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【コラム】車検項目や点検基準、見直しへ 今年度中に結論

  斉藤鉄夫国土交通大臣は、令和3年10月8日(金)の閣議後会見で、現在の車検の検査項目について「安全性能や環境性能を確認する上でいずれも重要で最低限必要な項目」との認識を示した。
  一方で、「検査項目の一部で現在は必要性が低いと考えられる項目があるのではないかという声が一部で出ている」という質問に対しては、「十分根拠のある御指摘であると思う」との認識も示した。
  今後、国交省が8月に設置した「自動車の高度化に伴う安全確保策のあり方検討会」で、「もっと合理的なやり方があるか」の検討を進め、今年度中に一定の結論を得る予定という。

 <自動車の高度化に伴う安全確保策のあり方検討会>
1.背景
 自動運転技術や電動車の普及等、自動車の変容・高度化に伴い、高電圧保護や各種センサーの作動不良、サイバーセキュリティ等の新たな課題に対応すべく、電動車や自動運転技術搭載車(運転支援技術搭載車両も含む)の不具合情報を収集することがより重要になっている。
 また、車両のセルフチェック機能(いわゆる「OBD(On-Board Diagnostics)機能」)の導入により、今後、使用過程車に記録された故障データの更なる活用が可能となる見込みである。
 こうした不具合情報や故障データ等を有効活用することにより、安全・安心を確保した上で、ユーザーの利便性を図る取り組みについて検討する。
2.検討事項
 自動車の高度化に伴いOBD機能を搭載した使用過程車に関する故障データの収集・分析を進め、電動車や自動運転技術搭載車の安全確保策やデータの有効な利活用策についての検討を行う。
・自動車に搭載されるOBD機能の動向調査
・高度化した自動車の故障・整備データ(実車データ)等の収集・分析
・電動車や自動運転技術搭載車に対する安全確保策の検討
・電動車や自動運転技術搭載車に関するデータの利活用策の検討

 [第一回検討会の資料の抜粋]
<電動車や自動運転技術搭載車に対する安全確保策の検討>
実施内容:点検基準の策定・ユーザーへの周知等の検討電動車に関する点検項目の動向調査並びに「1.自動車に搭載されるOBD機能の動向調査」及び「2.高度化した自動車の故障・整備データ等の収集・分析」に基づき、ルール整備(電動車の点検基準の策定)やユーザーへの周知方法等を検討する。

  さて、検討事項である「電動車や自動運転技術搭載車に対する安全確保策の検討」について、令和3年8月26日(木)に行われた第一回検討会の資料の中身を見てみると、点検基準の最適化の議論を行うことがうかがえる。
  この資料に斉藤国交相のいう「車検の検査項目」についての具体的な記述はないが、おそらく整備士不足事案や不正車検事案の顕在化を受けて、急遽この枠組みの中で取り扱うこととしたのだろう。
  何れにしろ、「OBD」を軸として「検査項目」や「点検基準」に相応の「変化」があることだけは、間違いなさそうだ。

 出典:国土交通省_リリース20210824

 出典:国土交通省_大臣会見20211008
https://www.mlit.go.jp/report/interview/daijin211008.html

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