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にいがたヘルスケアアカデミー2023 成果発表会 開催報告🎉

2023年9月23日(土・祝)ににいがたヘルスケアアカデミー2023の成果発表会を開催いたしました!

にいがたヘルスケアアカデミーでは、ヘルスケアデータ分析の基礎をインプットするだけではなく、実際に実在する課題の発見から解決するまでのプロセスを実践し、スキルを習得する実践型の育成プログラムを実施しています。
今年度は保健事業や健康づくり事業などに従事する市町村職員が、具体的な課題解決策を企画・立案するスキルを身につけるため、5月から学びを続けてきました。

今回の成果発表会では、各々が学んだことを活かし検討した、地域のヘルスケア課題の解決策を発表いただきました。

本記事では、成果発表会の全体の様子と、アドバイザーの先生方からいただいたフィードバックや講評についてお伝えします。

株式会社BSNアイネットを会場に開催いたしました。

冒頭、アカデミーの運営会社である弊社 株式会社BSNアイネット ヘルスケアビジネス事業部 執行役員 事業部長の小林明より、アカデミー生に向けて「どのような課題解決のアイディアが発表されるのか楽しみにしております。これからの時間がこれまでの学びを発揮していただくに止まらず、イベントにご参加いただいている皆様にとって最高の学びとなることを期待しております。」とメッセージを申し上げ、成果発表会を開会いたしました。

■グループ発表・全体発表
今回の成果発表会では、15名のアカデミー生に課題解決のための実施計画を発表していただきました。アカデミー生は3グループに分かれて発表を行い、グループ内で選ばれた3名のアカデミー生に全体発表を行っていただきました。

全12発表テーマ

発表後はアドバイザーの先生方から質問やフィードバックがありました。「堂々と発表できていて良かった」「学んだロジックツリーを活かし資料が見やすくて分かり易い」などの評価があった一方、「もう少し深堀したデータが欲しい」という意見や他の市の成功例の紹介など、今後に向けてのアドバイスもいただきました。

◼︎表彰
「発表内容に共感できた」「ぜひ実現して欲しい」など、最も応援したいと感じた発表に投票を行っていただき、アカデミー生や一般の皆様より選ばれたオーディエンスアワードの表彰を行いました。
投票の結果、妙高市で管理栄養士をされている宮本あゆみさんの発表「子どもの活動量UP!」が受賞し、新潟市医師会副会長の岡田潔氏から表彰状が授与されました。

宮本さんは「子どもの活動量UP!」をテーマに、妙高市における子どもを取り巻く環境から現状の課題となる幼児の肥満度について着目しました。現状を整理し、肥満の原因と理由を掘り下げ、子どもの活動量について目指す方向性を設定し、延長保育の時間を活用した解決策を提案しました。

発表会終了後、宮本さんにインタビューを行いました。記事の最後にインタビューの内容を記載しておりますので、是非ご覧ください。

◼︎講評
全体発表で様々なフィードバックをしてくださったアドバイザーの先生方から、会の講評をしていただきました。熱い応援メッセージをいただきましたので、ご紹介致します。

新潟市医師会 
 副会長 岡田 潔 氏

最初の糖尿病に着目した発表は、50年前は塩分の過剰摂取で脳卒中が多かったのが、今は糖尿病が劇的に増えており、最重要課題なので、とても着眼点が良く、いい発表だったと思います。
2番目の発表は、特定健診受診後のフォローアップに着目していましたが、特定健診を受診していない60%の人を掘り起こすことも大事です。例えば、新発田市では受診率を増やすため、データ分析を活用し受診対象者の特性に合わせた内容の受診勧奨通知を送ったことで受診率が10%増えました。当取り組みは関東のベンチャー企業と行いましたが、このようなことをぜひ新潟の企業と行ってほしいと思います。
最後の発表は、子どもの肥満は将来糖尿病につながるため、子供のうちにできることからやっていくのはすごく大事だと思います。親も子も入りやすい切り口でやっていくことはいいと思いました。地域の特性を良くとらえていましたし、冬が寒い環境だと肥満率が高いとのことで、新潟県は雪国なので、妙高市からいい取り組みができていくんじゃないかと思いました。

ハイズ株式会社 
医療戦略部医療戦略室 室長、看護師、経営学修士
 栗田 かほる 氏

素晴らしい発表だったと思います。皆さんの資料を拝見させていただきました。できることなら全員分のプレゼンを聞きたかったです。どれも真剣に取り組んだことが伝わる資料でしたが、一点付け加えるのであれば、分析だけで終わらないでいただきたいということです。分析の羅列で終わっている方も見受けられましたが、分析をして、そこから何が言えるのか解釈をして次につなげることが大事です。皆さんのお仕事は結果から始まり、その原因を明らかにしていくプロセスがとても大事なのかなと思います。何故そうなのか、しっかりと原因を突き止めて前に進んでいただきたいと思います。どこの自治体も同じような課題に取り組んでいらっしゃるようなので、自治体間でナレッジを共有することも重要です。是非、このアカデミーでの繋がりも活かして、今後の仕事につなげて欲しいと思います。

新潟県 福祉保健部 福祉保健総務課 
 課長 遠山 泰

どれも素晴らしい発表で、こんなに完成度の高い発表を聞けるとは驚きました。PowerPointの資料がとてもお上手で綺麗に作られていましたし、それぞれの着眼点で各々に色々な意識を持って取り組まれているんだな、と感じました。通常業務をしながらアカデミーを受講され、本当に大変だったと思います。皆さんの力を感じて私も大変勉強になりました。

◼︎閉会
最後に、「にいがたヘルスケアアカデミー」主催の新潟県福祉保健部 福祉保健総務課 遠山泰 課長 の閉会の言葉で成果発表会は締めくくりました。

発表をしていただいたアカデミー生の皆さんは通常の業務をしながらここまでの発表をまとめられたということで大変ご苦労も多かったことと思いますが本当に素晴らしい発表でした。今日の成果発表会は皆さんの上司の方も視聴されていると聞いておりますので、是非とも皆さんのまとめられた成果を事業化に向けてご協力、後押しをいただけたら大変ありがたいです。また、このヘルスケアアカデミーは10月以降も様々な講義を準備していますので、積極的にご参加をいただければと思います。そして何より、アカデミー生の皆さんが受講して良かったと思っていただければ幸いです。

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今回の成果発表会で、オーディエンスアワードを受賞された妙高市の宮本あゆみさんに発表のテーマを選んだ理由や発表会までのエピソードなど、インタビューをさせていただきました。(インタビュー時期:2023年10月)

———今回のテーマ「子どもの活動量UP!」を選んだ理由はなんですか?
こども教育課の幼児教育係に所属し、保育園・こども園の食育活動を行っています。加えて、小学校や中学校の子どもたちとも関わる機会があるため、対象は子どもに決めていました。
私の担当している事業に「子どもの肥満予防対策事業」があります。子どもの肥満割合が改善していないことや成人の肥満が増えてきたことをきっかけに、行政の保健師・管理栄養士が学校と協力して行う仕組みづくりを行い、平成29年度より開始しました。市内の医師のみなさんより意見をいただきながら、養護教諭や栄養教諭とともに面談・フォローを実施しています。課を異動した今もこの事業を担当しており、課題も多いことから今回のテーマとして選びました。
行政が主導して行う肥満予防対策は学校現場からみると珍しいことでもあるので、「いい取り組みだね」と言っていただけることも多い事業です。

———発表会までに大変だったことは?
繁忙期の年度始まりにアカデミーがスタートし、さらに9月に発表会だったので大変でした。ただ、アーカイブで研修がいつでも見られたので、資料を作りながらでも見られたのは良かったです。発表内容に悩んでいるときに、 *壁打ち会で他の方の発表とか目指しているものを見られたのはとても良かったなと思います。方向性を決めるのにも助かりました。
*壁打ち会・・・検討している内容についてアドバイザーよりフィードバックをいただける会

———発表を見た周りの方の反応はいかがですか?
最初に栄養士の先輩と事務の先輩に、「専門職」と「働く保護者」の立場で内容を聞いてもらいました。保育士や保護者の手間もなく、負担も少なくできるところがすごくいい、と褒めてもらえました。その他にも、子どもたちが無理なく頑張れるところ、日常の中に取り入れられること、実現できたらとてもワクワクする!と言ってもらえ、自信をもって発表に挑むことができました。
資料の作り方やプレゼンの仕方など、みなさんに理解していただけるよう意識して作り上げたので、当日多くの方から共感を得られ、ありがたかったです。

———今後の抱負は?
発表内容の計画に関しては、来年の秋くらいを目処に1園からでもできるように計画を詰めていければと思っていますし、それによって子どもたちが活動的になって運動が好きになってもらえればと思っています。
業務内で、課題に向き合うことや仕事内容に落とし込んでいくことは日々の忙しさの中でじっくりできるものではありません。けれど「課題の洗い出し・分析・解決案を考える」ことは行政のなかで永遠に続いていくことでもあります。若い後輩をはじめ、いろいろな方にアカデミーを経験してもらい、自分の事業の振り返りや見直しができるといいなと思います。私もそのような視点をもって今後も仕事を行っていきたいと思います。

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宮本さん、ありがとうございました。改めて受賞おめでとうございます。
これからも新潟のヘルスケア課題解決に向けて、運営事務局もサポートしてまいりたいと思います!

にいがたヘルスケアアカデミー
主催:新潟県 
運営:ヘルスケアアカデミー運営事務局(株式会社BSNアイネット)

Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。


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