CPBL中華電信台湾シリーズ見どころ 味全ドラゴンズ
投手
鋼龍、布里悍、伍鐸、徐若熙、林凱威、陳冠偉、羅華韋、王躍霖、王維中、張景淯、郭郁政、林子昱
鋼龍、布里悍、伍鐸の助っ人外国人3人と徐若熙は、G1からG4の先発投手での起用がほぼ確実される先発ローテーションの柱だ。若きエース徐若熙は、シリーズを占うG1への登板が決まった。大事なことは、焦らないことだ。エースとしてチームの命運を左右する存在であることを再度確認するいい機会かもしれない。また、今回の先発登板は、葉監督が許若熙に与えた試練だ。鋼龍、伍鐸は主に巧みなコントロールと配球で勝負する投手、安定した試合づくりには葉監督も信頼を寄せる。彼らの状態はシリーズの行方を大きく左右する鍵となる。しかしながら、短期決戦のため先発投手の状態によってはロングリリーフを郭郁政や林子昱などの中継ぎ陣に強いる必要もあるだろう。兎にも角にも、ブルペンの状態は試合の明暗を分けるポイントとなることは間違いない。
中継ぎ、抑え
林凱威、陳冠偉、羅華韋、王躍霖、王維中の5人は主に勝ちパターンでの起用が考えられる。理想としては、8回王維中、9回林凱威で相手を抑え込むのが理想パターンだ。ところが、シーズン終盤の彼らの成績はそれほどいいものではない。先発投手の調子の良し悪しや球数、点差によっては陳冠偉を9回に投入する可能性もあるだろう。エース級投手がぶつかり合うG1,2やG6,7では延長戦に突入する場合もあり、コーチ陣の選手起用の手腕も大きな鍵を握る。
捕手
先発マスクを被るのは、蔣少宏の可能性が高い。これまでも、自慢の強力な蔣キャノンで数々のランナーを刺してきた扇の要は、強気の配球で相手のバッターを手玉にとる。今年度ホームラン王に輝いた吉利吉撈は、DH4番で勝利に導くバッティングに期待したい。控え捕手の劉時豪の今年度出場機会は多くなかったが、対左投手打率.438には目を見張るものがある。勝負どころでの代打やアクシデント時の一振りで流れを変える活躍をみたい。
内野手
先発メンバーは、シーズン中とほぼ変化はないと見られる。エラーが命取りとなる短期決戦では、慣れた本拠地のグランドで練習通りの安定したプレーをしてほしい。ポイントとなるのは、勝負どころでの林智勝の存在だろう。今まで10度の台湾シリーズを経験したベテランは、プレーだけでなく、若い選手たちの精神的な柱としてベンチから熱いメッセージをグランドに届ける。
拿莫.伊漾 (ファースト,DH)
勝負強さがひかるスラッガーは、シーズン終盤に1軍復帰後、力強いそのスイングで何度もチームに勝利をもたらした。直近試合では、毎試合三振を記録し、打率はわずか.143しかない。短期決戦の台湾シリーズでは、持ち前のスター性と勝負強さで天母のスタンドにアーチを描きたい。
劉基鴻 (サード)
今年度人生初のリーグ安打王に輝いた安打製造機は、再現性の高いバッティングで広角に鋭いライナー性の打球を打ち分ける。ストライクゾーンに来た球を絶対に見逃さない好球必打のバッティングは、相手投手にとって大きな脅威となるだろう。また、サードの堅実な守備も見逃せない。
李凱威 (セカンド)
セカンドでの華麗な守備に加えて、巧みなバットコントロールと選球眼で、チームを引っ張るプレイヤー。高い出塁率で、打線に火をつけるつなぎのバッティングに期待がかかる。また、昨年のプレーオフでの苦い思いを、この台湾シリーズでバットに乗せて吹き飛ばしてほしい。
外野手
郭天信、冉承霖、林孝程、高孝儀
郭天信 (センター)
味全ドラゴンズが1軍に復帰した2021年から李凱威とともに1,2番で天威連戦を組み、チームを引っ張ってきた頼れる守備の名手。2年連続でゴールデングラブ賞を受賞したその守備の腕前は一級品で、今年のWBC台湾代表にも選出された。鋭いスイングから生み出されるヒットと走塁、そして天網(スカイネット)と言われる広い守備範囲で、スタンドを沸かすプレーに注目したい。
林孝程 (レフト)
天母のグランドを駆け回る韋駄天は、盗塁王を逃したものの、シーズン21個の盗塁を決めた足の速さは本物だ。隙のない走塁で、点数をもぎ取るプレーに期待がかかる。
冉承霖 (ライト)
守備の才能を葉監督も認める若きもう一人の韋駄天は、守備、走塁で持ち味の走力を遺憾なく発揮する。シーズン中は、走塁と鋭いレーザービームで相手を圧倒した。初めての台湾シリーズで先発出場することは、彼に大きな試練となる。しかし、大事なのは平常心を保つことだ。
若い選手が多いドラゴンズの魅力は、勢いで相手を圧倒する打線と、素早い動きで魅せるファインプレーの数々だ。泣いても笑っても勝負は、あと7試合。迷いのない全力プレーで、味全ドラゴンズの歴史の1ページに優勝の文字を刻みたい。