遠く函館に思いを馳せつつ
こんにちは。軽井沢のToshiです。
本日(2022年7月13日)はJANOG50 in HAKODATEの開催日。
https://www.janog.gr.jp/meeting/janog50/
JANOG1が開催されたのが1997年の11月。
同じ年の7月にインターネット業界(ISP)で仕事を始めたので、私とJANOGは同期。もう25年です。
さて、そんなJANOG50のプログラムを見て、興味を持ったのが「DCI」と「400Gbps」というフレーズ。
エンジニアでもない営業の私が知ったかぶりして「DCI」やら「400Gbps」を語ってみることにします。
(くれぐれも技術的な考察ではありませんので、悪しからず)
「DCI」=Data Center Interconnection の略ですが、「DCI」が何なのかを語る前に、今のデータセンターをめぐる環境に触れておこうと思います。
昔々のデータセンターと違い、現在のデータセンター事業者は国内外に複数のデータセンターを所有しています。
更に、それらデータセンターを使う側も、単独センターの利用ではなく、複数センターにリソースを配して事業展開をしています。
つまり、複数存在するデータセンター間では、常に各センターに置いてあるコンテンツやデータなどが相互に接続され、共有・冗長化を行っていることを意味します。
そして、そういったデータセンター間でのやりとりされるデータ量は勿論、データ共有や冗長化の要求は、とてつもない速度で拡大をし続けています。
このように急速な拡大局面であるのに対し、実はデータセンターという存在は、1ラックに収容出来る物理的なマシン台数の上限が決まっている上に、建物自体の設計上限のラック数を超えるて設置することが出来ず、柔軟にスケールすることが最も難しい存在なわけです。
※搭載マシンが扱えるデータ容量は年々上がって来ていますが。。。
データセンター単独でのスケールに限界がある以上、新規にデータセンターを建設し、それらデータセンター同士を接続することでスケールする必要が出て来ます。
そう言ったデータセンターをめぐる環境が、「DCI」という概念を生んだ訳です。
では、その「DCI」を実現しようとした場合、いくつもの課題がある筈ですが、私のようなエンジニアではない立場だと、真っ先に「さてさて、どの程度の帯域でつなぐの?」という見た目の課題が気になります。
そこで出てくるのが、光1波長で「400Gbps」を出すというフレーズになります。
繰り返しになりますが、私はエンジニアではないので、それら400Gbps接続を実現するための本質的な課題や、その課題に対する技術的なアプローチは・・残念ながら説明出来ません。
ただ、今の社会インフラの潮流=動画配信やオンラインゲーム、リモート会議、オンライン教育など、社会インフラの大部分がネットワークに依存している以上、トラフィックは増加する一方であることは間違いない訳で、超高速でデータセンター間を接続することの実現は急務だと言う事は理解出来ます。
しかし、広帯域・超高速で繋ごうとすればするほど、クリティカルな影響が顕著になることも想像出来ます。
例えば、「減衰」です
光ファイバーを通る以上、そして機械的な伝送装置が入る以上、どうしても「減衰」は発生します。
そして、超高速になればなるほど、「減衰」の幅が大きくなってくる筈です。
また、Latencyの問題もよりクリティカルになってきます。
データセンター間での接続ですから、当然物理距離が発生し、同時にLatencyを生じさせます。
これは物理距離が存在する以上、克服することが出来ない問題になります。
(物理距離以外にもLatencyが上がる要素はありますが。。。)
とすると、データセンター事業者は、「土地が安い」「広い土地を確保できる」という理由だけで新設データセンターを決められないことになります。要は、どれだけ安くて広大な土地があっても、「DCI」を設計する上で物理距離から発生するLatencyが許容出来ないことになれば、その土地にデータセンターを建設することが出来ない可能性があるということになります。
「減衰」の問題も同様です。
これは、純粋なNW設計の問題以上に、経営上の問題にも波及します。
そんな課題を克服するため、今日から3日間、函館で「中の人」が議論します。
函館には行けないけど、、、楽しみです。
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