人生の勝利者とは?
1月の後半に転職活動中などと言った馬鹿げたステータスのままでマッチングアプリに登録、アプリ内で20代前半の女性とのやり取りが始まる。
3月半ばにLINEの交換、近々に会うための日程調整に入っている。
それまでに仕事を決めたい。職がある状態になって胸を張って、堂々とお相手の方と顔を合わしたいなどといった明確な目標ができた。
あまりに端的な目標の定め方だと我ながら今にして思う。
ステータスが最悪の状態なのにマッチングできたことは奇跡としか言いようがない。
あまり好きな言い回しではないけど、これが所謂『人生の勝利者』への一歩なのかもしれない。
アメリカで言うところの『人生の勝利者』とは毎日を如何に楽しく過ごすかが大切らしい。
あの国にはお金を如何に稼ぐかとかが当然のことらしく、もはや富は人生を楽しむものではないらしい。
これでいいのだ。
何もかもが楽しい。
最悪のステータスだったにも関わらず、選んでくれる人がいたという事実。
もちろん金はあるに越したことはない。
それは否定しない。
金は人を自由にさせる。
ただ、着の身着の儘でいる自分に惹かれてくれた人こそ、本当に大切な存在なのだと思った。
人生は良い時も悪い時もあるが、悪い時にこそ手を差し伸べてくれる存在は、パートナーになり得る。
そんな存在はかけがえのない人と言える。
詐欺だとしたら、職のない人間をわざわざ相手にしたか。取れるモノが取れない相手からのアプローチに応じたか。
詐欺師なら取れるモノがない相手を初めから相手にしない。
これは詐欺師に限らないことだ。
保険外交員だって取れるモノがない相手は、はじめから相手にしない。
それと同じ。
尤も私はこれ見よがしに『人生の勝利者』ぶった振る舞いをするのは野暮だと考えている。
それは金箔を貼り続る行いに過ぎないのだから。
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