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統計シミュレーションでシティベスト4になった話

前期シティリーグ、統計情報から機械的に使用デッキを選んで挑みました。
デッキ相性とシェアを元に、予選突破率の高いデッキを求める目論見です。

結果としてガケガニが選ばれて、当初目標の予選通過からベスト4まで進むことができました。

少し日が経っていますが、考え方や過程を紹介させてください。
デッキ解説ではないため時期は関係ないはず。お勧めするわけじゃないですが、興味を持ってもらえると嬉しいです。


概要

デッキ相性とシェアから、上位のデッキシェアを試算するツールがあります。
X(旧Twitter)の大会結果報告を集めて、デッキ相性を収集するサイトがあります。

この組合せで、自分で考察をしなくても環境の分析ができるようになりました。
今回、シティリーグの予選突破をターゲットとして、試算結果から確率が高いデッキを求めたらガケガニになりました。

詳細は後述しますが、ポケカデータバンク(以下、PDB)と戦績試算ツールを組み合わせています。
ツールの組み合わせは私が初めてではないけれど、自分のデッキを決めた例は聞いたことないです。

結果的にベスト4を取れたので、やってみた事と、実はそう簡単じゃないって話をしていこうと思います。

前提の確認:利用ツールについて

戦績試算ツール

予選上位デッキの比率を求めた様子

今回の主役。
デッキシェアとデッキ相性から、上位層のシェアや入賞率を計算するツール。

たいあたりジムひらじさん作成。
公開が2018年と昔で、当時は調整チームじゃないと十分に使えませんでした。
⇒ 入力するデッキ相性とシェアを調べるには、大人数で検証しないと難しい

ポケカデータバンク(以下、PDB)

主要デッキ同士の勝率を調べることができる

皆さんお馴染み、X(Twitter)の投稿からデッキ相性を調べて公開しているサイト。

数千以上の対戦報告から主要なデッキ同士の相性を知ることができる。
「個人では収集不可能」な大量データから算出した勝率は、公式チャンネルが公開するチャンピオンズリーグの勝率データと概ね一致します。

作者はポケカデータラボおすぎさん。私にとってはチームメイト。
条件指定の検索は有料コンテンツですが、毎週の動向をXのポストで見ることができます。

シティ実績データから作る統計資料集

当Noteの企画から、デッキシェアと参考にするデッキリストを参照しています。
デッキ個別の統計資料は使ってないので他で代用できますが、自前で用意するのが楽だったので。

シティリーグ予選突破確率を求める

今回の目標点は「予選通過」としました。
つまり、5勝1敗の成績が必要。

戦績試算ツールに、PDBから取得した勝率と11月2日(土)のベスト16デッキシェアを入力した結果がこちら。

戦績試算ツールで求めた各デッキが5勝できる確率

「そのデッキを選んだ場合、5勝1敗できる確率」が赤枠で表示された部分です。
以下の3デッキが上位であり、特にカビゴンは2人に1人が予選突破という超有利デッキだとわかります。

  1. カビゴン ⇒ 47%

  2. ガケガニ ⇒ 18%

  3. ブリジュラス ⇒ 16%

戦績試算ツールはデッキシェアとデッキ相性(勝率)が元データです。
先述の通り、PDBと統計資料集の中間資料からデータを抽出して転記しました。

元データを戦績試算ツールへ入力

そのままコピペは出来ないので、Excelなどで加工してから貼り付けています。
工程にOCRを使っていて、そのためにChatGPTに$20 課金しました。

デッキ選択はガケガニ

確率だけみるならカビゴンを選ぶべきですが、シティリーグではガケガニを使いました。
今回、ここだけは自分自身の意志が入った部分です。

カビゴンが嫌いだから、ではなくプレイ難易度が高くて扱えないと考えたから。
ブランクがある状態で、時間切れに追われるデッキを使ったら、勝てないどころか相手にも迷惑ですから。

次点のガケガニを選択し、直近の数日に入賞したガケガニからやなぎ。さんのリストを使いました。
構成がシンプルで、基本の動きを取りやすいと考えたのが理由です。

デッキリストを決めた時点で前日の昼過ぎ。
不足カードを買い集める必要もあって、対戦練習はできないままシティリーグを迎えます。

シティリーグの結果

目論見通りに5勝1敗で予選を突破し、もう1勝追加してベスト4でした。
結果を見れば大成功です。

11月4日(月) TSUTAYA西友町田店

当日の対戦と勝敗

ただし、対戦内容を見ると怪しいですね。
PDBによるガケガニのデッキ相性は以下の通りで、不利マッチの方が多いです。

PDBによるガケガニの相性と、当日の対戦回数

純粋に運が良かっただけ、というのが率直な感想です。

戦績試算ツールでデッキを決めることの評価

結果を見るなら成功、経緯を見るなら失敗、といったところ。
ただし、統計的な試みなので1回1人分だけじゃ本質的な評価はできません。
有効性をきちんと評価するなら、100人、1000人単位で試す必要があるでしょう。

このやり方にはいくつか欠点もあるので、触れておきます。

(1) データ量と速報性のトレードオフ

シェアも相性も変化するので、なるべく新しいデータを使いたい。
しかし、直近のデータだけではサンプルが足りず精度が低い。

両立しないジレンマがあり、どの期間からデータを取るか永遠の課題です。

(2) 元データの信憑性

PDBのデッキ相性、及び入賞デッキから引っ張るシェアが信用できるか疑問です。
サンプル数の課題は先に述べた通りで、デッキ相性にしてもリストが違えば大きく変化します。

情報の間違いの可能性、未来で変化する可能性、そして自分のデッキとの違い。
不確実性ばかりで、根拠として脆弱です。

(3) プレイヤースキルと喧嘩する

計算で決めた選択は、自身のプレイヤー経験と一致しない可能性があります。
そのとき、自分の経験と計算のどちらを信用するか、悩むことになるでしょう。

今回はブランクがあるため自分を信用しておらず、統計的な結果を受け入れやすい状態でした。
それでも、計算上の最善であるカビゴンを見送りました。

アクティブに活動して自分の考えを持つプレイヤーほど、この方法は向かないかもしれません。

おわりに

というわけで、今回の取り組みを雑感を含めて紹介してみました。
お勧めしたいわけでなく、こんなこともできるよって伝える記事でした。

繰返しになりますが、ブランクありの初回でそれなりの結果を得られてラッキーでした。
次も同じようにするかわかりませんが、ポケカデータラボらしくなにかしていきたいと思います。

最後になりますが、記事で扱うことを快く承諾してくださった、ひらじさん、おすぎさん、ありがとうございました。

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