【コラム】いま自動車整備業界が最優先で取り組むべき課題
最近、指定工場による不正車検のニュースが増えていますが、キーワードは「時間」です。
そもそも、整備に必要な作業時間は、車種、走行距離、日々の使われ方、クルマの状態などで1台1台異なるため、想定した時間内で作業を完了することは困難な場合があります。加えてクルマの高度化により、車種によっては、必要な作業時間がすでに従来の「標準的な作業時間」を越えている可能性もあります。
本来、クルマの点検前にお客様と正確な作業時間を約束することは不可能です。効率化により作業の無駄を省くチャレンジは素晴らしいことですが、お客様に予め示した「標準的な作業時間」にこだわり過ぎると、現場への負荷が増大し、整備品質やコンプライアンスに悪影響を及ぼす恐れもあります。
安心安全なクルマの整備に必要な作業項目や作業時間をお客様へ分かりやすく説明し、お客様納得のもと無理なく確実な作業を行う。それを実現するための事業環境を早急に整備する。いま自動車整備業界が最優先で取り組むべき課題は、これかもしれません。