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ヒヤリハットその1

ICTLINKの河野です。こんにちは。
IT業界で働き始めてから十数年、いい意味でも悪い意味でも色々な経験をしました。これからも経験をしていくでしょう。

今日は(多分全員の)エンジニアが経験するであろうヒヤリハットについて、自身の過去を思い出しながら物語形式で紹介していきます。
タイトルにあるとおり「その1」と書いてあるのでシリーズ化していければなと考えています。

昔々あるところに、それはそれは古いグループウェアのシステムを動かしているサーバーがありました。
このサーバーは稼働から5年以上が経ち、保守も切れており、導入したベンダーはいなくなり、レスポンスが悪いと評判で、いつの日かシャットダウンされるのを待っていました。
そこで現れたのはまだ20代中盤のシステムエンジニア(SE)、このサーバーをリプレースするためにやってきました。
SEはサーバーにログインし、色々と調べます。帰ったかと思ったらリモートで接続します。

とある日に事件が起きました。
いつものようにリモートで調査をしていきます。
クリック音とともにエンジニアの「ん?」という言葉を後に、サーバーはハングアップしてしまいました。

それはもう大変な騒ぎです。
このサーバーはグループウェアのみならず、メールサーバー、ファイルサーバーの機能も同居していたのです。顧客の業務は全停止

顧客に謝罪をしながら、OSの強制再起動を実施してもらい何とか復旧、報告書作成に進む。

さて原因はなんだったのでしょう。
とある箇所をクリックしたことによって、ウイルススキャンが実行されてしまい、サーバーが処理しきれなくなったことが原因です。
じゃあなんでそんなところをクリックしたんだい?というところなんですが、


こいつが原因です。
この「ポインターを自動的に既定のボタン上に移動する」が有効になっていたことが原因です。

この設定の存在を知っている人っているんですかね…。
この設定が有効になっていると、↓のようなダイアログが表示されたときに、マウスカーソルが「はい」の上に自動で移動してしまうんです。

確認しようとしたところをクリックしようとする
→クリックの直前にウイルススキャンの実行を促すダイアログが表示される
→マウスカーソルがウイルススキャンのダイアログの「はい」に移動する
→「はい」をクリックする
→はい、障害

この設定の存在は高校生のころから知っていましたが、まさかサーバーで有効になっているなんて思わず。
インターネットには某イルカに「お前を消す方法」なんていうのもありますが、当時の私はこのマウス設定そのものを消してほしいと本気で願ったものです。

ということでこの記事を書く前に、今もこの設定ってあるのかな?と思って見てみました。

あるし…。
しかもサーバーOSでですよ。

世のサーバー管理者のみなさん!IT業界に身を置くみなさん!この設定は百害あって二利なしです!即刻オフにしましょう!
(一利はマウスカーソルを動かす手間が省ける便利さ)

今日はヒヤリハット(アウト)のご紹介でした。お読みいただきありがとうございます。次回をご期待くださいませ。


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