】6:伊盾の自学の物語(雑記)
以下の本文は約3,300文字です。
( 著作権法13条にあたる出典の文字数を除く )
読了の推測時間は7分程度です。
1. 「改変の禁止」とは
別記事【引用】1-4. と【引用】2-1. にも記載。
「改変の禁止」は著作権法のどこにあたるのか?
著作者が有する大きな権利は2つある。1つは、財産的な利益 ( 著作物 ) の保護をする「著作権 ( 財産権 ) 」。もう1つは、人格的な利益の保護をする「著作者人格権」_[1] である。
[1]:e-Govポータル . 「著作権法(昭和45年法律第48号)」.2章3節2款(著作者人格権).https://www.e-gov.go.jp
上記 [1] は下記4つの権利の総称であり、譲渡や相続はできない。著作者が精神的に傷つかないようにするための権利 ともいわれる。
下記 ✅ _[2] が「改変の禁止」にあたる。
🟩「公表権」:
別記事【引用】1 -3. にも記載。
🟩「氏名表示権」:
別記事【引用】2 -1. にも記載。
✅「同一性保持権」_[2] :
詳細は以下に記載。
🟩「名誉声望保持権」:
詳細は今後の機会に執筆。
[2]:e-Govポータル . 「著作権法(昭和45年法律第48号)」.2章3節2款20条(同一性保持権).https://www.e-gov.go.jp
◉「同一性保持権」_[2] とは
著作者の 著作物と題号(タイトル)が、著作者の意に反する 改変をされない(拒否できる)権利。
◉「改変」とは
修正・加工・切除・トリミング・文字載せなども全て該当 する。引用文の誤字・脱字の修正も著作者の許諾が必要である。誤字・脱字が含まれることを示したい場合は、当該箇所の直後や引用文末に “ ( 原文ママ ) “ の注記する方法をもある。
著作物の性質や利用目的など、その態様に照らし合わせて「やむを得ないと認められる改変 」は適法_ 上記 [2]-2項4号。
◉「やむを得ないと認められる改変」とは
学校教育の目的上やむを得ない改変、建築の増改築・修繕・模様替え、実行し得ないプログラムを効率的に実行させるための改変(バグ修正・バージョンアップなど)。その他の記述はない。
映画のテレビ放送(一部カット・途中で区切りCM放送を行う)、デジタルコンテンツの書籍化(書籍サイズに対応させるための変更・印刷手法や技術性能による表現の差異)なども該当するとの説がある。しかし、事前に締結する「著作物利用許諾契約書」に明記されている可能性もある。
🐺:さて、ここでも疑問2つと “ 基本的な自分用ルール “ を記録しておくことにしよう。
① 引用文にある太字の変更
引用に最適な一文でも、引用元と自分の文章の目的の相違などで 引用文の太字が自分の文章には適さない場合 、太字はやめてもいいのかい?
この場合についてのウェブ情報は見つけられなかった。私は自分の文章への適応(読者さまの読みやすさ)を主とし、引用の太字をやめて “ 原文は太字あり “ などの注記 を行う。
いちいち表記しなくてもいい!という人もいるとは思うが、引用元への敬意と感謝の表しとして行うことにする。(大した文字数でもないので … )
② 引用画像への加工
他者の著作物や人物が(写す目的によって)写されている画像を引用したい場合、そのまま引用しても問題はないのかい?
上記のような画像を引用する場合、原則的に当該画像の著作権侵害にはあたらない。しかし、写された著作物には個別の「著作権」、人物には「肖像権 ( プライバシー権やパブリシティ権 ) 」_[3] があることを忘れてはならない。
[3]:別記事【引用】2-1. にも記載。
そして、‘ 他者の権利を侵害しないための加工 ‘ であっても画像の著作者の許諾を得ずに行う加工は「やむを得ないと認められる改変」にあたらない と考えるべきであろう。
なぜならば、画像の著作者は必要な許諾を全て得たうえで当該画像を公表し、その画像の改変を許諾しない意志をもっている場合もあるからだ。
そもそも、引用したい画像の著作者が必要な許諾を全て得たか否かに関わらず、引用する側も引用したい画像に写された著作物の著作者や人物から「個別の許諾」を得る必要性がある 。この点は記憶しておくべき注意点である。
したがって、このような画像の 引用は行わない 。また、画像の適法性に疑問を感じるウェブページへのリンクは、安易に張らないようにする。
2. 「写り込み」 がある画像の加工
他者の著作物や人物が ′ 画像の背景などに判別し難い状態で写り込んでいる画像 ′ を引用したい場合、当該部分への加工は許されるか?
◉ 著作権法の「写り込み」とは
上記のような「写り込んだ著作物」を、著作権法では「付随対象著作物」_[4] と記している。当記事では「写り込んだ他者の著作物」と記載する。
背景などに写り込んだ程度の他者の著作物は利用ができる とする法令_[4] によって、原則的に写り込みがある画像は(写り込んだ著作物の著作者の利益を不当に害することがない限り)“ そのまま引用も行える “ と解釈できる。
[4]:e-Govポータル . 「著作権法(昭和45年法律第48号)」.2章3節5款30条の2(付随対象著作物の利用).https://www.e-gov.go.jp
[5]:文化庁. 「いわゆる『写り込み』等に係る規定の整備について」
上記 [4] の条文を上記 [5] のウェブサイトが解説してくれている。
自分の著作物と写り込んだ他者の著作物の ‘ 分離が困難 ‘ であることは条件とされていない。分離が可能でも写り込んだ著作物の著作者から許諾を得ずに利用ができる との解説もある。
しかし、上記 [4] は “ 著作物 “ においての法令であり、利用を認める写り込みの程度も “ 軽微な構成部分 “ としか記述されていない。明確な判断基準はない 。裁判では個別の審理となる。
写す目的や写った程度の違いがあっても、場合によっては前項1. 同様に複数の権利侵害を注意する必要性はある。そして、他者の著作物を無断で改変してはいけない点も同じである。
🐺:上記 [4] の “ 分離 “ を “ 加工方法 ”(画像のボカシ加工・モザイク加工)として考えてみた。
写り込み部分への加工が可能でも加工をしないまま、さらには写り込んだ著作物の著作者から許諾を得なくても、“ 引用も行える “・・・って解釈でいいのかい? ( 読解ハードルは ’ 小学校低学年用 ’ を希望したい私である・・・ )
しかし私は、上記 [4] の条文から「加工の困難性の程度が正当な範囲内であるか」を照らし合わせて審理される場合もある・・・との認識もした。できる限り加工したほうがいい ってことかい?(どっちなの?)
結果的に、このような場合も 前項1. 同様 とする。根本的に「その画像の引用は必要不可欠かい? 」という客観視は必要である。
3. 「商品」が写った画像の加工
ここでの商品とは、他者によって製造・販売された(市販・通販を問わず)販売目的の物品のうちの「実用品」「美術工芸品」および「加工食品」についての記載とする。
これらのデザインは意匠法の「意匠権」で保護される。その外観に商標法の「商標権」が含まれる場合もある。これらの権利の発生は特許庁での審査と登録が必要である。
◉「実用品」とは
主に、形状などの機能性や利便性が優れている「工業製品・量産品」のこと。基本的に 著作物_[6] にあたらない物品 のこと。
[6]:別記事【引用】1-3. に記載。
◉「美術工芸品」_[7]-2項 とは
美術を応用してつくる実用を目的とした物品 のこと。「応用美術」に含まれ るため 意匠法の保護対象 となる。著作権法の「美術の著作物」_[8]-4項 にも含まれているため 著作権も有する場合がある 。実用品の量産に用いる " ひな形 “(フィギュアの原型など)も該当する場合がある。
[7]:e-Govポータル.「著作権法(昭和45年法律第48号)」.1章.1節.2
条(定義).https://www.e-gov.go.jp
[8]:e-Govポータル.「著作権法(昭和45年法律第48号)」.2章.1節.10
条(著作物の例示).https://www.e-gov.go.jp
◉「意匠」_[9] とは
視覚から美感を起こさせる物品 、建築物においての 形状・模様・色彩、これらの結合形状 、特定画像(工業製品の操作に関わる画像)などの装飾的な考案(デザイン)のこと。
[9]:e-Govポータル.「意匠法(昭和34年法律第125号)」.1章.2条(定義等).https://www.e-gov.go.jp
◉「意匠権」とは
上記「意匠」_[9] の保護をする権利。意匠の新規性があれば商品パッケージでも取得可能。特許権とは異なり技術的な新規性がなくても取得可能。
◉「商標」_[10] とは
商品の証明や宣伝に用いる “ 目印 “ となる ネーミングやロゴ のこと。文字・図形・記号・立体的形状・色彩、それらの結合や音などから成るもの。イラストを含む場合もある。
[10]:e-Govポータル.「商標法(昭和34年法律第127号)」.1章.2条(定義等).https://www.e-gov.go.jp
◉「商標権」とは
上記「商標」_[10] の保護をする権利。商品ブランド(信頼性やイメージ)の保護をする。商品パッケージや宣伝に用いることが多い。
以上のことから、商品が写った画像を引用したい場合も、複数の権利侵害を注意する必要性がある。画像の著作権者は誰か、写った商品は購入品か販売品か、写り方は適切・妥当か、意匠権・商標権・著作権などの有無、引用元・引用先の商用性の有無など。確認すべき点は多い。
🐺:「意匠権」「商標権」「美術工芸品」・・・これらの詳細の自学と執筆も今後の機会とする。
私は基本的に画像の引用を行わないが、創作の材料として購入した商品を自ら撮影 して『note』で画像を公表する場合の注意点は理解しておきたい。(例:ハンドメイド品のメイキング画像)
購入した商品の権利侵害となる可能性がある場合は “ 画像の加工 “ を行う。基本的に 画像の著作者ならば “ 他者の権利を侵害しないための加工 “ は行える 。購入したんだから商用利用OK!って安易に思い込むのは危険である。
今の私に有料記事の投稿はオコガマシイことだが、いずれは行いたい。その “ 志し “ はある。小さくともワクワクできる、またはホッコリできるなにかを有料記事内に入れてご提供したい。オマケつきのお菓子のように・・・。
また、自分の著作物で収益を目指すことは、著作権侵害対策の1つとして必要なことかもしれないと考えるようになった。著作権法の自学で知識を得るに伴って、考えが変化した点である。
そして『note』の運営さまへの貢献をしたい思いもある。自信はないが、楽しみながら精進しようと思っている。
~ おわりに ~
このたびも文字数が多くなり編集に時間を要しました。今回はとくに割愛した点が多く、今後の機会に執筆いたします。地道にコツコツと矛と盾(執筆力と法律知識)の装備を努めております。
読者さまの “ 貴重なお時間 “ をいただきました。
私の記事を最後までお読みくださいまして、誠にありがとうございました。
当記事の執筆にあたり、著作権に関する知識の恩恵を受けましたウェブサイトへの敬意と感謝の気持ちをもって、以下に参照ウェブサイトの明示をいたします。記載は順不同にて失礼いたします。