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100日間生きたワニ(2021:日本) #居石信吾の映画実況雑記
世間を騒がせている映画、100日間生きたワニを観てきたので感想を書きます。
一部を除いてごく普通の映像化作品でした。
問題はその一部にあるんですけども。
注意!
以下の文章にはネタバレがあります!
注意!
前半
原作を映像化しましたって感じです。世間では紙芝居だなんだと言われてますがそこまで違和感持つほど動かないという事は無かった。というかこの絵柄でぬるぬる動いたらそれはそれで違和感がありそう。まあ確かに令和最新アニメのクオリティでは全然ないんですけど……ハサウェイとか細田守新作とかと比べたらダメだよ!
問題は30分で100日を駆け抜ける点ですね。アバンで原作最終話の花見を流すのですが、尺が足りないのか中盤もう一回そのまんま流れるのはオイオイとなった。
ワニくんが思い出のアルバム作るシーンは作中に出てきた場面ばかりで、その他の日常というものが一切匂って来ないのもダメ。イベントスチルコンプだけ狙ったRTAみたいになっちゃってます。その割には原作で印象的だった雲布団のエピソードがなくて片手落ち感。
作画の問題だと、原作漫画ではほぼ無かった「正面顔」が何回か出てくるのですがこれがまあ言い表せぬ不気味さがある。
それと、これは狙った演出なのか統一が取れてないだけなのか判断しかねますが、作中でキャラが靴を履いてたり裸足だったりバラバラなんですよ。裸足のシーンはわざわざぺたぺたって足音のSE付けてるんで多分意図的なんだと思うんですけども……。
あと、映画デートで出てくる劇中劇で、馬に乗ったキャラが登場するんですが動物を擬人化した作品で普通の動物出されると「劣った猫」を思い出してしまうのでやめてほしい。
後半
ワニくんは原作通り死にました。それから100日後が映画オリジナル展開の後半パートとなっております。
いきなり悲しい雰囲気なので雨がずっと降っている(まあ季節的に梅雨なのですが)。
元気がないいつものメンバー、そこに新しい風ことカエルくんが引っ越してきます。
こいつが凄い。後で哀しき過去が明かされたりするけどそんなもので帳消しにならないほど不快の塊。馴れ馴れしい、初対面でいきなりタメ口、明らかに嫌がられてるのに食事に誘いまくる……etc。
まあようはこのカエルのお陰でワニくんの死後停滞していた皆の仲がまた結び付き、前に進めるよやったね!という筋書き。
親しい者の死後、遺された者の救済というのは重くていいテーマだと思いますが、やり方が下手すぎる……。映画オリジナルキャラにやらせる役割か……?
原作漫画では空気読まない発言などでモグラくんが割と嫌なキャラを担ってたりしたのですが、映画では脱臭されて綺麗なモグラくんになっていたのでその皺寄せって感じもします。
とにかくこのカエルを許せるか許せないかで映画の評価は180°変わってくるでしょう。俺は許せなかった。
まあダメなところばっかりではなく、いきものがかりの歌が流れるエンディングに入って飛び込んでくる、ワニくんの両親がワニくんが好きだったゲームを遊んでるシーンは不覚にもウルっときました。そういうのをもっと観たかったんだよ……。
その後「えっ!?ワニくんのお父さん杉田だったの!?」とびっくりして感動は迷子になってしまいましたが……。
総評
この映画を叩いておけば「やっぱりクソ映画だったんだ!」と喜ぶ人がいっぱいいるのも悲しき事実。
ですがストーリーとして破綻してないですし、きちんとオリジナルも盛り込んでたし、いきものがかりは歌が上手いし、「クソ映画」では全然なかったです。
まあゴジラvsコングやモータルコンバット、ブラックウィドウなどめちゃくちゃ面白い映画がいっぱいやってるので全て観尽くしてお金も余ってたら思い出してあげてください。思い出すだけでいいです。
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