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飛び出し注意! 拿莫·伊漾の走塁ミスを考察。(3/13 統一獅VS味全龍)

<状況>


8回表 味全ドラゴンズの攻撃 1アウト ランナー無し
カウント2ボール1ストライク
投手:李嘉祥 71 打者: 拿莫·伊漾 57

李嘉祥の投じた4球目高めのストレートを拿莫·伊漾がフライを打ち上げる。打球は、レフト・ショート・センターのちょうど真ん中付近に落下し、レフト施冠宇が補給できず、ポテンヒットとなる。
すかさず、センター林佳緯はボールを捕球し、ショート林泓弦の指示に従い、セカンド黃勇傳に送球。走者拿莫·伊漾の飛び出しを発見したセカンド黃勇傳が1塁に鋭い送球を投げ、拿莫·伊漾は1塁タッチアウトとなった。(カバーの図)

簡単にまとめると、外野前方へのフライをレフトが捕球ミス(守備側のミス)、隙を突いて2塁を狙ったバッターランナーが飛び出し(攻撃側のミス)、1塁タッチアウトとなったプレーだ。

<捕球ミスの原因考察>


打者:拿莫·伊漾は、左方向に強い打球を放つ長距離打者(左方向への打球割合:43.6%、飛球率:39.2%)のため、レフトは比較的後方にポジショニングしていた。
しかし、レフト前方にフライが上がったため、レフトは懸命にダッシュし、落下地点まで到達したが、捕球には至らなかった。(図1)

図1 資料來源CPBLTV

図1を見る限りでは、レフト施冠宇が捕球できそうに見える。ミスの原因として考えられるのは、照明とボールの交錯、捕球体制の問題だ。
照明とボールの交錯については、映像などからでは断言できないので、割愛。捕球体制に関して、レフト施冠宇は、捕球直前に若干周り込むような走り方をしており、直線的にヘッドスライディングでの捕球を試みていれば捕球できていた可能性は高い

<走塁ミスの原因考察>

図2は、捕球ミスを確認し、シャッフルから進塁を試みたところ。ファーストも塁を大きく離れているが、セカンドは2塁ベースで返球を受ける準備をしていた。また、打球の落下地点がショート後方(レフト前方)であり、センターがカバーに入っていたことを勘案すると、2塁にボールが素早く返球されることは明らかで、2塁を狙ったこのプレーが問題であったといえる。

図2 CPBLTV

図3は、センター林佳緯の捕球及び送球を確認したあとの走者拿莫·伊漾の様子。はっきり言って、時すでに遅しである。ファーストもベースから離れた位置に居たとはいえ、走者との差は約3mもあり、帰塁及び捕球体制に移るまでの時間は十分にあった。この際、外野から返球を受けたあと、速やかに1塁へ鋭い送球をしたセカンド黃勇傳のプレーは素晴らしいものだった。

図3 CPBLTV

また、このあとに走者はヘッドスライディングを試みるが、手が1塁ベースまで届かずタッチアウトとなった。
以上のように、今回の走塁ミスの原因は、落下地点と塁との距離を見誤った迂闊な飛び出しだと言えるだろう。

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